新たなホラーを作り出した90年代の名作映画

■作品名
スクリーム (Scream)

■監督
ウェス・クレイヴン

■主演
ネーブ・キャンベル

■DVD/Blu-ray発売元
ワーナー・ホーム・ビデオ

■あらすじ
カリフォルニア州、ウッズボロー。ある夜高校生のカップルが惨殺される。学校中が大騒ぎの中、同級生のシドニーは1年前に母親を何者かに殺された記憶が甦り不安になる。そんな中父の出張中、シドニーに不審な電話がかかってきて……。

■おすすめの理由
90年代のハリウッドホラーは大きな転換期を迎え、また新しいジャンルを求めて模索する時期でした。

オカルトやスプラッター等の既存のジャンルは80年代末には行き着く所まで行き、ネタ切れ、興行的にも下降の一途でした。

最大の潮流はホラーの一部がミステリーと融合し始めたことです。これはドラマ『ツインピークス』や『羊たちの沈黙』『セブン』等に見られる流れです。

根底には人々の恐怖の対象が超常現象やモンスターから人そのもの、または人の心へと移ってきたこと、そこへ80年代半ばからのDNA鑑定、心理分析、プロファイリング等の科学捜査の進歩が重なったことがあります。

潮流二つ目は実験的な試み。中には『CUBE』の様に成功し、以降の作品に影響を与えたものもありました。

潮流三つ目が本作『スクリーム』に代表されるメタホラー作品です。作品最大の魅力は構成の妙です。

登場人物の一人ホラー映画オタクのランディは、作品内正にホラー映画のシチュエーションの中で、ホラー映画のお約束、例えば「2階に逃げちゃダメだ」「すぐに戻るのは命取り」等の薀蓄・心がけ等を披露します。そしてこれが劇中の展開に影響してきます。

彼が取り上げる作品は有名なものばかりで、仮に知らなくても分かりやすい解説で十分楽しめますし、また作品中に名作ホラーの有名俳優達が多数カメオ出演しておりそれを探す面白さもあります。

つまり観客は、ホラー映画内でホラー映画を楽しむメタ構成、そこから生じる先読みが難しいスリル、(意外な)真犯人探しの3つが味わえます。

作品の主眼は実はホラー映画への愛情です。ホラー映画の仕組みをタネ明かししながら、あらゆるツボを押さえたホラーを再構築し、その魅力を共有しようとする試みはファンに受け入れられ世界中で大ヒットしました。

不思議かつ怖さ控えめな良作でお勧めの1本です。




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