数回にわたりお届けしましたローンのシリーズですが、最終回は、「繰り上げ返済以外に何かないのか?」といった疑問をお持ちの方や、「なぜ、繰り上げ返済なのか?」といった疑問を持っていらっしゃる方にお届けします。

繰り上げ返済をしないでその資金を運用に回す方法も・・・

「ローンや借金はできるだけ早く返済する!」といった考え方は世界共通かと思いがちですが、世界共通の考えではありません。例えば、アメリカ人は、住宅や不動産投資に関するローンを抱えていても、「繰り上げ返済」をされる方は少ないそうです。これは、ある程度まとまったお金がある場合でも、繰り上げ返済をするよりも、その資金を運用した方がいいのではないか?といった考えをされるそうです。「さすが、投資が浸透している国!」と思われるかもしれませんが、どちらを選ぶかはみなさんの考え方次第だといえます。

例えば、残りの返済期間があと15年の時に、300万円を繰り上げ返済することにより、約100万円の利息軽減効果が生まれるといった場合、見た目の利回りは約33.3%と驚異的な数字になりますが、これを繰り上げ返済しないで、毎年、約2%の複利運用を15年間続けていくと、繰り上げ返済した場合と同じぐらいの効果があります(=収益になります)。もし、単利の運用であっても毎年、約2.2%の運用を15年間続けていくと、繰り上げ返済した場合と同じぐらいの効果があります(=収益になります)。

したがって、先ほどのケースの場合、毎年、約2%以上の運用を続けていく自信がある場合、繰り上げ返済をしないで、その資金を運用に充てることにより、結果として、収益が上がることになるのです。

どんな運用商品があるのか?

先ほどの例から見ますと毎年、約2%以上の運用が必要ですが、繰り上げ返済に打ち勝つ資産運用を行うためには、収益性の前にまずは安定性が求められます。しかし、安定性があるとはいえ、超低金利と呼ばれて久しい預貯金では、毎年、約2%の収益(利息)を上げることは不可能です。

そこで、預貯金よりもリスクはありますが、比較的、安定していると言われる国債はどうでしょうか?

過去15年間の長期国債(10年もの:日本)の応募者利回り(※)の平均は約2.49%です。しかし、最近は、1%台の半ばから後半を推移していますので、確実に繰り上げ返済に打ち勝つ資産運用かといえば?がつくかもしれません。
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長期国債応募者利回りの推移(各年12月時点)


そして、今後、日本の国債がデフォルトを起さないことが大前提となるとともに、今後、金利が上昇すると、途中で売却すると額面を割り込む可能性があるので注意しておいてください。

(※)応募者利回り…新規に発行された債券を発行価格で購入し、償還まで保有した場合の利回りのことをいう。

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