最初の作品でありながらライヴ盤という画期的な内容の作品

■アルバム名
Kick Out The Jams

■アーティスト名
MC5

■おすすめ理由
ロックに魅了される(あるいは嫌気がさす)理由の一つは、過激なパブリック・イメージにあります。
社会の様々な事柄について疑問を持ち、反抗・反逆によって自らの存在を知らしめる、そんなやり方……現在ではパンク・ロック等に象徴されるジャンルの核となっていますが、おそらくその最も原始的なバンドが、デトロイトで活動していたMC5ではないでしょうか?

1968年、デトロイトのグランド・ボールルームにてライヴ録音されたファースト・アルバム、とあるアーティストの最初の作品でありながらライヴ盤というのも画期的な内容ですが、収録した時の背景にも、政治集会の催し物だったという、稀なシチュエーションも興味深いところです。

マネージャーのジョン・シンクレアという人物は、ベトナム戦争の反戦活動家であり、ホワイトパンサー党創設者として知られ、政治的姿勢も明確だった故にバンドにも同等なモチベーションを要求していたのでしょう。
過激なパフォーマンスと、PAシステムが発達していない時期ながらも、何台ものアンプを使い爆音を響かせたことで有名です。
また当時では有り得ないステージ上の派手な衣装も印象的でした。

アルバム冒頭から観客へのアジテートで始まり、もやもやとした音の暑苦しさの中で、金属的なギターが劈く(つんざく)ようなサウンドは、当時のヒッピームーヴメントとは裏腹に、更なる先端に達していた異端児達だったと言えます。

アルバムタイトル「kick out the jams」の由来は、ヴォーカルのロブ・タイナーがまだハイスクールの生徒で、ビートニク友達とジャズのジャム・セッションを聴きに行った頃、あまりにひどい演奏をするプレイヤーに「ヘタクソ、引っ込め!」くらいの意味で使っていた言葉、それがメンバー間で日常の挨拶程度に使われていたことによるそうです。




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