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夏の夜は「3つの快眠のコツ」でグッスリ眠ろう!

生活トレンド研究所が行った夏の健康に関するアンケート調査によると、夏の体の不調には睡眠の問題が大きくかかわっていることが分かりました。ここではその調査結果を分析しながら、夏の快眠のコツをご紹介します。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

夏の不調は睡眠関係が多い!

昨夏の不調の有無

昨年の夏に何らかの不調を感じたかどうか

オールアバウトが運営するマーケティング・チャネル「生活トレンド研究所」が、「夏の健康」に関するアンケート調査を実施しました。調査期間は2013年5月28日~30日、調査に参加したのは、1都3県在住のフルタイムで働く20~49歳の男女962人でした。

今回の調査で、「昨年の夏に何らかの不調を感じたかどうか」を聞いたところ、「あった」が33.7%、「時々あった」が32.6%、「なかった」が33.7%でした。実に3分の2の人が、昨年夏に不調を感じていたということです。これは、猛暑によって日中に体力を消耗したうえに、疲労を回復して体力を取り戻すのに必要な睡眠が、熱帯夜のために十分取れなかったためと思われます。

夏に感じた不調の内容

夏に感じた不調の内容

また、具体的な不調の内容について聞いたところ、「体がだるい/疲れを感じる」が62.7%と一番多く、次に「夏バテによる食欲不振」(46.7%)、「睡眠が浅い/熟睡感がない」(43.4%)、「寝つきの悪さ」(42.5%)、「寝苦しい」(41.5%)という項目が多く挙げられました。

良い睡眠がとれていれば、一晩の睡眠で疲れが取れるはずです。熱帯夜のためよく眠れないと、翌日まで疲労が持ち越されてしまいます。また、睡眠不足が積み重なると、脳の機能が低下してだるさを感じます。

人の体温は1日の中でも約1℃上下し、夕方から夜にかけて最も高く、早朝に最低となります。私たちは体温が下がるときに眠気を感じ、体温が低い時間帯にグッスリ眠れます。熱帯夜は室温が高く湿度が高いため、体から十分に熱を放散できず、体温を下げられません。そのため、夏には睡眠の質が悪くなる人が増えます。

夏の睡眠に影響する夜の習慣

夏の生活習慣

夏の生活習慣

夏の生活習慣についても尋ねたところ、「寝ている間はエアコンを切っておく」(44.2%)、「ほぼ毎日シャワーのみの入浴である」(42.1%)といった項目が上位に挙げられました。

省エネや経済的な理由から、眠っている間はエアコンを切る人が多くいます。理想的な寝室の環境は、室温が26~16℃、湿度が50~60%です。良い環境の寝室でぐっすり眠ると、早く疲労が取れて体力を回復できるので、日中にエアコンの使用を減らせます。本当の節電のためには、夜にエアコンを使って理想的な寝室環境を保ち、グッスリ眠ることをお勧めします。

夏には暑いので、入浴せずにシャワーだけで済ませたり、湯船にあまりつからなかったりする人が増えます。確かに汗を洗い流すだけでも、気持ち良くはなります。しかし、快眠のためには、38~40度のぬるめのお風呂に、20分ほどつかることをお勧めします。湯船につかる時間は連続でなくても、出たり入ったりしてのトータルの時間が20分ほどでかまいません。

眠る前に体温を少し上げておくと、そのあと急激に体温が下がります。この時に眠気が強くなって、寝つきやすくなるからです。眠る予定の時刻の1~2時間前に入浴して、汗が引くころに寝床に入ると良いでしょう。

ガイドが勧める「夏の快眠3つのコツ」

秋~春には一晩で、コップ1杯分くらいの汗をかきます。汗をかいて血管の中の水分が失われると、いわゆる「血液がドロドロ」の状態になり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。暑い夏の夜には汗の量がさらに増え、一晩で500~1,000mLにも達します。そのため特に夏は、就寝前に十分な水分を補っておく必要があります。

これらのことを踏まえて、次の3項目を「夏の快眠のコツ」としてお勧めします。

  1. エアコンは「就寝後3時間+起床前1時間」でタイマーセット
  2. シャワーだけで済まさずに、「ぬるま湯20分」の入浴をする
  3. 眠る前に水分を「500ml」とる

お風呂に入ってから冷たい水を飲み、涼しい部屋でしばらく休んでから眠る。今年の夏はこのパターンで、暑い夏を乗り切ってください。


【関連サイト】
生活トレンド研究所
睡眠歳時記・季節ごとの快眠法
【編集部おすすめの購入サイト】
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