マンガ・コミック/口コミでおすすめの90年代の青年マンガ

金に滅ぼされる人と金融屋の人間模様『ナニワ金融道』

マチ金会社で働く営業マンの灰原達之が、金融の裏世界に巻き込まれていく姿を描いています。綿密な取材に基づいて描かれたという金融の罠や闇の恐ろしさ、そして危険とわかっていても闇に引きづり込まれてしまう人間の弱さ。リアリティがあり、ストーリーの展開も早いので面白く読み進めます。

投稿記事

綿密な取材によって描かれた金融の裏世界

■作品名
ナニワ金融道 (1990)

■作者名
青木雄二

■巻数
単行本:全19巻、文庫版:全10巻

■おすすめの理由

1998年に手塚治虫文賞・マンガ優秀賞を受賞した「ナニワ金融道」。

1990年からモーニングに連載された漫画で、単行本は全19巻、文庫版は全10巻が出版された他、テレビドラマ化もされました。

■あらすじ

舞台は大阪。

マチ金会社(消費者金融)「帝国金融」で働く営業マンの灰原達之が、仕事柄様々な事情を抱え借金をする人達の愛憎悲喜こもごもの人間模様や、お金を貸して取り立てることが商売の金融の裏世界に巻き込まれていく姿を描いています。

のっぴきならない事情で、高い金利のマチ金に手を出してしまう人達。

恋人が連帯保証人になってしまい、借金の肩代わりをするせざるおえなくなりソープ嬢になる女性。

危険ギリギリな手形取引をしていたが、取引先の倒産で破綻し夜逃げをしてしまう印刷会社の社長。

会社が経営不振のため登記簿を偽造し、それを担保にして大金を借り逃げてしまう中年男性。

バーの女性にコロッと騙されて、多額の借金を背負い、家を売らなければならないハメにまで追いつめられた男性。


見ているだけで息苦しくなるような、腹が立つような、なんとも切ない事情に追い込まれてしまった人々の転落ぶりが描かれています。

帝国金融に務め始めた時は、まだ世間の「闇」を知ることもなかった灰原が、彼らの修羅場を目の当たりしに、解決しようと奔走したり自分の無力さに絶望したりしながらどんどん成長していきます。

作者と編集者の綿密な取材に基づいて描かれたという金融の罠や闇の恐ろしさ、そして危険とわかっていても闇に引きづり込まれてしまう人間の弱さ。

自分もいつこうなるかも知れない……というリアリティがあり、ストーリーの展開も早いので面白く読み進めます。

仕事なので厳しい取り立てをするのですが、時折見かける帝国金融の人達の温かみのある人間性にホッとする部分も見どころです。

「金融」というとなにやら難しい感じですが、「ナニワ金融道」はかなり勉強になる部分も多いので、読み終えることには様々な知識がつくのもメリットです。

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