ドイツ語/ドイツ語で挨拶

ドイツ語のお薦め辞書・参考書と学習のコツ

ドイツ語といえば、かつて日本の大学にて第二外国語の代表格でした。近年は英語偏重教育政策の影響もあり、大学での履修者数は減少傾向の様子。が、ネットのコミュニティーなどで交わされる活発なドイツ語論議を目にすると、まだまだ関心を集めているな、と嬉しくなります。これからドイツ語を始めようという皆さんも、しっかり準備して是非この交わりに飛び込んでゆきましょう!

宮城 保之

執筆者:宮城 保之

ドイツ語ガイド

さて、これからドイツ語を始めよう! という皆さん。多くの方にとって、英語以外で初めて学ぶ外国語ではないでしょうか。わくわくしますね!(しませんか?) 今回はそうした入門者の皆様向けに、ガイドとしていくつかのアドバイスをお届けしたいと思います。

まずはこの参考書を入手

ドイツ語に関しては英語ほどではないにせよ、さまざまな参考書が出ています。学校に通って学ぶなら指定のテキストを用いればよいですし、特にないならば市販のもので使いやすいものを選びましょう。最初は文法事項の理解よりもその特徴に慣れることを重視して、練習問題が充実したものをおすすめします。

その他で理論的なものも是非一冊、というのであれば、平易とはいえませんが『関口・新ドイツ語の基礎』を挙げましょう。日本語や英語など他言語との比較的観点も秀でており、ドイツ語のみならず、言葉そのものへの関心をかき立てられること請け合いです。

またウェブ上にも、東外大言語モジュールや、ドイツ語CALL教材等、体系的学習の参照となるサイトがいろいろとあります。

 紙も電子も、辞書は「いいとこ取り」で

どの辞書を準備するか、というのも悩みですね。最近では、カシオをはじめとする電子辞書を利用される方が多いと思います。電子辞書の便利な点は、その情報量と軽量さに加え、お目当ての単語を調べる際の迅速さ。さらに独和や和独のみならず、独独、独英、英独といった辞書へのジャンプが可能なため、ドイツ語による説明や英語の同義語チェックも簡単にできてしまいます。

Woerterbuch

紙の辞書ではレイアウトにも特長が見出せます

一方、紙の辞書にも、根強い擁護の見解があります。特に例文や解説の「精読」「熟読」のしやすさに関しては、今のところこちらに軍配が挙がりましょう。

そのため、基本語彙の習得段階ではアクセス独和など紙の辞書を用い、ある程度慣れてきてから電子辞書との併用に移行する、というのが現時点での理想形と考えられます。

手軽な検索という点では、ネットにも便利な辞書があります。独和としても使えるWadoku - 和独辞典や、英独・独英として使え、発音チェックにも便利なdict.cc等です。
 

自律的学習のススメ

「独語」とは「独りで学ぶ言語」という意味ではありません(そういう人もいますが)。多くの方は大学なり語学学校なりで、担当教師のもと学ぶかと思われます。

大学では語学教師のほとんどが研究者でもあるため、文法・訳読の練習中心となりがちです。ただ学校によっては必修科目に限らずドイツ語に関わる授業・イベントをいろいろと提供している可能性もあります。是非探してみてください。

日本にある語学学校として知られているのは、ドイツ連邦共和国の文化機関でもあるゲーテ・インスティトゥート等。こちらの目玉はおおむね、ネイティブ講師による少人数の実践的会話演習となります。

また自宅学習者には、通信教育講座という選択肢もあります。うまく用いれば学習ペースの維持に活用できるでしょう。

lernen

常に自ら考える学習を

注意して頂きたいのは、どのような教育機関・方法であれ、対応しているのは「読む」「書く」「話す」「聴く」といった個別の能力の「局所的」強化であり、そのすべてを統合的にカバーできるわけではない、ということです。

これは野球にたとえれば「ノック」「フリーバッティング」「遠投」といった個別練習のようなもので、それぞれを大局的な見通しなく繰り返したところで、個別の技量は向上しても実戦に役立つフォームやプレースタイルが身につくものではありません。言語の習得に関しても、どの教育機関がどの点の強化に役立つか、学習者自身が正しく判断して活用する、自律的な学習態度が肝要となります。
 

英語の歴史がドイツ語学習の刺激となる

その他、すでに英語を学習済みという前提でですが、一読しておきたいのが英語の歴史。名詞の性や格変化、規則的な読みなど、かつて英語が持っていたドイツ語との近似を確認しておくことは、両言語共に学習上の刺激となりましょう。

とはいえその一方で、ドイツ語は、英語のように今日「グローバルに」有用な言語とはいえません。日本語と同様、先の大戦の敗戦国の、一地域の言語に過ぎません。にもかかわらず私たちはなぜドイツ語を学ぶのでしょうか? そして翻ってみれば、なぜ私たちは日本語という同じく一地域の言語に固執するのでしょうか?

この問いから特に、皆さんのドイツ語学習が同時に人間にとって言語とは何かを考える契機ともなることを願います。その問いかけは単なる一言語の学習を超えて、言語そのもの、ひいては(「個別の」ではなく)人間そのものの探究へ続く道を、皆さんの前に開くことになるでしょう。

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