映画/口コミでおすすめの文芸映画(邦画)

顔だけでなく人格まで別人に、狂気的な「他人の顔」

安部公房の「他人の顔」を映画化した作品。顔にやけどを負ってしまった夫が、全く別人の顔に整形して妻を誘惑することを決心します。どんどん夫が狂気じみて来る感じがとても不気味です。他人の顔になることによって、別人に別人格に、そしてモラルまでも壊れていくという感じが、人間の本性のような気がします。いろいろ考えさせられる映画です。

投稿記事

人間の本性を垣間見る、60年代らしい作品

■おすすめの理由
安部公房の「他人の顔」を映画化した作品。
豪華キャストで仲代達矢(夫役)、京マチ子(妻役)、平幹二朗(医者役)、岸田今日子(看護師)の若い時代を堪能できます。

安部公房らしい不思議な不気味なストーリーで、やはりモノクロの画像が不気味さと怖さを引き立てます。

夫が顔にやけどを負ってしまい、包帯グルグル状態になってしまいます。
妻でさえも嫌悪感をいだきはじめたのを感じ、精神科医師に夫は全く別人の顔に整形してもらうことにします。
(医師も実験的に試してみたかった。)
別の顔になって妻を誘惑することを決心する。

使った顔の型が「ほくろの男」ということで、ほくろが不気味に仲代達矢演じる夫の顔に目立ち怖いです。

たまに型がむれるのか痒くなったり、どんどん夫が狂気じみて来る感じがとても不気味です。他人の顔になることによって、別人に別人格に、そしてモラルまでも壊れていくという感じが、人間の本性をみたような見ないような。

映像的にもストーリーとしてもホラーとも言えるような怖さ満点で60年代の映画らしい哲学的なものも含んでいて、ちょっと難解な最終部分ですが、必ず何度も観たくなる魅力の映画です。いろいろ考えさせられる 安部公房ならではの作品からの映画だなと実感させられます。

原作と合わせておすすめ。

■他人の顔

監督:勅使河原宏
主演:仲代達矢、京マチ子、平幹二朗、岸田今日子、市原 悦子
DVD発売元:角川映画


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