映画/口コミでおすすめのサスペンス・ミステリー映画(邦画)

嘘を重ねて辛い過去を消し去る作曲家の物語「砂の器」

1961年に原作が出版されてから、これまでに何度もドラマ化されてきた『砂の器』。観るたびに涙が止まらなくなるのは、1974年に製作された映画版だけです。自らの辛く暗い過去を消し去るために、嘘を重ねて生きてきた天才作曲家・和賀英良。今の生活を頑なに守ろうとして、ついには自分の恩人まで殺してしまう……。そんな和賀を追う刑事の目線で、ストーリーが展開されていきます。

投稿記事

何度もドラマ化された、松本清張原作のヒューマンドラマ

■作品名
砂の器
■監督
野村芳太郎
■出演
加藤剛、加藤嘉、丹波哲郎、森田健作、島田陽子、山口果林
■DVD/Blu-ray発売元
SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)


1961年に原作が出版されてから、これまでに何度もドラマ化されてきた『砂の器』。
和賀を演じたのは、田村正和さん、佐藤浩市さん、SMAPの中居正広さん、佐々木蔵之介さん……と、そうそうたる顔ぶれなのですが、観るたびに涙が止まらなくなるのは、1974年に製作された映画版だけです。

自らの辛く暗い過去を消し去るために、嘘を重ねて生きてきた天才作曲家・和賀英良。
音楽家として成功した今の生活を頑なに守ろうとして、ついには自分の恩人まで殺してしまう……。
そんな和賀を追う刑事の目線で、ストーリーが展開されていきます。

和賀の本名は本浦秀夫。
父親がハンセン病になったために村を追われ、やむなく親子は旅に出ます。
いつ終わるとも知れぬ流浪の旅。
背景の日本の四季折々の風景が美しければ美しいほど、親子二人だけの旅の悲しさが強く強く伝わってきます。
そして流れる抒情的な音楽。
涙腺ダム大決壊です。

原作が松本清張氏ですので、サスペンス・ミステリーのジャンルに分類されてはいますが、むしろヒューマンドラマと呼ぶべきものかも知れません。
幸せのために人の命すら奪うのもエゴならば、たった一人の息子を手放すことを拒み続けた父親の父性愛も一種のエゴ。
人間のエゴイズムとは、何と悲しくどうしようもないものかと胸が詰まります。


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