フェリーニ映画らしい心動かされる作品

■作品タイトル
サテリコン
■監督
フェデリコ・フェリーニ
■主演
マーティン・ポッター、ハイラム・ケラー、マックス・ボーン
■DVD発売元
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


フェリーニの「ローマ3部作」のうちのひとつ(残り2作は、『甘い生活』と『フェリーニのローマ』)。

青年エンコルピオが恋人の少年奴隷ジトーネを奪われる、という最初のストーリー設定は一応ありますが、フェリーニはそんな前提を忘れてしまったかのよう。

ローマの退廃を、これでもかというばかりに、執拗に描いています。
私は観終えたあと、すき焼きと焼き肉と寿司をいっぺんに食べたような気分になりました。

けれども、字幕がなくたって充分に楽しめる至福の2時間でした。
「フェリーニッシモ」という言葉を思いつきました。
つまり、「めっちゃフェリーニしてる」。あるいは、何でもあり。

笑えたのは、皇帝が墓に横たわる場面。
ふと気づいたのですが、般若心経そっくりの呪文が流れていました。ローマなのに。
あるいは、バリ島の民俗音楽、ケチャ風の音も流れていました。ローマなのに!

まあとにかく始めから終わりまではちゃめちゃではありますが、ふと我に返って心動かされるのは、はちゃめちゃでありながらも、どこまでも作りが丁寧だということです。

喩えていえば、ものすごく一生懸命組み立てたレゴブロックの町を、跡形なく壊してしまうような映画です。
そこに、子どもなら皆知っているような快楽があるのかもしれません。
それこそフェリーニ映画の醍醐味かもしれません。




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