流行性角結膜炎による結膜炎の特徴・症状

眼の不調

流行性角結膜炎は目やにの多さが特徴。朝起きたときに上下のまぶたがくっついているというのがお約束です

私自身も診察室で最も見ることが多いのが、この「流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)」。英語では「epidemic keratoconjunctivitis」といい、眼科医は「EKC」とか「流角(りゅうかく)」と呼んでいます。

私に限らず眼科臨床医にとっては、「ウイルス性結膜炎=流行性角結膜炎」といえるぐらい、重要な疾患です。私たち眼科医が診察室で最も良く出会うウイルス性結膜炎で、風邪ウイルスによる結膜炎をのぞくと、ほぼ100%近くがこの流行性角結膜炎だと思います。

流行性角結膜炎は非常にたくさんの目やにが出るため、朝起きたときに目やにで上下のまぶたがくっついていたと患者さんが言うのがお約束です。この症状があればまず流行性角結膜炎を疑ってください。

その他の特徴として、以下のような症状が見られます。
  • 目のひどい充血
  • 目のごろごろ感
  • 耳前リンパ節が腫れ、痛みを感じる場合がある
  • 風邪と同様に咳が出たり、熱が出たりする場合もある
片方の目が先になり、もう片方の目にそれが感染する場合が多いのですが、片方の目が感染した時点で体に免疫ができてきているため、後で結膜炎になった目の方が症状が弱く、先に治ることが多いです。耳前リンパ節が腫れ、痛みを感じる場合もあり、風邪と同様に咳が出たり熱が出たりする場合もあります。

流行性角結膜炎は通常は軽症のまま終わりますが、時に非常に重症化して、角膜、すなわち黒目の表面の皮がべろりとめくれてしまい、ものすごい痛みが出ることもあります。これは「角膜炎」と呼ばれ、それゆえに「角結膜炎」と称されている、というわけです。あとあと「角膜白斑」という角膜の濁りが残ってしまうケースもあるので、点眼治療が非常に大切です。(点眼治療を強力に行っても、強いウイルスに感染してしまった場合は濁りが残ってしまうことがあるのが残念なところなのですが……。)

流行性角結膜炎の治療法

風邪と同じウイルス性の疾患なので、点眼でウイルスを直接殺すことはできません。ゆえに、点眼で治療できるわけではなく、治療自体は体の免疫に任せるしかないのですが、後遺症をなるだけ残さず治すためにも点眼は非常に重要です。

ただし、これが大事なのですが、ドクターに適切な治療をしてもらっても、強いウイルスに感染すると、角膜白斑が残ってしまう場合があります。これを担当のドクターのせいにはしないようにしてくださいね。

流行性角結膜炎になると、
  • 目の表面が傷ついてしまうため感染を予防する
  • 炎症を抑えることによって症状を少しでも抑え、また、重症化するのも防ぐ
などの目的で、私は、抗生剤の点眼と炎症を抑えるための弱いステロイド点眼を処方することを標準としています。ほかの眼科でも、この組み合わせで処方されることが圧倒的に多いようです。

もちろん、症状が弱そうなら抗生剤のみ、もっと弱そうなら経過観察のみという場合もあるかと思います。また、子供さんで眼圧が上がりやすそうならば、あえてステロイドを避ける、という場合もあります。

通常は1~2週間で治癒しますが、重症化する場合は点眼を継続することが大切。角膜を完全にきれいにするために、1~2年継続し点眼を続ける患者さんもまれにいらっしゃいます。何度も言いますが、重症化した場合は、医師の初期治療や処方が悪いわけではなく、それだけ強いウイルスであったのが原因だと考えられます。

流行性角結膜炎の予防法

流行性角結膜炎は、人から人に感染します。子供が幼稚園でもらってきて家族全員に広がったとか、職場で結膜炎の人がいて社内で広がったとかがお約束ですが、実際には感染経路が不明のケースがほとんどです。

接触感染なので結膜炎の人が触った電車のつり革やドアノブを触って、その手で目をこするだけでも感染してしまいます。なので、外出時にはなるべく目をこすらない、外出後の手洗いを徹底することなどが日常的にできる予防法として非常に重要です。少なくとも自分はそのように気を付けています。

もし感染したら、家族とはタオルを分け、結膜炎の人もまわりの人も目をさわらない、こまめに手を洗う、ウイルスがついていそうなところをアルコールで拭くなどの工夫が二次感染予防のために大切です。自分がなったことはあきらめて、せめてまわりにうつして肩身の狭い思いをすることはないようにしましょうね。
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