フィンランド/フィンランドの観光

フィンランドでムーミン&トーヴェに出会えるスポット

ナーンタリにあるムーミンワールドは、フィンランドでムーミンに出会える観光地としてすでに有名ですね。けれどフィンランド国内には他にも、国民的ヒーローであるムーミンとその作者であるトーヴェ・ヤンソンのゆかりの地や美術館、カフェ、ムーミングッズが買えるお店などが、あちこちに点在しています。ムーミンやトーヴェファンならぜひともご当地で訪れてみたい関連地を集めてみました。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド

国民的ヒーロー、ムーミンに出会える場所は国内あちこちに!

ガイドマップ

ヘルシンキのツーリストインフォや空港などでは、特にムーミンやトーヴェ・ヤンソンのゆかりの地に印と解説の入ったムーミンスポットのガイドマップを無料で配布している

フィンランド国内には、ナーンタリにあるテーマパーク、ムーミンワールド以外にも、ムーミンとその作者であるトーヴェ・ヤンソンの軌跡が垣間見られる博物館、記念碑、ムーミングッズが買えるお店などが点在しています。特に、2017年に大々的にリニューアルオープンした新星ムーミン美術館や、2016年以降ヘルシンキを中心に店舗数を増やしているムーミン・カフェは、新しいマストスポット。ムーミンやトーヴェの生まれ故郷の国で、ファンならばぜひとも訪れてみたい「ゆかりの地」めぐりの旅に出かけてみませんか。とくにヘルシンキ市内のスポットを回りたい人は、ツーリストインフォや空港などで入手可能なガイドマップ(日本語版あり)をぜひ手に入れてから出発してください。
 


 

トーヴェ・ヤンソンの原画とジオラマが誘う物語の世界、ムーミン谷博物館

ムーミンミュージアム

2017年夏にオープンした新しいムーミン美術館が入るのは、タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団の本拠ホールが入るタンペレホールという巨大施設

タンペレの一大観光名所として人気を博していたムーミンのミュージアムは、いったん休館したのち、2017年6月に、タンペレ駅東側にあるタンペレホールの建物内に移転しリニューアルオープンを果たしました。

展示品は、旧ミュージアムから引き継いだ、作者トーヴェ・ヤンソンの愛情がこもった原画の数々や、シリーズのなかで登場するトゥーティッキーのモデルにもなったトゥーリッキ・ピエティラが制作した繊細なミニチュアフィギュアやジオラマ作品はもちろん、敷地面積も増えた分、新しい展示も数多くお目見えしています。目で見るだけでなく、耳でお話を聞きながら鑑賞したり、手で触って確かめたり、といった五感で楽しむ展示もたくさんあり、子供から大人まで、思い思いにムーミンの世界を楽しむことができますよ。同じ施設内にはミュージアムショップやライブラリーも併設されています。

<DATA>
Muumimuseo(ムーミムセオ/ムーミン美術館)
住所:Yliopistonkatu 55, 33100 Tampere
TEL:+358 3 243 4111
アクセス:タンペレ駅から南東方向に徒歩約10分
開館時間:火~金曜9:00~19:00、土・日曜11:00~18:00
休館日:月曜
入場料:12ユーロ、17歳以下6ユーロ

ヘルシンキにオープンしたムーミン・カフェは、
老若男女がくつろげるムーミン谷のような雰囲気

インテリア

ムーミン谷のキャラクターたちのインテリアや絵画に囲まれた、幸せな空間

2016年末にヘルシンキに1号店がオープンし、瞬く間に人気となって現在続々と店舗数を増やしつつある、ムーミン・カフェ(Mumin Kaffe)。実は、国民的キャラクターのムーミンがテーマとなっていることだけが人気の秘密ではないのです。店内には、とくに子連れ客に優しい仕掛けがいっぱい。小さな子供でも飽きずに楽しくカフェで過ごせるよう、ちょっとしたアスレチックやムーミン絵本が並んだ遊び場が一角にあったり、ブランコ席があったり。

お店で販売しているパンやケーキメニューは、会社の規模や知名度にかかわらず、素材やクオリティにこだわっている国内企業の安心できる商品ばかりをオーナーが選定しています。さらに従業員も、国籍や年齢などの枠にとらわれない個性的な顔ぶれとなっていて、お客もスタッフも、どんな人でも集ってきて共存できるというコンセプトは、まさに本来のムーミン谷の雰囲気そのもの。もちろん、内装や食器にもムーミンの愛すべきキャラクターたちがたくさんあしらわれており、キャラクターをモチーフにした商品もあるので、ぜひ観光に疲れたら一休憩しに立ち寄ってみてください。
アスレチック

大人も子供も時間を忘れてくつろげる仕掛けがいっぱいの店内

<DATA>
Mumin Kaffe Kruununhaka(ムーミン・カフェ クルーヌンハカ店)
住所:Liisankatu 21, 00170 Helsinki
TEL:+358 50 328 6272
アクセス:トラム7番「Snellmaninkatu」下車、徒歩約2分
営業時間:10:00~17:00
休業日:なし
※ヘルシンキ市内の他店舗の情報は、ウェブサイトで確認ください

フィンランド国内唯一の、トーヴェの祭壇画が捧げられた教会

祭壇画

意外にもトーヴェ・ヤンソンが手がけた祭壇画が残るのは全国でもこのテウヴァ教会だけ

アールト建築が密集する街として知られるセイナヨキ郊外の街テウヴァ(Teuva)の教会には、「10人の処女」と題されたトーヴェ・ヤンソンの手がけた祭壇画が掲げられています。1950年に火災により焼失してしまった古き良きテウヴァ教会の再建にあたって、建物のデザインはより近代的に生まれ変わることとなりました。この建築家が女性であったことから、教会建築の重要な一部である祭壇画の制作にもぜひ女性芸術家を起用したいという話になり、当時ムーミンシリーズの成功などで名を挙げていたトーヴェが手がけることになったそうです。

教会

才能のある女性同士が手がけた建築と祭壇画のマッチする佇まいを味わいたい

製作中は、日中は野次馬を退けて教会にこもり、夜は宿屋でムーミンシリーズの執筆に専念していたというトーヴェ。通常は縦に長くそびえ立つはずの祭壇画ですが、トーヴェが描いたものは珍しく横長です。しかもそのタッチや色使いからは神々しさだけでなく、ムーミンの物語世界にも通じる彼女らしいほの温かさが感じられます。

女性建築家と女性芸術家がコラボレーションすることで完成したこの教会は、確かに女性ならではのしなやかで繊細な感性に満ちていて、独特の雰囲気を生み出しています。フィンランド中西部を訪れることがあれば一見の価値がある、トーヴェ・ファンにとっての穴場スポットです。

Teuvan kirkko(テウヴァン・キルッコ)
住所:Porvarintie 44, 64700 Teuva
TEL:+358 6 2413 4000
アクセス:Seinäjokiからkauhajokiまでバスで約90分、KauhajokiからTeuva行きバスで約30分
開館時間:夏季は月~木曜10:00-16:00、金曜10:00-14:00(他の季節や土・日曜の訪問は事前に要連絡)


ファンの訪れが絶えない、トーヴェ・ヤンソンの墓標

墓

トーヴェ・ヤンソンの名が刻まれた墓標には、ファンからの献花やムーミングッズのお供えが絶えない

ヘルシンキ西岸の広い区域に及ぶヒエタニエミ墓地(Hietaniemen hautausmaa)には、政治家から芸術家まで、フィンランドのありとあらゆる著名人たちのお墓が集まっています。2001年にヘルシンキにて他界したトーヴェ・ヤンソンのお墓も、このヒエタニエミ墓地の一角にひっそりと残っており、今でも世界中から彼女のファンが訪れます。小さな天使の像が施された墓標に献花をしてゆく人もいれば、ムーミンの関連グッズをそっと供えてゆく人も。墓地はあまりに広大で目当ての人物の墓標を探すにも一苦労ですが、入口事務所でもらえる著名人たちのお墓のアドレスと地図を参考に、他にもそばに眠る有名人と併せて訪ねてみてはいかがでしょう。

Hietaniemen hautausmaa(ヒエタニエメン・ハウタウスマー)
アクセス:ヤンソンの墓の最寄りゲートへはトラム2番「Kauppakorkeakoulut」下車、徒歩約5分
※トーヴェ・ヤンソンの墓標の所在地は、敷地内Vanhaalue 15-10-6
開園時間:7:00-22:00(地図のもらえる事務所の営業は15:00まで)

トーヴェが半生を過ごしたマンションに残る住居跡碑

住居跡

戦後まもなくから永眠するまで50年以上もトーヴェが暮らし続けていたアパートの入口に残る碑

トーヴェ・ヤンソンが1944年から2001年に他界するまで暮らし続け、仕事場にもしていたアパートメント住居が、ヘルシンキのデザインミュージアム裏手のウッランリンナン通り(Ullanlinnankatu)の一角にありました。現在その住居内に入ることはできませんが、建物の壁には、ここに彼女が暮らしていたことを示す記念レリーフが飾られています。顔型のオリジナルが作られたのは生前のことで、実は作者は彫刻家だった彼女のお父さん。住居跡であることを示すテクストは、フィンランド語と、彼女の第一言語であったスウェーデン語でそれぞれ書かれています。

■所在:Ullanlinnakatu 1, 00130 Helsinki
■アクセス:トラム10「Johanneksen kirkko」下車徒歩約3分

彫刻家だった父が制作した、愛娘トーヴェをモチーフにした銅像

銅像

カイサニエミ公園にある、トーヴェの父親が娘をモデルに作った銅像

ヘルシンキ中央駅北側に横たわるカイサ二エミ公園の緑地内に設置された、何かに身構えるようなポーズをとった少女を象った彫刻作品。この像の作者は、1900年代前半に国内で名をあげていた彫刻家ヴィクトル・ヤンソン……そう、トーヴェ・ヤンソンのお父さんです。若き日の愛娘トーヴェを題材にした芸術作品として、1931年にヘルシンキ市の招致を受けてここにつくられました。芸術肌の父、そして画家であった母を見て育ったからこそ、トーヴェの才能も大きく開花したのかもしれません。

■所在:カイサニエミ公園(Kaisaniemen puisto)内、国立劇場裏手すぐ
■アクセス:ヘルシンキ中央駅から北へ徒歩約3分


ムーミングッズの宝の山!ヘルシンキ中心街にあるムーミンショップ

ショップ

外観のポップで可愛らしいムーミングッズ専門店。文房具やキッチン用品、衣服までなんでも揃う

今回ムーミンワールドには足を運べないけれど、お土産にムーミングッズをじっくり探したいという人には、ヘルシンキの中心街にあるムーミンショップを訪れるのがおすすめ。フォーラムというショッピングモールに入ったムーミングッズの専門店で、文房具や日用品、衣類、絵本やおもちゃまで、ありとあらゆるムーミングッズが取り揃っています。土・日曜も営業しているのでありがたいですね。同じくムーミンショップは、ヘルシンキ・ヴァンター空港内にも入っているので、市内でお土産を買いそびれた人も搭乗前に要チェック!

Moomin Shop Forum (ムーミンショップ フォーラム)
住所:Mannerheimintie 20, 00100 Helsinki
アクセス:ヘルシンキ中央駅から西に徒歩約3分、ショッピングセンターForum 2階
TEL:+358 40 192 0720
営業時間:月~金曜9:00~21:00、土曜9:00~18:00、日曜12:00~18:00

スーパーマーケットでもたくさん見つかるムーミングッズ!

ムーミングッズ

お菓子類から日用品まで、いつでもどこでもムーミンと一緒!

実はフィンランド人の日常生活のなかで、ムーミンを目にしない日はないといっても過言ではないはず。なぜなら、街のどんな小さなスーパーマーケットに行っても、驚くほど多種多様な、ムーミンの描かれた商品に出会えるからです。キャンディーやビスケットなどのお菓子類を始め、お茶やジャム、ケチャップ、シャンプーや歯磨き粉、絆創膏にまでムーミンキャラクターがお目見え。

気取ったお土産もいいけれど、こんな日常的な場所で出会うムーミングッズも、リーズナブルな上にとても実用的でお土産にも喜ばれます。街歩きの際には、ぜひスーパーマーケットに寄って、思わぬムーミンとの出会いを楽しんでくださいね(過去の記事フィンランドのスーパーで買えるお土産図鑑も参照ください)。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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