画面もボタンも無いPS Vita

PS Vita TVの図

これがゲーム機? というほど小さいPS Vita TV

先日、任天堂が海外向けに3D機能が無く折りたたみもできない代わりに価格が安くなった「ニンテンドー2DS(以下2DS)」を発表して大きな話題となりましたが、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)は2013年9月9日に開催したプレスカンファレンスで2DSに勝るとも劣らないユニークなハードを発表しました。その名もPS Vita TV、2013年11月14日発売予定です。

PS Vita TVのどこがユニークなのか。このハード、PS Vitaシリーズの新しいハードではあるんですが、なんと画面がありません。ボタンなどの入力インターフェースもありません。そしてものすごくちっちゃい。見た目は手のひらちょこんと乗るサイズのただの小さな白い箱です。

画面もボタンも無くてどうやってゲームを遊ぶんだ、という感じなんですが、PS Vita TVという名前にもある通り、テレビに接続して遊ぶPS Vitaなんです。その際にコントローラーはPlayStation3(以下PS3)のコントローラー、つまり「デュアルショック3」を使います。テレビに接続するんですから、携帯機としては使えません。

そしてもう1つ衝撃的なのがその値段。なんと、希望小売価格9,954円。1万円しないんです。PS Vita TVと同時に発表された新型PS Vitaが希望小売価格19,929円ですから、ほぼ半額。もちろんニンテンドー3DSよりも安いですし、なんなら2DSと比較してもさらに安い。

携帯ゲーム機として成立する要件を削ってしまうというまさかの発想で作られたハード、PS Vita TV。それだけに、誰にでもオススメできるハード、というわけではありません。という訳で今回は、PS Vitaはどんな人にオススメなのか、あるいは逆にオススメでない人はどういう人なのか、ご紹介してみたいと思いますので、購入の参考にしてみていただければと思います。

PS Vita TVとは?

PS4の図

PS4のリモートプレイにも対応。なかなか高機能ですね

まずは、PS Vita TVがどんなハードなのか、もう少しご紹介したいと思います。意外と勘違いをする人が多いので最初に申し上げておきたいのが、PS Vita TVは、PS Vitaの周辺機器ではないということです。

ボタンも画面も無いただの真っ白な箱で価格も安いため、PS Vitaをテレビに接続するための周辺機器だと勘違いする方がいるんですが、PS Vita TVはそれ単体でPS Vitaのゲームが起動できるゲームハードです。もちろん、PS Vitaのゲームソフトを本体に挿入して遊ぶことができます。PS Vitaを据え置きハードにした、とでも言うと分かりやすいかもしれません。

遊べるゲームは、PS Vitaのゲームソフトの他、オンラインからダウンロードすることでPSPのソフトも遊べますし、初代PlayStationやPCエンジンのソフトがダウンロード出来るゲームアーカイブスのソフトも利用できます。ただし、PS Vitaのソフトの中には、PS Vita TVに対応しているものと、PS VitaTVでは遊べないものがありますので注意が必要です。これについては後でもう少し詳しくご説明します。

また、ちょっと変わった使い方としては、PlayStation4(以下PS4)のリモートプレイにも対応予定。PS4が接続しているテレビと別のテレビにPS Vita TVが接続してあれば、ネットワークを介してPS Vita TVと繋がっているテレビでもPS4のゲームが遊べるようになります。

さらにはPS Vita TVはHuluやTSUTAYA TVなどのビデオオンデマンドサービスを使って映画やドラマ、アニメなどを試聴したりすることもできます。その他、音楽やカラオケ、インターネットブラウザなど、多彩な機能を持っています。

安いのに色々できるPS Vita TV、次はいよいよ、PS Vita TVを買ったほうがいい人と、買わない方がいい人について、お話していきたいと思います。

PS Vita TVを買ってはいけない人

PS Vitaの図

PS Vitaで遊びたいソフトがいっぱいあるのにPS Vita TVに対応していないなんてっ! という方はPS Vitaを買いましょう

まず最初に、PS Vita TVを買わない方がいい人についてお話したいと思います。それはずばり、PS Vitaのゲームを楽しみつくしたいという人です。PS Vita TVの大きな欠点として、PS Vitaのゲームがすべて遊べるわけではない、ということが挙げられます。

PS Vitaには前面と背面の両方にタッチパネルがあるなど、独特の入力インターフェースがありますが、そういった機能を活用していて、デュアルショック3で操作を再現するのが難しいというソフト等に、PS VitaTV未対応というタイトルがあります。これが実は、結構あるんです。

PS Vita TVを買ったら「GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動を」を遊んで、「初音ミク -Project DIVA- F」もやりたいし、そういえば「アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-」もやりたかったんだ、なんて人は決してPS Vita TVを買ってはいけません。何故ならそれらのゲームはすべてPS Vita TV未対応だからです。

【関連サイト】
PlayStation Vita TVで遊べるPS Vitaゲーム(プレイステーション オフィシャルサイト)

「えー、そんなに遊べないタイトルがあるの?」と思ったそこのあなた。あなたの不満を解消する実にシンプルな方法があります。PS Vitaを買いましょう。PS Vita TVの対応ソフトに不満が出るくらい遊びたいソフトがある方なら、約2万円程出してPS Vitaを買っても十分価格に見合う価値が見いだせるでしょう。ちょうど薄くて軽い、バッテリーも長持ちの新型も出ましたしね。

PS Vita TVがオススメな人 携帯機はたまにしか遊ばない人

ソウル・サクリファイスの図

携帯機はそんなに遊ばないから安く欲しい、というような方にはとてもオススメ

逆に、PS Vitaを買おうかどうか迷っているぐらいの人にPS Vita TVはいいかもしれません。PSPからそろそろPS Vitaへ乗り換えたいんだけど、でもまだ高いしなあ、と二の足を踏んでいるような方ですね。

「ソウル・サクリファイス」や「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」、「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-」など、PS Vitaで話題になったタイトルが気になる、でもやっぱりハードが高いしなあ、いつが買い時かなあ、なんていう人はPS Vita TVの購入を検討する価値があります。

ただ、いくつか条件があります。1つはPS3を持っていること。デュアルショック3は希望小売価格5,500円ですから、PS Vita TVの為に買うとなると、価格面のメリットが半減してしまいます。もう1つは、外でゲームをあまりやらないということ。携帯ゲーム機というと、みんなで持ち寄ってワイワイマルチプレイを遊ぶというイメージが強いかもしれませんが、社会人ゲーマーなどで外には持ち運ばないという人も実はわりといるんですね。

これらの要素を加味すると、据え置きゲーム機主体で、携帯機も気になったタイトルだけボチボチ遊ぶぐらいの人にはPS Vita TVがハマる人がいそうです。

さらに、こんな人にもPS Vita TVはオススメです。

PS Vita TVがオススメな人 2台目を安く欲しい人

PS VitaとPS Vita TVの図

PS VitaとPS Vita TVでマルチプレイをすることも可能です。

PS Vita TVがオススメなもう1つのパターンは2台目が安く欲しい、という人です。例えば、大学生のお兄ちゃんがPS Vitaを持っていて、高校生の弟くんはお兄ちゃんが遊んでいない時に貸してもらって遊んでいる、というような場合。お兄ちゃんが家で遊んでいる時や、外に持って行ってしまった時は当然遊べませんし、一緒にマルチプレイすることもできません。「ソウル・サクリファイスデルタ」が発売されるし自分用のPS Vitaが欲しい、でもやっぱり高い、こんな時に、PS Vita TVは良さそうです。

PS Vita TVの中身はPS Vitaですから、無線機能がついています。アドホック通信でPS Vitaと通信して遊ぶこともできるんですね。1台はPS Vitaがあるけれど、兄弟でマルチプレイをするためにもう1台欲しい、でも流石にPS Vitaを2台は高くて両親もOKしてくれない、なんて場面で安く買えるPS Vita TVはちょうどいい選択肢になるかもしれません。

主役ではないかもしれないけれど、意外と使える脇役に

リビングのテレビの図

リビングでPS4を遊んでいたけど、家族がテレビを使うので自分の部屋のテレビでPS Vita TVを使って続きを、なんてこともできるようになるみたいですよ(イラスト 橋本モチチ)

PS Vita TVは、テレビで遊べる、デュアルショック3が使える、価格が安いということが大きなメリットで、逆に、外に持ち運べない、遊べないPS Vita用タイトルがある、ということがデメリットとして挙げられます。また、もう1つ言っておくと、PS Vitaの映像を大きなテレビで出力するわけで、どうしても画面がやや粗くなります。これが気になるかどうかは人それぞれですので、購入前にはゲーム販売店などでデモを観ておくと安心です。

さて、PS Vita TVは誰にでもオススメできるという商品ではありませんが、人によっては重宝し、選択肢を広げるという意味ではすごく面白い存在です。

これまでお話したような感じで、簡易的なハードとして、あるいはサブ機として購入してみると、ビデオオンデマンドの各種サービスが利用できることや、PS4のリモートプレイ中継機になることなど、実は色々できるのが便利、という場面も訪れるんじゃないかと思います。

また、対応ソフトに関しても、今後発売されるソフトに関して言えば、開発の時点でPS Vita TV対応を念頭においたものが増えていくことも考えられます。どのメーカーも1人でも多くの人に遊んで欲しいと思っていますからね。

主役のハードではありませんが、「意外と使える名脇役」としてPS Vitaを盛り上げる存在となるかもしれません。オススメな人に当てはまる方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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