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中学受験を諦める・やめるときの「見極め基準3つ」

中学受験を諦める・やめるという選択は、小学六年生の夏休みが終わっても成績・内申点が思ったように伸びない、本人がストレスを抱えるなど、さまざまな要因から生まれます。中学受験のやめどきを考える上で、見極めの基準となる3点をお伝えします。

西村 創

執筆者:西村 創

学習塾・個別指導塾ガイド

<目次>
 

中学受験を諦める見極め基準1「本人のやる気」と「塾」との関係

中学受験を諦める・やめるときの見極め

中学受験をやめるかどうか、いちばんの判断基準は、子どもにやる気があるかどうか

中学受験をやめるかどうか。

ここでいちばんの判断基準になるのは、「子どもにやる気があるか」どうかです。

よく見られるのは、「中学受験はしたくないけれど、塾をやめたくない」と本人が主張するケース。「勉強はしたくないけれど、塾はやめたくない」というのは、塾を通うことで得られる安心感、塾の友人関係があるのためにそれを失うのは嫌、というわけです。子どもがあまりにも勉強しないのなら、「●月までに模試の総合偏差値が●●に届かなかったら退塾する」という約束をするのも手です。

志望校に合格するには「いつまで」に「どれくらい」の偏差値に到達しているべきなのか。それを塾で聞き、その偏差値目標を子ども・保護者・塾で共有しましょう。そして、その目標のためにどのような課題をクリアする必要があるのか、塾の講師に具体的に教えてもらいましょう。

その後、子どもがその課題に精一杯取り組んでいるどうかが、通塾と受験を継続するかを決める一番の判断判断となります。
 

中学受験を諦める見極め基準2 「模試の4科総合偏差値が40以上あるか」

模試によって、算出される偏差値は異なるので一概には言えませんが、ざっくり言えば「4科総合偏差値が40」、これが中学受験を続けるかどうかの判断基準になるでしょう。

この偏差値を下回る学校は、付属の高校・大学のレベルや進学実績という観点において、費用対効果(中学受験にかける費用に加え、中学入学後の学費に対する進学先の学校偏差値)があまり高くなくなる傾向にあります。

ただし、「学校の教育方針が気に入っている」「グラウンドやプールなどの施設に魅力を感じる」「地元の公立中学校にはない部活に入部したい」などという場合は偏差値ランキングにとらわれない学校選びをすればよいでしょう。

模試の4科総合偏差値40を下回ると、塾でいちばん基本レベルのクラスの授業であっても内容理解に苦しむはずです。入塾したてで、まだ学習のサイクルが確立する前の段階であれば、偏差値が低くても心配するには及びません。授業内容が概理解できていれば、いずれ偏差値は自然と上がっていくからです。

しかし、入塾して半年以上経過しているのにも関わらず、偏差値が40に届かないのであれば、勉強の仕方の抜本的な見直し、あるいは中学受験自体をやめることを考えるタイミングかもしれません。
 

中学受験を諦める見極め基準3 「志望校の偏差値が50未満&2科目受験可能」

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中学受験をやめるかどうかの判断どうする?

「模試の偏差値が50未満、国語・算数の2科目受験可能な学校」であれば、小6の3月から勉強しても、合格できる可能性は低くありません。また、英語1科目で受験できる学校も英語が得意な場合は、合格の可能性が高いでしょう。このような条件にあてはまる学校が志望校にあり、進学意向があるのであれば、中学受験をあきらめる必要はありません。

一方で、「偏差値50以上、4科受験のみの学校」しか考えられない、ということであれば、小6の冬期講習前、11月頃の偏差値を見て、中学受験を撤退するかどうかを見極めるといいでしょう。
 

小学六年生の11月までには受験をやめる勇気も

中学受験で最も避けたいのは、受験校すべてに不合格になり、本人が「がんばってもムダ」「自分は勉強ができない」と思ってしまうことです。状況によっては中学受験を回避し、公立中学に進んで高校受験への立て直しを図ったよいケースもあります。


子ども本人よりも親が熱くなりがちな中学受験ですが、上記の基準をもとに、小6の11月くらいまでには、受験勉強を続行するかどうかを冷静に判断してください。
 

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