斎藤道三の新たな一面が見いだせる作品

■作品名
猛き黄金の国 道三

■作者名
宮本ひろ志

■巻数
全6巻

■おすすめの理由

『ビジネスジャンプ』に2000年から2001年まで連載された歴史漫画で、油屋の入婿になった松浪庄五郎が美濃の国主、斎藤道三になるまでの波乱万丈の生涯を描いた作品です。

通常の歴史観だと美濃平定は、道三、義龍親子で成し遂げたという見解が多い中、この作品では、道三一代説に基づきストーリーを展開します。

■あらすじ
美濃国を手中に収めた道三ですが、それを足掛かりに天下を狙うのには自分が歳を取りすぎていることを悟ります。

そして、道三は自分の娘婿の織田信長の才を認め、信長こそ天下取りの後継者と定めます。
道三は、楽市楽座などの内政のノウハウや、岐阜城の図面を信長に渡します。
信長はこうした道三の行動を不可解に思いながらも、道三がもつ内政などのノウハウに感嘆し、道三を天才と評します。

やがて、道三は嫡男の義龍と不仲になり、美濃国が二つに割れる戦となりますが、ほとんどの家臣は道三ではなく義龍に従い、身代わりの家臣が討たれることで道三は美濃から姿を消します。

時は過ぎ、天下取りにまい進する信長は美濃国をおとし、上洛へ向けて兵を進めます。

その時、信長の軍勢の前に平然と佇む老人がいました。
この老人こそ、道三であり、その姿を認めた信長は自らその老人の前に平伏するのでした。


このように本作では、道三が息子の義龍ではなく信長を天下取りの器として認めるというスタンスに立ちます。

これは、歴史的にも信憑性が高い話ですが、美濃を脱出して、油屋を守っていた妻の元に戻るという本宮ひろ志ならではのフィクションを加えています。

道三を商人の出身として、その商才を楽市・楽座や城下町経営に結び付けるという解釈も面白く、斎藤道三という戦国きっての梟雄の新たな一面が見いだせる作品です。




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