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平成25年度は10月に年金支給額が変更になります。はじめになぜ見直しが必要なのかみていきましょう

公的年金の支給額は、前年の1月から12月の物価や賃金の水準に合わせて毎年4月分から金額が見直されます。今年は平成24年1月~12月の物価変動が0%だったので、年金の支給額は据え置きとなりました。通常、年金の支給額の見直しは年1回なので、4月に決定した金額は翌年3月分までの支給額となりますが、今年度については10月分の年金から支給額が変わります。今回は、今年10月に実施される年金支給額の変更の内容について主にご案内します。

また、昨年成立した「社会保障と税の一体改革」の中に、社会保障のセーフティネット機能を強化する改正があります。公的年金については、年金を受給している高齢者世代以上に、制度を支える現役世代に対するセーフティネット機能が強化されています。どのような改正が今後実施されるかあわせてご案内します。

<INDEX>
なぜ変わる?公的年金の支給額
物価スライド特例の解消による年金引き下げ
将来の公的年金の姿~今後実施される年金改正

なぜ変わる?公的年金の支給額

現在の公的年金の支給水準は、本来の年金の支給水準に比べて高い水準になっています。なぜ、本来の支給水準より高いものになったのか、下図の公的年金の支給水準の推移からみていきましょう。
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(厚生労働省ホームページより、クリックすると拡大します)


平成16年の年金改正以前の公的年金の支給水準は、前年の消費者物価の推移に連動して見直される完全自動物価スライド制でした。完全自動物価スライド制のもとでは、消費者物価が下落すれば年金の支給額も下がるしくみですが、平成12年度から14年度にかけて物価水準の下落を年金の支給水準に反映させず、支給額が据え置かれました(A)。この仕組みを「物価スライド特例措置」といいますが、老齢年金が収入の中心である高齢者の生活に配慮して導入されたものでした。

平成15年度と16年度は消費者物価の下落分が年金の支給額に反映されましたが、年金の支給水準は本来の水準より1.7%高いまま平成16年の年金改正が実施されました(B)。

平成16年の年金改正により、公的年金は保険料の上昇に一定の上限を定め、その負担の範囲内で年金給付を行う保険料水準固定方式が導入されました。また、物価スライド特例措置による支給水準と本来の支給水準のかい離を解消するまでは、消費者物価が上昇しても年金額は据え置きすることなどとされました。このため、平成21年度は消費者物価が上昇しましたが、年金の支給額は据え置きとなり、特例水準と本来の支給水準のかい離は0.8%に縮小しました(C)。ところが、その後、また消費者物価が下落したことにより特例水準と本来の支給水準のかい離は2.5%に拡大しました(D)。

そこで、政府は通常の年金支給額の見直しとは別に特例水準とのかい離を解消するための法案を提出しました。その結果、平成24年11月に法案が可決成立し、年金の支給水準の引き下げが決定しました。どのようなスケジュールで支給水準の引き下げが行われるのかをみていきましょう。