10年固定の住宅ローンは本当にお得?

固定金利と変動金利、どちらが総返済額が抑えられるかは事前にはわからない

固定金利と変動金利、どちらが総返済額が抑えられるかは事前にはわからない

住宅ローンの金利は、固定金利と変動金利、どちらがよいか大いに悩むものです。

支払額の変わらない安定の全期間固定金利を選ぶか、支払額が変わるリスクを取っても低金利の変動金利を選ぶか。最終的にどちらを選ぶのが正解か、残念ながら事前にはわかりません。

そこで両者の中間として、固定金利選択型の住宅ローンを選ぶ人もたくさんいます。仕組みとしては当初の2年~10年程度の金利(支払額)が固定され、固定期間終了後は変動金利になるか、改めてその時点の水準で固定金利を選ぶか、いずれかになるのが一般的です(通常はどちらでも好きなほうを選べます)。

最近では短期の固定が変動金利の最低水準(0.775%)より低い金融機関もあります。例えばみずほ銀行では2年固定が0.55%、3年固定が0.6%です(2013年7月までの申し込み分)。また、10年固定は、固定金利の安心感と変動金利のお得感を併せ持った選択肢として以前から人気があります。ただ、これらの選択肢は本当に「いいとこ取り」の選択肢になるのでしょうか。10年固定で実際の数字をシミュレーションしてみたいと思います。

10年固定の住宅ローンの返済シミュレーション

固定金利選択型で重要なことは、固定期間が終わった時点でローンがどれくらい残っているかです。これは10年に限らず2年でも3年でも同じです。その時点のローン残高と返済期間、そして金利水準でその後の毎月の返済額が決まります。

現在、10年固定の金利水準は1.25%~1.8%くらいです。かなり幅がありますが、これは金利の引き下げ方の違いです。固定期間の金利を大幅に下げるローンと、固定期間終了後も金利引き下げ幅が一定のローンと2種類あります。

当然のことながら、固定期間の引き下げ幅が大きいローンは固定期間終了後の引き下げ幅は小さくなるのが一般的です。したがって、固定期間が同じなら金利は低ければ低いほどよい、というわけではありませんので、固定期間終了後の金利引き下げ幅についても注意しておきましょう。今回は10年固定としては平均的な水準の1.6%で計算をします。

2000万円と3000万円を30年ローンで借りた場合、毎月の返済額と10年後のローン残高は以下の通りです。

■2000万円の場合
  • 毎月の返済額 約7万円
  • 10年後のローン残高 約1436万円
■3000万円の場合
  • 毎月の返済額 約10.5万円
  • 10年後のローン残高 約2155万円

上記のローン残高を受けて、10年後の金利水準によって毎月の返済額と返済総額を計算すると、以下の通りになります(残り20年を以下の金利で返済すると仮定。返済総額は30年間の合計額)。

■2000万円の場合
  • 1% → 6.6万円 約2428万円
  • 2% → 7.2万円 約2583万円
  • 3% → 7.9万円 約2751万円
  • 4% → 8.7万円 約2928万円
  • 5% → 9.4万円 約3114万円
■3000万円の場合
  • 1% → 9.9万円  約3638万円
  • 2% → 10.9万円 約3876万円
  • 3% → 11.9万円 約4128万円
  • 4% → 13.0万円 約4393万円
  • 5% → 14.2万円 約4673万円

上記のシミュレーションの通り、金利次第で毎月の返済額は大きく変わります。10年後に金利を変動にするか再度固定にするかはその時々の判断ですが、金利次第で毎月の返済額は約1.5倍も変わります。返済総額でも、2000万円の借り入れで700万円、3000万円の借り入れで1000万円もの差がついています。今回は上限を5%として計算しましたが、金利がもっと高くなれば負担はもっと増えます。

固定金利選択型の住宅ローンにもリスクはある!詳しくは次ページ>>>