大手の取扱いが当たり前になり、検査保証サービスが普及

2012年秋頃から、いくつかの不動産会社でスタートした中古住宅の「検査保証サービス」は、当初は3月末までのキャンペーンとして提供されていました。しかし、4月以降もサービスの継続を決めたところがほとんどで、今や大手不動産会社の多くがこのサービスを提供しています。そこで今回、あらためてこのサービスについて取り上げてみます。

以前も同様のサービスについて「中古マンション購入の不安を解消!新保証制度」という記事で紹介していますが、その時点では「住宅設備・瑕疵保証サービス」と表現していました。しかし、住宅設備については対象にしていない会社もあります。

全社に共通する内容としては、建物または設備機器の「検査」をして、物件の引渡し後1年以内に故障や不具合が発生した場合に、保証会社または不動産会社が修理費用を「保証」をするというものです。今回はこれらを「検査保証サービス」と呼ぶことにしましょう。

まず、検査保証サービスの内容について整理しておきましょう。
検査保証サービスの主な内容

 

対象となる物件は、中古マンションと中古一戸建て、またはいずれか一方で、築年数を条件にしているところがほとんどです。スタート時点では、中古マンションは築25年以内、中古一戸建ては築20年以内としている会社が多かったのですが、サービス内容見直しに伴って、中古マンションは築30年以内、中古一戸建ては築25年以内へ、築年数の条件を拡大している会社も出ています。

基本的に、検査も保証もお客様に費用はかからない会社がほとんどです。「キャンペーン期間中につき無料」としている場合と、期間を定めない本サービスとして無料で対応している場合があります。

検査保証の対象は、住宅設備機器と建物瑕疵です。不動産会社によってそれぞれの内容が微妙に異なりますので、注意してください。

「事前補修」の有無で、メリットの大きさがわかれる

この「検査保証サービス」は、売主と買主の双方にメリットがあります。売主にとっては、「物件を引渡した後に故障や不具合が発生し補修の費用負担が発生するかもしれない」という不安が軽減されます。しかも「検査済み」「保証対象物件」というセールスポイントを付けて売り出すことが可能です。

買主にとっても、事前に検査を受けているため、「問題箇所の有無」がはっきりする上に、「引渡しを受けた後に問題が発生しても保証対応がある」という安心感が得られます。また「保証付き」と明示されるので、物件選びの際に良し悪しを判断しやすくなるでしょう。
実は、仲介会社にとっても、こうした引渡し後のトラブルから解放されることは大きなメリットがあります。三者全員にとってメリットがある良い制度が生まれたといえます。
検査保証サービスの流れ図

 

ここまでは各社ほぼ共通のメリットですが、この他に、「補修」があるかどうかも大きなポイントになります。通常は、検査をした結果、不具合が見つかるなどして不合格になった部分については保証の対象から外れてしまいます。もしくは自己負担で保証条件に適合するように補修しなければなりません。

売主にとっては「表面的には見えなかった不具合」というマイナス点が明らかになることによって「売却しにくくなるのではないか」という心配が生まれるかもしれません。つまり、検査によって明らかになった事実は物件情報として開示する必要がありますから、検査が“あら探し”のように受け取られるおそれがあるのです。

これに対して、検査によって故障や不具合が見つかった場合も、検査後すぐに補修することによって、その補修個所も保証対象とするサービスを提供しているケースもあります。一定の範囲内で不動産会社の負担によって補修されるため、保証対象が増え、、売主が自信をもって売り出せるわけです。

この「事前補修」を実施しているのは、大手不動産会社の中では、今のところ野村不動産アーバンネットのみです(※)。このサービスを利用したお客様からは、概ね高い評価をいただけています。こうしたサービス内容の違いを、よく見極めることが大切です。

(※)売買契約後に補修する場合の費用を負担する不動産会社はあります


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