戦争の真実は国民に公表されずに闇に葬られてしまうのか?

■作品名 
『合衆国最後の日』(1977)
■監督 

ロバート・アルドリッチ
■主演 
バート・ランカスター、リチャード・ウィドマーク、チャールズ・ダーニング
■DVD/Blu-ray発売元
紀伊國屋書店


いわゆる戦場でのドンパチ映画ではありませんが、当時の政治状況がかなり反映されています。

製作した4年後の近未来を舞台に、核兵器の驚異と合衆国の政治機構の恐ろしさを描いた骨太の作品です。


モンタナ州にあるミサイル基地が、脱獄囚達に乗っ取られる。

その主犯は、設計に携わっていた元空軍大佐(バート・ランカスター)で、核弾頭を搭載したミサイル9基を手に入れる。

彼が合衆国に突きつけた条件は、「ベトナム戦争の真実」が記された国家機密の公表と、国外への逃亡資金と、大統領の人質。

軍と合衆国の行き過ぎた政策に、戦いを挑んだのだ……


ベトナム戦争の悪夢に苦しむ国民達に真実を明らかにしようと望む大統領が死んでしまい、アメリカの民主主義がそこで終わったと感じさせるようなラスト。

そのままベトナム戦争の真実などは、大統領の願いも聞き届けられず闇の葬られるのだろうな……と感じさせられます。

今でこそよく見かける分割画面は、この当時としては新鮮だったのではないでしょうか。

そして、この映画の原題は「twilight's last bleaming」(薄明かりの中の最後の輝き)。

アメリカ国家の歌詞の中のフレーズなのですが、作者は戦艦に閉じ込められている時に、明け方に星条旗がはためいているのを輝いてみえた……という思いで書いたとか。

物語の内容はアメリカの民主主義の希望であった「最後の輝き」が消えてしまっただけに、このタイトルはとても意味深に思えます。

 




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