おけいこ/おけいこを選ぶ

茶道教室について……初心者が知りたい流派・稽古の4つのポイント

茶道教室は和のお稽古のなかでも人気ですよね。そんな茶道教室について、初心者が押さえておきたい基本のポイントをご紹介します。「どんなことを習えるの?」「流派の違いって?」など、茶道にまつわる“はじめの一歩”。茶道教室初心者は必見です!

山口 佐知子

執筆者:山口 佐知子

恋愛・おけいこガイド

 

茶道教室初心者が知りたいポイント1:稽古はどんなことをするのか

茶道教室の初心者が知っておきたいポイント

地域性も影響する茶道の流派。まずは体験教室や見学に行って、自分に合う雰囲気かどうか見極めることも大切です

茶道を習うと聞いて、「ややこしいお作法で、緊張しながらお茶をいただくこと?」と想像するのは大きな誤解。お茶を飲むための規則を習うのだとしたら、私たちはたちまちストレスだらけになってしまいます。ところが、「お茶をたてていると心が癒やされる」という声を茶道教室に通う人から多く聞く理由は、なぜでしょう?

茶道教室でお茶をいただくと心が安まる理由は、そこがリラックスできる空間だからです。逆にいえば、お茶を飲む人が招いたお客さまだとすると、そのお客さまにリラックスしていただけるように心をこめておもてなしをするからです。所作はもちろん、季節のお花、床の間の掛け軸、茶器の景色、お菓子の名前にいたるまで、お茶をいただく席で意味のないものはひとつもありません! すべて、お茶を飲む人のために考え尽くされた「究極のおもてなし」なのです。

茶道教室では、そういったおもてなしの心を学ぶといっていいでしょう。これは、流派が違っていても、茶道を習ううえではほぼ共通の心得です。そして、おもてなしの心を学ぶために、おけいこではお茶のいただき方や床の間の拝見の仕方など、さまざまなシチュエーションにふさわしい決まり事を身につけていくことになります。
 

茶道教室初心者が知りたいポイント2:流派について

茶道に興味を持ったときに、まず驚かされるのが流派の多さでしょう。侘び茶の祖と呼ばれる千利休が確立する以前にもあった流派や、千利休の親族や門弟たちがはじめた流派と合わせれば、数十種類にものぼるといわれているほどです。そのなかでも有名なのは、「表千家」「裏千家」「武者小路千家」の三千家。各流派によっての上下関係はないといわれるものの、それぞれの所作などが少しずつ異なります。お茶道ビギナーであれば、流派の違いを理解できなくても当たり前のことなのでご安心を! まずは、「流派はたくさんあること」と、「流派によって所作などが異なること」を覚えておけばOKです。
 
■「三千家」の流派によってもこんなふうに異なる!
【お茶のたて方】
・表千家、武者小路千家……大げさに泡だてない
・裏千家……細かい泡をたてる
【女性の正座の仕方】
・表千家、裏千家……こぶしひとつ分ほど膝を開く
・武者小路千家……膝はなるべく開かない
【畳一畳の歩き方】
・表千家、武者小路千家……約6歩で歩く
・裏千家……約5歩で歩く
   

茶道教室初心者が知りたいポイント3:自分に合った流派の見つけ方

数十種類もある流派のなかから、自分にピッタリのものと出会うのは難しいように思えるかもしれません。実際に習ってみなければ、それぞれの細かい違いを理解できないことも多いから、というのがその理由。一度、流派を決めたら、ほかに変えることはしないというのも基本のルールなので、すべてを習ってみてから自分の流派を決めるわけにもいきません。

そこで、自分に合った流派を選ぶときに目安となるのが、「目標を定めること」になります。たとえば、「この地方には、この流派が多く伝承されている」というように、茶道は地域性も大きく影響します。なので、その地域での茶道を極めたいのであれば、そこで多く看板を掲げている流派を選ぶことでスペシャリストとしての道が開けるでしょう。

将来のライフスタイルを考えたときに、引越しや転勤があっても続けたいと思うのであれば、全国的に広く展開している流派を選ぶのも方法のひとつ。

また、「難しいことはヌキにして、とにかく茶道というものをはじめてみたい!」という人は、流派よりも教室選びに着目すると通いやすいでしょう。
 

茶道教室初心者が知りたいポイント4:揃えたいものについて

茶道教室
手に持っている赤い布が「ふくさ」。椅子に座っておけいこをする「立礼」を行っている教室も人気です
茶道をはじめるにあたってあると便利な道具は4点。お茶入れや茶杓を清める役割を果たす布である「ふくさ」、お菓子をいただく際に使う「楊枝」と、同じくお皿の代わりとしても使う紙である「懐紙」、おけいこの挨拶に使うための「扇子」です。

道具の値段はピンキリですが、廉価なものの場合、ふくさは1000円代から、楊枝は約500円、懐紙は約200円、扇子は1000円以内で購入できるものもあります。教室によってはレンタルできたり、ふくさのように流派によって色が異なるケースもあったりするため、道具はいきなり揃えずに、自分の通う教室の先生に相談してから準備するのがおすすめでしょう。

 

茶道教室初心者が気になる、その他のよくあるQ&A

このほかにも茶道のおけいこの基本や流派のことについて、よく寄せられる質問についてお答えします。

Q.着物を着られないと、お茶を習ってはダメ?
A.洋服でおけいこを受けられる教室もあります
お茶のことはもちろん、着付けやいけばなの心得がなくても通える教室がほとんど。洋服でおけいこを受けることができる教室を選べば、お仕事の帰りにも通えることができて便利です。

Q.よく聞く流派の2トップは「表千家」と「裏千家」。簡単にいうと、どういう特徴があるの?
A.習っている人の数が多いのは裏千家です
昔から多くの人に語られているイメージは、「表千家は素朴系、裏千家は華やか系」というもの。たしかに、私たちが「茶道」と聞いて思い浮かべる、フワーっと泡だったお茶とカラフルなお菓子が並んだお茶会の様子は、ほぼ裏千家によるものでしょう。ただし、表と裏といっても対立しているわけではありません。また、現在、習っている人の数が多いのは裏千家といわれています。

Q.費用の相場って、いくらくらいかかるもの?
A.習得のレベルや先生によっても費用は変わります
どのレベルまで極めるかによっても費用は異なりますが、初心者の場合は茶道以外のおけいこにかかる金額とさほど変わりはないケースが多いでしょう。いずれにしても、費用やシステムがポイントになる教室選びが大切なポイントになります。

「日本人として、正しいお作法を身につけたい」「そろそろ伝統文化を学びたい」など、茶道を習いはじめるきっかけは人によってさまざま。はじめてみると、思っていた以上に楽しくなるのも茶道の極意でしょう。生活にリズムをつけるためにも、おすすめの習い事です。

【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます