リュックベッソンの「レオン」の原型になったサスペンスアクション

■作品名
グロリア (Gloria)

■監督
ジョン・カサヴェテス

■主演
ジーナ・ローランズ

■DVD販売元
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

■おすすめの理由
本作は『こわれゆく女』『ラヴ・ストリームス』などの名作で知られる名匠ジョン・カサヴェテス監督によるサスペンスアクションです。

スターによる大作映画が隆盛の80年代アクション映画において、派手さはなく知名度も低いですが、ドラマ部分の出来が秀逸な、心に残る隠れた名作です。80年のヴェネツィア国際映画祭で大賞の金獅子賞を受賞しました。

作品最大の魅力は主演のジーナ・ローランズさんです。映画の名作には時に、ストーリー・映像・脚本などを超えて俳優の持つオーラが圧倒的に輝きを放つ作品があります。

例えば『フランス軍中尉の女』のメリル・ストリープや、古くは『カサブランカ』のハンフリー・ボガート等。

本作でローランズさんが演じるのはマフィアのドンの元恋人で複雑な過去を持つ中年女。ひょんなことから、マフィアに付け狙われる小さな男の子を守ることになります。

その内部をよく知る彼女が男の子を連れ、経験と度胸で彼らと取引を図りつつ、逃避行を繰り返す内に母性愛に目覚めていく展開です。

美形ではないものの、凛とした表情、強い目力、立ち姿の美しさ、殺し屋相手に一歩も怯まず銃を撃つ姿の力強さ・カッコ良さは、作品のハードボイルドな世界観を際立たせます。

さらに誰にも媚びない生き方をしてきた強い女性が、男の子に対し確かな愛情を感じていくことで、ドラマとしての奥行きが生まれました。

ローランズさん、実はアクションは本作のみですが、正に一世一代のはまり役で、上手く魅力を引き出したカサヴェテス監督に感服します。

お二人は実の夫妻で、公私を共に過ごされることで本質的な魅力を引き出せた好例ではないでしょうか。

日本においては『Shall we ダンス?』の周防正行監督と草刈民代さんがそうです。

またニューヨークという街の雑多な風景とジャズの乾いた音色も作品の重要な構成要素で、メジャー作品とは異なるテイストを醸し出します。これはインディペンデント映画の祖であるカサヴェテス作品としての魅力です。

その他本作はリュックベッソンの『レオン』の原型でもあります。見比べると面白いかもしれません。




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