海外留学と言えば就職活動前の大学生が主流でしたが、最近では高校生の留学もメジャーになりつつあります。高校生留学の特徴と留意点、留学から帰国した生徒の声、そして成功させるための秘訣についてグローバルパートナーズ株式会社で留学カウンセラーを務める服部智恵子さんに聞きました。

――高校生留学が増えていますね。留学を申し込む高校生の特徴はありますか?

海外の大学を目指す高校生が増えました。

海外の大学を目指す高校生が増えました。

服部 ひと昔前は日本の大学受験に失敗したから海外の大学へ進学を考える、という高校生が多かったのです。いまは最初から海外の大学を目指す高校生が増えました。高校2年生でカリフォルニア大学バークレー校のキャンパスを見学して憧れを抱き、まずはサンフランシスコの短大に留学することを選択した子もいます。

いろんなタイプの高校生が申し込んでいるので特徴を一口に言うのは難しいですが、あるとしたら日本の教育にはまり切らないタイプが多いです。精神年齢が高くて、周囲の同級生が子どもに見えてしまい、クラスで浮いてしまうような子などですね。他には、あまり自分に自信が持てないでいる子。例えば絵の才能を日本では認められず自信を失っていた子が、イギリスでは才能を評価され、自分の居場所を見つけた子もいました。その子はハイスクールを卒業した後に帰国し、生き生きと日本の大学に通っています。

――留学から帰国したたくさんの高校生の感想を聞いていると思いますが、なかでも本人が意外だったこととしてどんなことを挙げていますか?

服部 英語力に自信がなく不安な気持ちで留学したら、サッカーのうまさをクラスメートから尊敬され、友達ができて積極的に留学生活を過ごせた。歌のうまさや楽器の演奏が巧みさを周囲から認められたことをきっかけに仲間ができ、自信をつけて帰国したという声を聞きます。英語力に自信がなくても何か得意なことが別にあると、それをきっかけにして周囲とコミュニケーションをする機会が広がっていくようです。

進学校と呼ばれる高校から留学し、授業があまりにゆっくりで最初は焦りを感じたという子もいました。日本の進学校では大学受験を意識した受験頻出の重要事項をどんどん進めていたのに比べ、留学先のカナダの高校の授業では、例えばカナディアン・フォースのユニフォームを取り上げ、1時間かけて感想や意見を言い合うというようなことをしているので心配になったそうです。それがそんな授業を受けているうちにおもしろくなってきて、その子は優秀な成績で高校を卒業しました。

寮生活では多くの国からの留学生と共同生活をするので、寮生同士のコミュニケーションを心配したものの、意外とうまく交流できたという声が多いです。

――高校生が留学を成功させるために、どんなことを意識すればいいのでしょうか?

服部 本人よりも親が留学させたいというケースが多いですが、本人の気持ちがどこまで留学したいと本気で思っているかが大事です。親はとにかく早いうちに子どもを留学させ、国際人としての英語力を身につけさせたいという気持ちが先行しがちです。でも、どんな年齢でも、留学にはふさわしい「行き時」があります。本人が行きたいと思ったときです。年齢がいくら上がっても、自分の意思で留学を決めないとうまくいきません。

>>次ページでは「子どもが留学への関心を高める親の働きかけ」について紹介しています。