退職者へ的確に説明したいその後の医療保険!

雇用流動化の時代、退職後の社会保険のサポートも人事部門の役割

雇用流動化の時代、退職後の社会保険のサポートも人事部門の役割

「終身雇用制度」=企業に入社後キャリアを積み上げ定年退職する姿は、いわゆる日本的雇用の典型ですね。現在でも入社後退職まで1社勤務で定年を迎える従業員は多数存在します。

他方、社会経済情勢が激動化している状況下、雇用の流動化(多様化)により、転職や起業などで企業を離れる人も多くみられるようになっているのは皆様ご存じのとおりです。

その後の人生設計はさまざま。それに伴い加入する社会保険制度もこれまた多様な選択肢が存在します。このようなセカンドキャリアを歩む従業員に向けて的確なサポートをしていくことは企業実務上の必須知識。自己都合だけでなく会社都合で退職する場合もあるわけですからトラブル回避のためにもセカンドキャリア支援は欠かせない時代といえるのです。

記事のボリュームの関係で、今回は従業員に一番身近な退職後の社会保険制度(公的医療保険)を解説いたします。次回以降、公的年金制度についても随時触れていくことにいたします。

退職後の医療保険の選択肢を確認しよう!

まずは国民が加入している公的医療保険(3つ)のおさらいをしてみましょう。国内に住所がある人は次のいずれかに加入義務があります。今回の記事では次の1.の解説をしていきます。

  1. 健康保険(主に会社員などが事業所単位で加入)
  2. 国民健康保険(自営業者などが世帯単位で加入)
  3. 後期高齢者医療保険制度(75歳以上が加入)

【さまざまな退職後の進路】
  • 退職後、再就職をするのかしないのか?
  • また再就職をした場合でも、その会社が健康保険の「適用事業所」「非適用事業所」どちらなのか?
  • 「適用事業所」に再就職した場合であっても、労働条件が当該企業の正社員の4分の3以上の勤務状況かどうか?
上記のように選択肢がいくつかあります。選択肢ごとに加入の条件を確認していきましょう!

1.再就職先企業の健康保険に加入するケース

再就職先が健康保険の「適用事業所」の場合は、引き続き健康保険に加入します。70歳未満の場合は厚生年金保険にも加入。転職先の制度に再加入するので特段の問題はないでしょう。

【加入先は】
加入は次のどちらかになります。
・全国健康保険協会管掌健康保険(主に中小企業が加入)
・健康保険組合管掌健康保険(業種ごとに組織されている健康保険組合など)

【保険料負担は】
全国健康保険協会管掌健康保険では、本人と会社側の折半負担。健康保険組合管掌健康保険では、組合ごとに負担割合が異なります(若干会社側負担が多いところが多いようです)。転職後も給与から控除されるので特段問題はないでしょう。

【ここがチェックポイント!】
再就職先の健康保険に必ず加入できるとは限りません。労働条件に注意!勤務時間と勤務日数がいずれも再就職先企業の正社員の概ね4分の3以上であることが加入条件。再就職先での就業がパート・アルバイトの場合は要チェックです。退職者にこの旨伝えておきましょう!