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無知だった二人のすれ違う恋「高校生ブルース」

大型新人として売出し中だった高橋恵子さんが主演の「高校生ブルース」。16歳の高校生・美子は、クラスメイトの昇に求められるまま、彼と体育倉庫で肉体関係を持つ。ところが、この行為で美子は妊娠してしまい、性に関して無知だった二人はうろたえる。とにかく中絶費用を捻出しなければとひそかにアルバイトを始める昇と、彼の愛を確かめようとする美子の思いはすれ違い……。

投稿記事

高橋恵子さんが体当たりで演じた衝撃作

■作品名
『高校生ブルース』
■監督
帯盛迪彦
■出演

関根恵子、内田喜郎、篠田三郎
■DVD販売元
角川エンタテインメント


70年代、期待の大型新人として売出し中だった高橋恵子(関根恵子)さん。
彼女を主演にした作品がいくつもある中で、もっとも強烈なインパクトを放つのが『高校生ブルース』。

16歳の高校生・美子は、クラスメイトの昇に求められるまま、彼と体育倉庫で肉体関係を持つ。ところが、この行為で美子は妊娠してしまい、性に関して無知だった二人はうろたえる。とにかく中絶費用を捻出しなければとひそかにアルバイトを始める昇と、彼の愛を確かめようとする美子の思いはすれ違い……。

撮影当時の恵子さんは15歳。なんとこの作品がデビュー作だそうです。
デビュー作なのに、潔すぎる脱ぎっぷり……というよりも、何とかして彼女のヌードをスクリーンに、という製作者側の意図が見え見えです。
普通の女子高生が、胸の形が丸見えの、透けたネグリジェなんか着るでしょうか。
しかし、そんな大人たちの思惑はさておき、15歳の恵子さんはあくまで凛として美しいのです。

クライマックスは、流産しようとした美子が、体育倉庫のマットの上に横たわり、自分のお腹を蹴ってくれと昇に懇願するシーン。
最初はさすがに躊躇する昇ですが、一発目の蹴りで理性が吹き飛んでしまったのか、何やら叫びながら美子のお腹を蹴り続けます。悶え苦しみながら、
「あたしたちがしたことは殺人よ!」
と叫ぶ美子。我にかえってその場から逃げ去る昇。
ちょっと怖すぎるこのシーンですが、思わず手に汗握ってしまうほどの迫力。

年よりは大人びて見えるけれど、中学校を卒業したばかりの恵子さんが、文字通り「体当たり」で演じています。
女優として生きていく覚悟のようなものが、痛いほど伝わってくる作品です。

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