plumsonic

pLumsonic!

前回のデビュー・アルバム『パビリオン』発売記念として行ったpLumsonic!へのインタヴューが、2006年11月だったので、かれこれ6年半くらい経ってしまいました。その間に、pLumsonic!は4枚もアルバムを出していたので、今回ドカーンと一気に聴かせてもらい、ここまでの歩みについてお話を伺いました。

 

どうしてジャケには結羽さんだけが?

ガイド:
結羽さん、Yasushi (yk)さん、大変ご無沙汰しております。5枚のアルバムのジャケを眺めていて、気づいたのですが、どれも結羽さんしかいないですよね。Yasushiさんは裏方主義なんですか? それともカメラマンだから、出たくても出れない?

plumsonicdiscography

pLumsonic! discography


 

yk:
確かに(笑)。そういえば活動開始以来ずっとジャケット等に登場するキャラクターは結羽のみということになっていますけど、何となくですね。1stでは写真をカメラマンに撮っていただきましたが、2nd以降は写真も含めて音も画も裏方的な部分は全部1人で作ってみようと思ってやっているのでライヴを見たことがない人にとっては完全に裏方的存在かもしれませんね。

結羽:
やっちゃんも登場したほうが面白いのに~!って毎回言うんですけどね(笑)。もしかしたら、アタシがいちばん不自然に感じているのかもしれないです (笑)。

2nd『Geometrical/Love』

ガイド:
では、リリース順にお話を聞いていく形で、デビュー作以降のpLumsonic! を解明していきます。『パビリオン』は、「T4P」のコンピも出していたSuperSweepから発売されましたが、2ndとなる『Geometrical/Love』(2009年)はStudio Frequencyからとなっていますが、このレーベルはpLumsonic!のリリースにためのレーベルと考えていいのでしょうか?

Geometrical/Love (Amazon.co.jp)
geometricallove

Geometrical/Love



Geometrical/Love (YouTube)

 

yk:
そうです。色々な手続き上レーベル名が必要だったので自分のプライベートスタジオの名前をそのまま。

ガイド:
その後のペースを考えると、2ndまではちょっと間がありますよね。充電期間だったのでしょうか?

yk:
2nd~4thのペースを考えるとそうなんですけど、1stを出す時は出す出す詐欺で2年くらい延期し続けていたので(笑)。2ndを出した時点では「こんなもんかな?」というペースでした。次、6枚目はもしかしたらまた少し間が空くかもしれませんし、今秋出るかもしれないという。マイペースで作りたい時に作っています。こんなに何のコンテストにも出ない、ニコ動にアップもしない、掲示板で自演もしない、夏フェスの投票企画にも応募しないユニット今時珍しいですよね(笑)。どなたか広報担当やってくれないでしょうかね。

結羽:

そういえば今回のアルバムを作りながら、やっちゃんが「6枚目は、もうCDというカタチでは出さないかもしれない。」と呟いて、なんだかちょっとセンチメンタル (笑)! でもやっぱり、時代の流れを横目で見ながらいろんな面で進化し続けたくて次の展開にワクワクしています。

 


80年代感溢れる

ガイド:
1曲目の「トキメキ☆時空遊戯」は、とてもpLumsonic!らしさを感じます。80年代的哀愁を感じる近未来テクノポップ。「望郷の彼方」とでも言いましょうか。

yk:
plumsonic

pLumsonic!

ありがとうございます。歌謡路線(?)のpLumsonic!として1つの完成形になったかなと思っていてとても好きな曲です。シャワーを浴びていて思いついて、そのまま髪も乾かさず一気に30分くらいでアレンジもある程度固めてしまったのを覚えています。その段階でかなり気に入っていたので歌詞にもいっぱい注文だしてやろう!って思ってたら、何も言わないのにいつも以上に80年代感いっぱいの歌詞がすぐに送られてきて「良いねこれ!」って。

 

結羽:
実は、pLumsonic!をはじめて何年かはコンセプトのひとつである80's感ってのがアタシにはイマイチわからなくって(笑)。その頃の曲をいろいろ聴いてみたり映画を観たり、それプラス自分らしさも存在させなくちゃって手探り状態だったんです。でもこの曲をもらった時、突然「わかった!」ってなったんです(笑)。ずっともどかしかった気持ちが晴れて、そこから、「もっと80'sしたい!」と思うようになりました。

ガイド:
「D-Spectrum」は、前作にも収録されていますが、2ndでもアレンジがちょっと変わって、再度収録していますね。これは、こだわりのある曲なのでしょうか? Kraftwerkの「Tour de France」っぽいフレーズも出てきますね(笑)!

yk:
plumsoniclive

pLumsonic!ライヴ

ああ(笑)。後半のオーケストラっぽいリフですね。自分ではKraftwerkというよりは古いSF映画で地球の影から太陽がぱーっと出てくるシーンみたいな、そういう壮大なフレーズを入れたかったんです。D-Spectrum以外にも1st~4thまでは毎回過去のアルバムの1曲をリメイクして収録するというのをやっていたので、今回5thで無かったのが残念という声もあったり。そういうリメイク曲はライヴで毎回少しずつアレンジを変えていく中で、気に入ったものがあるとその時期の音として収録しています。特にVer○○みたいな名前をつけていないので、最近知ってくれて後から旧作を聴いてくれた人が「同じ物が入ってると思ってたらバージョン違いでビックリ」なんて喜んでもらえたりして。

結羽:
5thにもなってくると曲数も増えてきてライヴでのセットリストには新しめの曲が入りがちになる中、「D-spectrum」は今でもよくやっている気がします。アレンジが変わると雰囲気もガラッと変わるので、どんな風に声を乗せようかとかステージングをどう変えようかとか、アタシ自身も毎回楽しんでます。

 


3rd『ATOMIC-GIRL』

ガイド:
3rdの『ATOMIC-GIRL』(2010年)を聴きながら、思った事が… このアルバムに限った事ではないですが、pLumsonic!には日本語タイトルの曲と英語タイトルの曲が混在していますよね。これは何か意図があるのでしょうか? それともフィーリングで決めている?

ATOMIC-GIRL (Amazon.co.jp)
atomicgirl

ATOMIC-GIRL



ATOMIC-GIRL (YouTube)

 

結羽:
そういったこだわりは特にはないのですが「トキメキ☆時空遊戯」や「哀愁ハピネス」みたいに、日本語+カタカナにしがちなクセは最近自覚してます(笑)。pLumsonic!らしさって思ってもらえたらいいなあ……(笑)

yk:
うち、いつも曲名が付くのが発表直前なんです。歌も録ってから、遅いものだとジャケットに歌詞を配置する際に「この曲タイトルどーすんのよ」みたいな(笑)。おかげで5thの収録曲なんていまだに自分の中では曲名と曲が一致していなくて、しょっちゅう「この人が良いねってツイートしてくれてる曲どれだっけ?」なんて言ってます。

結羽:
そうそう、いつもギリギリ (笑)! アタシが(苦笑)!

ガイド:
僕が引っかかったのは、これまた哀愁が漂う「“ただいま”の帰り道」。実は、結羽さんの声と歌い方を聴いていて、誰かに似ているなぁと考えていたんです。かの香織さん! 実は、ショコラータからソロまで大好きな人です。

結羽:
plumsonic

pLumsonic!

○○に似ている、○○っぽいと言われること時々あるのですが、やっぱり自分じゃよくわからなかったり(笑)、かの香織さんのようにそれがどんなに素敵なアーティストさんでも嬉しい反面、何かと似ちゃってることって大丈夫なんだろか?!って思ったりもします(笑)。

 


4th『U・RA・HA・RAルージュ』

ガイド:
4th『U・RA・HA・RAルージュ』(2011年)のジャケが素敵ですね。これはいったい何処で撮影したのですか?

U・RA・HA・RAルージュ (Amazon.co.jp)
urahararouge

U・RA・HA・RAルージュ



U・RA・HA・RAルージュ (YouTube)

 

yk:
ありがとうございます。4thの写真は全体的に気に入ってますが、表紙の写真は東京駅付近の某所でよくCMなどにも登場する建物です。未来的な建造物大好きなので、かなり前から4thはここで撮ろうと決めていました。

ガイド:
タイトルからも感じるのですが、80年代郷愁感がさらに強いですね。それは単にテクノポップ回帰というよりも時代感みたいなものなんですが。かなり意図的だったのでしょうか?

yk:
その前の3rdアルバムで、その頃ライヴの定番だった曲の比率を高くしたら自分でもpLumsonic!としては若干体で聴く感じの音が多いかな?と思っていて、3rdの完成データをプレス屋さんに入稿した直後にどーっと反動がきて、次は絶対原点回帰的なモノにしようと決めていました。やっぱり今のテクノポップとは少し違う80年代のテクノ歌謡が大好きで始めたpLumsonic!ですからね。ちなみに「大人になっても」は子供の頃、親の車から見た夜明けごろの吹田JCT(大阪)のモノレールとか複雑に交差しはじめて、太陽の塔が現れるあの景色があまりに印象的で、今でもあそこは自分の中でレトロ・フューチャーな風景1位なんですけど、曲を作ってる段階でず~っとそんなトワイライトな景色が浮かんでいて、どうにかそのイメージを結羽に伝えようとがんばったんです(笑)。

結羽:
plumsoniclive

pLumsonic!ライヴ

うん、ざっくりとは伝わった(笑)。でも、やっちゃんの子供時代のその記憶、目線、色や匂いとかあるんだろうなって思いながらも描くとなるとなかなか難しくて、この曲は歌詞もやっちゃんが書いたらどうかな?って提案してみたんですけど結局アタシが書きました(笑)。夏の終わり頃にこの曲をもらって、夕立ち上がりの夕暮れに自転車に乗りながらふと空を見上げるとピンク→パープル→ブルーのグラデーションとヒグラシの鳴き声と、どっと蒸し暑い空気に包まれながら急に懐かし~い気持ちになって、やっちゃんからのイメージも織り交ぜつつそっから一気に書きました。あと、自分は実際には体験していないけれどいろんな資料を見たり聞いたりしていた「つくば万博」のイメージも頭の片隅に置きながら書いたと思います。

 

あ、曲とは関係ないのですが、このアルバムからずっとツインテールだった髪をバッサリ切ってボブにしてみたり、やっと80's感を楽しむ余裕が出てきたのか(笑)、それまで以上に衣装やアクセサリーにもその時代を意識するようになりました。

ガイド:
「FUTURE BOY」は、歌詞に反応してしまいました。最初の所で、「エッチな雑誌なんかより 何百倍も Non, Non, Non」って一体何に対して歌っているんだろう(?)と。答えてください(笑)。

結羽:
えっと……なんでしょうねぇ(笑)。この曲をもらった瞬間、藤子・F・不二雄アニメのオープニングチックな歌にしよう!って思ったんです。日常のふとしたことが不思議や未来と繋がってる感じや、聴こえる言葉ひとつひとつにワクワクしてもらいたいって思いながら書いたもので、自分でも気に入ってます。

 


5th『colorful capacitor』

ガイド:
では、最新にして5thとなる『colorful capacitor』(2013年)について。カタカナになっていますが、タイトル曲の「カラフル・キャパシター」は、キャパシターって普通の人はあんまり日常会話で使わない用語ですが、コンデンサーの事ですよね。やはり空想科学ユニットとしては、このあたりでキャパシターに登場してもらわないとか言う意気込みなのでしょうか?

colorful capacitor (Amazon.co.jp)
colorfulcapacitor

colorful capacitor



colorful capacitor (YouTube)

 

yk:
確かに同じ物を指す言葉ではあるんですが、コンデンサという今普通に使う言葉だとどうしても小さな電子部品をイメージしてしまうので、それとはニュアンスの違うキャパシタというのがしっくりきました。『Back to the Future』に登場する次元転移装置もフラックス・キャパシターですし。あと、コンピュータ、スピーカとか普段「ー」を使わないくせにわざと「キャパシター」と伸ばしてみました。何となくですけど(笑)。

結羽:
ありゃ、アタシの頭の中はそのフラックス・キャパシターのイメージしかなかったです~(笑)。

ガイド:
2曲目の「新宿meteoroid」で、新宿という街を選んだ理由は? 「電脳マニアックス」は池袋ですよね(笑)。

yk:
なんででしょうね(笑)自分は最近新宿駅の南口に降りたら何か巨大な建造物ができようとしていて、景色が変わってしまうな~と思っていたりしたのですが、2039年から来た結羽にとっては普通にこの歌のような新宿が日常なのかもとか……。

結羽:
新宿のが語呂が良かったからですっ(笑)。

ガイド:
「電脳キュビズム」は、pLumsonic!の時代の針が進んだ曲じゃないかと感じます。特にイントロ。この辺り、5thとしてひとつの方向性だと思っていいのでしょうか?

yk:
そうですね。好き勝手に個人的な懐かしさを追及しているpLumsonic!にしては時代が少し違う感じがするかもしれません。改めてそうやって聴いてみると自分がソロというかアニメ方面の曲に感じに近いかもしれません。らき☆すたの「有頂天in da House~Say That Hip Hop Shit!~」とか、KORG PS-60のデモ曲として作らせてもらった「Psychedelic Spacelab」とか。でも、実はBメロは最近のオシャレなテクノポップにはまず出てこない歌謡曲っぽさというか、80年代的な熱を持たせていたりします(笑)。この辺がpLumsonic!らしいというか。

KORG PS-60

結羽:
そうそう、この曲もらった時「おや、いつもと違う感じだ……!」って戸惑ったの思い出しました(笑)。pLumsonic!らしい完成まで、あーでもないこーでもないとかなりディスカッションしました。

ガイド:
Yasushiさんは、アニメやアイドル等にも曲提供をされているとの事ですが、pLumsonic!の作品を作る際とは、意図的に変えている部分とかあるのでしょうか?

yk:
やっぱりpLumsonic!は誰にも頼まれてないというか、作るときに誰の顔も想像しないで作っているという部分が違いますね。全部自分のやりたいことしかやっていなくて、別に作らなくても良いし、作りたいと思ったものを自然に出していく。あと、自分は子供の頃から絵を描いても下書きの段階がなぜか好きな所があって、学校でどうしても色を塗って完成させろと言われるのが残念でならなかった。と言うとpLumsonic!が作りかけみたいに思われても困ってしまいますけど、そうじゃなくて何かこう、完成品の隙間にまだ想像の余地がある感じ。きっと自分の中でのイメージだけなんでしょうけど、アニメなどの仕事ではもっとガッチリ完成品の製品にしているイメージがありますし、逆にアイドル系は声が入った後のモノにこちらでは一切責任が持てませんというのがあります(笑)。余談ですが、最近のアイドル系はガッチリAutoTune等のケロケロボイスに仕上がってくるものもあるので、そこまで声を加工するならシンセ音の一部としてもう少し細かくこちらで処理したかったな~と思うこともたまに。

電脳マニアックス

ガイド:
「電脳マニアックス」は、2004年から現在も続いている長寿イベントとなっていますが、レトロフューチャーという基軸て今後もやっていって欲しいなと個人的に思います。今後のpLumsonic!及び「電脳マニアックス」の計画などについてぜひ教えてください。

yk:
plumsoniclive

pLumsonic!ライヴ

そうそう、pLumsonic!は結成が2003年なので今年で10年なんですよ。電脳マニアックスも9周年。テクノ氷河期の終わり頃から長く続けている間にブームも来て、今またこの先どうなっていくかわからないところにありますが、続けられる限りやっていきたいイベントではありますね。最近は毎回1年間のレギュラーバンドを決めていて、その影響も大きくて2年周期くらいで電マニの色も移り変わっている感じがあります。元々流行ってない時期から頑張って続けてきたイベントなので今後の変化にも対応していけると思っています。今後ともpLumsonic!と電脳マニアックスをよろしくお願いします。

 

結羽:
plumsoniclive

pLumsonic!ライヴ

10年って! スゴイですよね(笑)。pLumsonic!も電マニも続けていられることと自分の周りのいろんな方々に感謝です!! これからももっと自分の声や表現を追求したいです。歌詞ももっと空想科学したくて、広げたい。もちろんライヴも!マイペースなアンドロイドだけど進化し続けたいです。2039年が来てもその先も……テクノポップおばあちゃんになってみせます!(笑)。にょきー!

 

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