見ている側までも実感できそうな、不思議で不気味なストーリー

■おすすめの理由
近代日本文学傑作の一つとされている安部公房の長編小説「砂の女」を映画化した作品。
原作は英語をはじめ二十数ヶ国語で翻訳され、映画も国際的に高く評価されています。

まず原作を読んであまりにも不思議で不気味なストーリーに惹きこまれました。
そのあとに映画を見る機会に恵まれ見たところさらにファンに。

原作の状況設定は想像しながら読み進めていましたが、実際に映画の映像でこれほどまであの不思議で不気味な状況を表現できたのは感動。
怖いような不気味な映画。

砂丘に昆虫採集にやってきた高校教師は、砂の穴の中で暮らすという人々に遭遇。
(砂を掘って穴に住んでいる)砂の人たちの家に其の晩は泊めてもらうことになりますが、砂の穴蔵なので崩れて落ちる砂をかきだす作業を手伝うことに。
そのようなことをしているうちに、その穴の中から脱出できなくなっていることなっていて、悩んだり、逃亡も考えるが、やがてその生活に同化していく。
結局、砂の人たちの思惑通りになったのか、いずれ脱出したのか。

砂の中の生活の中で肌にまとわりつく砂、汗がモノトーンの色彩の効果で暑苦しいような気持ち悪いような見ている側までも実感できそうな不思議な迫力になっています。

砂の中での生活など想像を絶しますが、実際に可能なのかどうかなど とても不思議。
主役の教師を誘惑する砂の女を演じる岸田今日子がイノセントでありながら妖艶で不思議な魅力と演技をします。

勅使河原宏監督のこの小説の映像化の才能に脱帽。

映画を見たら原作を読んでみたくなり、原作を読んだら映画を絶対観たくなる、見るべき読んでみるべきの作品です。

■「砂の女」
監督:勅使河原宏
主演:教師 岡田英次、砂の女 岸田今日子
DVD発売元:パイオニアLDC



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。