ラグビー観戦のコツは「ルールにとらわれ過ぎないこと」

グラウンド

ラグビーグラウンドの広さは100メートル×70メートル

ラグビーには細かいルールが数多くあり、またルールそのものも時代に合わせて刻々と変化していきます。そのためまずルールから理解しようとすると、ラグビーはとても敷居が高いスポーツに感じられてしまいます。試合を観たことはあるけれど、ルールはあんまり……という人も多いのではないでしょうか。

ラグビーのゲームの流れを大まかに説明すると、相手の陣地の一番深いエリア(インゴール)にボールを着けるか、またはキックでHポールの間を通過させることで得点が入ります。プレーヤーはボールより前でプレーしてはならず、また卑怯なプレーや危険なプレーを行ってはいけません。一方で、それ以外なら体全部を使い、パスやキック、当たりなど様々な方法で前進することができます。

ラグビーを観戦する際に私がお勧めしているのは、あまりルールにとらわれず、「どういうプレーが起こった時にワクワクするか」という基準で試合を観る、ということです。華麗なステップで抜いたり、見事なパス回しで翻弄したり、真正面からぶち当たって吹っ飛ばしたり、スクラムをグイグイ押し込んだり、強烈なタックルで仰向けに倒したり、ラグビーには「おもしろい!」と感じる瞬間が数多くあります。そうしたプレーを追いかけているうちにゲームの基本的な構造がわかってきます。そしてそれによってルールも自然と頭の中に入ってくるようになるはずです。

基本は陣取り合戦

ラグビーとは基本的に陣取りゲームのスポーツです。サッカーやバスケットボールのように的になるゴールがあるわけではなく、相手側のインゴールにボールをグラウンディング(地面につける)すれば、どの位置でも得点になります。ここでポイントとなるのは、「いかにして陣地を取るか」という方法の問題です。

ラグビーは1チーム15人で行われます。縦100メートル以内×横70メートル以内のグラウンドの中で、両チーム合わせて30人の選手が、ひとつのボールを争いながら陣取りをするわけです。しかし限られたスペースの中で大勢の人間がプレーするため、単純に前進しようとすれば、必ず相手に捕まってしまいます。

ですから捕まったら味方同士で塊となって相手を押し込んだり、あるいは相手のいないスペースへパスをつないだりして前進をはかります。このように様々な戦術を組み合わせながら戦うのが、ラグビーのひとつの醍醐味と言えます。
 


ラグビーの得点方法

ラグビーには、以下の4つの得点方法があります。

・トライ=5点
攻撃側が相手陣の最深部であるインゴールにボールを持ち込み、地面に着ける。
・ゴール(コンバージョン)=2点
トライ後、トライした地点からタッチラインに平行な延長線上の好きな地点からキックでゴールを成功させる(Hポールの両ポールの間、クロスバーの上方の空間を通過すれば成功)。
・ペナルティゴール=3点
ペナルティキックを得た際、その地点またはその後方のタッチラインに平行な延長線上の好きな地点からキックでゴールを成功させる。
・ドロップゴール=3点
プレー中、ドロップキック(一度地面にバウンドさせたボールを蹴る)によってゴールを成功させる。

ラグビーの得点の歴史について説明すると、トライ(Try)とは文字通り「挑戦する」という意味で、初期のラグビーではインゴールにボールをグラウンディングすることで、初めてその地点の延長線上からゴールを狙う権利が与えられたことから、トライの名称がつけられました。もともとはトライするだけでは得点にならず、その後のゴールが決まってようやく得点になっていたのです。

しかし実際にはトライを取ること、またそこに至るまでのプレーこそがラグビーでもっとも魅力的だったことから、次第にトライの価値が高まっていきました。そして現在ではもっとも多い得点が与えられるようになったという経緯があります。

反則の種類

ラグビーには大きく分けて、3つの反則があります。

まずひとつ目はノックオン(ボールを前に落とす)、スローフォワード(ボールを前に投げる)、アクシデンタルオフサイド(前にいる味方に偶然接触する)等の軽微なもので、これらは反則というよりスキルエラーに分類されます。こうしたエラーが起こった場合、その地点で相手ボールのスクラムからプレーが再開されます。

次に、ペナルティです。オフサイドなどのラグビー精神に反する行為や、ハイタックル(胸より上の部分にタックルする)などの危険なプレーが起こった場合は、反則を受けた側に自由にゴールやタッチキックを狙えるペナルティキックが与えられます。なお相手を殴ったり、故意に反則を犯したりするなど重大な反則が起こった場合は、ペナルティとともにイエローカード(一時的退場)やレッドカード(退場)が提示される場合もあります。

最後にこの2つの中間にあるのが、ゲームの流れに直接影響は及ぼさないものの、不公平を生むような軽微な反則です。スクラムでまっすぐボールを投入しなかったり、ラインアウト(タッチラインを切った後のゲーム再開方法。両チームが同じ人数で並び、投入権を持つ側がその中央にボールを投げ入れる)の際にボール投入側に人数を合わせなかった時などに与えられるもので、この場合は直接ゴールを狙うことができないフリーキックによってプレーが再開されます。
 


なぜボールを前に投げてはいけないのか?

ラグビーのルールでひとつ肝となるのは、「ボールを前に投げてはいけない」というものです。前進したいのに前に投げてはいけないわけですから、スポーツにおいては極めて特殊なルールと言えるでしょう。

これらの前提となるのが、「ボールより前でプレーしてはいけない」というラグビーの大原則です。これは「卑怯なことをしてはいけない」というラグビー精神に基づくもので、ボールより前にいる選手が相手に対してプレーすれば、すべてオフサイドかオブストラクション(妨害行為)の反則を取られてしまいます。

そもそもボールより前でプレーしてはいけないわけですから、パスをつなごうとすれば、必然的に後ろの味方に投げなければならなくなります。また前にボールを落とすことも、結果としては前にいる味方にパスを放るのと同じことですので、ラグビーではエラーとして処理されるのです。

これらの原則、ルールを頭にいれておけば、まずは大丈夫です。あとは実際にラグビーを観て、楽しみながらルールを覚えていってください。

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