皇帝の器ではないコモドウスの暴政

■作品名
ローマ帝国の滅亡
■監督

アンソニー・マン
■主演
ソフィア・ローレン、アレック・ギネス

「ローマ帝国の滅亡」は、ハリウッドの黄金期、彼らが本当に幸福であった時代につくられた、いわゆる歴史スペクタクルです。

ローマ帝国がなぜ滅亡したのか。帝国が滅亡してから1000年以上たったいまでも、くりかえし論文が書かれているそのテーマそのものを描くと言うよりも、滅びの美学を表現するために、選ばれた題材のような気がします。

それを母体とするヨーロッパと違って、古代ローマ史が必須科目になっていない日本人からするとやや馴染みのないストーリーは、リドリー・スコット監督ラッセル・クロウ主演の「グラディエーター」と同じ頃を描いています。

さわりをすこしご説明しましょうか。

西暦180年。後に5賢帝のひとりと称されるローマ皇帝アウレリウスは、競技にふける道楽者の息子コモドウスではなく、信頼できる武将リヴィウスにその座を譲ろうと決めていたが、陰謀により暗殺されてしまう。

自分に資格はないと感じたリヴィウスは亡き皇帝の意に反し、自ら皇帝の座を辞退。かわりに王座をえたコモドウスだが、やがて暴政をふるいだして……。


このあらすじから、当時のぼる朝日の勢いだったアメリカの映画人たちは、驕ったからローマは滅んだのだと断罪しているようにもとれます。俺達は、そんなことにはならないぞ、と。いまのハリウッドの人々ならば、同じ題材をどう描くのでしょう。そんな観点でみるのもおもしろいと思いますよ。





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