絵本/絵本好きを育てる「ひざ読」のすすめ

こんなときどうする? ひざ読FAQ

ひざ読は絵本嫌いの子も絵本大好きへと変身させる読み聞かせの方法です。そのため、やみくもに絵本を読むのと違い読み手に準備やちょっとした工夫が必要です。そんなひざ読に関するよくある質問にQ&A形式でお答えします。

執筆者:大橋 悦子

ひざ読に対する疑問にお答えします 

ひざ読は、子どもたちの様々な反応の意味を考えながら、絵本の楽しさを体感させていこうとするところに特徴があります。みなさんがいつも行っている読み聞かせとは、同じように見えて、絵本についての考え方が少し違うのです。その部分に戸惑われる方もいらっしゃることでしょう。そこで、ひざ読について寄せられる「よくある質問」にQ&A形式でお答えします。

絵本の読み方に関する質問

登場人物になりきっている人のイメージ画像

さすがに仮装はしないけれど、演じて読む人は意外に多いのですが……

ひざ読に限らず、絵本をどんなふうに読んでいいのかわからないという方も多いようです。まずは、読み聞かせの基本となる「絵本の読み方」について、ひざ読の考え方をもとにお答えします。

Q:絵本の読み方のポイント
そもそも、絵本をどんなふうに読めばよいのかわかりません。オーバーに読むのも気恥ずかしいし、正直読み聞かせが苦痛です。

A:心を込めて丁寧に! 大切なのは演じないこと
これらの疑問は、絵本の読み聞かせに対する誤解から生まれてきているように思います。ひょっとすると、皆さんは、図書館等で開かれている「おはなし会」のように読まなければいけないと思っていませんか? でも、それは間違いです。おはなし会等では読み手1人が複数の聞き手を対象に絵本を読むため、一定の特別なルールや技術が求められます。

けれども、絵本は本来1対1で読む事が前提で作られています。それは、絵本の大きさを見ればご理解いただけるはずです。ですから、ひざ読では、オーバーに 演じる必要もなければ、声色を使う必要もありません。むしろ、絵本を深く楽しむためには、そういった読み方をしないほうが良いのです。

いつもと同じお父さん・お母さんの声で、お子さんに話しかけるように絵本を読んで下さい。例えば、お子さんが描かれた絵に興味を示したら、「真っ赤なりんご、美味しそうだね」とか「可愛いくまさんだね」などと、会話をしながら読んでいきましょう。そういった経験を積むことで、長いお話なども集中して聴ける ようになるものです。

Q:読み聞かせの時のコミュニケーションについて
絵本を読む時は、途中で説明や質問を入れないで読むのが良いと聞きました。ところが、ひざ読では、コミュニケーションを大切にする読み方をします。それは、なぜですか? 本当にひざ読のやり方で、大丈夫なのでしょうか?

A:はい、大丈夫です。でも、国語学習のような質問やテストは厳禁です
読み聞かせをする時は、「途中で余計な説明や質問を入れないで読む」というのは、正解です。読み聞かせ講習会等では、必ずそのように指導があります。例えば、お話の途中で、「くまさん、泣いているね。どうして泣いているのかな?」なんていちいち聞かれたら、大人だって、鬱陶しくてお話に集中することなどできません。

ですから、ひざ読は、そのような余計な声かけを推奨しているのではありません。実は、膝にお子さんを抱いて絵本を読んでみると、みなさんの想像以上に、お子さんの感情や集中の度合いなどが手にとるようにわかります。ひざ読では、この感覚を大切にしながら、その子の心の動きに沿い、その子の気持ちを大切にしながら言葉がけを行い、お子さんとコミュニケーションをとりながら絵本を読んでいくことを提案しています。

ですから、ひざ読のコミュニケーションを大切にする読み聞かせと、国語学習のような質問や確認だらけの声がけとの違いをご理解いただき、親子一緒に絵本を楽しむというスタンスで取り組んでいただきたいと思います。そうすれば、お父さん・お母さんからの言葉がけは、お子さんの絵本への興味や集中力を増すのに役立つことはあっても、邪魔になることは決してありません。


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