日本一IT企業らしくない会社

近年長く続いた不況の中でも、IT業界の成長は著しい。
最近はスマフォアプリや携帯ゲームの開発など、多くのベンチャー企業も生まれている。

しかし私自身、正直SEやIT企業のイメージはどちらかというと「地味」で「硬い」イメージが強かった。1日中パソコンと向き合いプログラミングをしている風景が頭に浮かび、数字に強い理系人材が活躍している印象だった。

そんな私のIT企業のイメージを打ち砕いてくれたのが銀座に本社を構える「株式会社コミット」だ。社員数50名に満たないこの会社を一言で表すと「日本一IT企業らしくない会社」である。

コミットの代表取締役を務める天間社長。
社員から「天間さん」とさん付けで呼ばれる代表の天間社長。まさにコミットの社風そのもの。

社員から「天間さん」とさん付けで呼ばれる代表の天間社長。まさにコミットの社風そのもの。


現在は日本最大の金融システム構築プロジェクトでプロジェクトマネージャーを務め、国家試験の試験委員でもある現役バリバリのITプロフェッショナルである。しかしそんな天間社長があるセミナーで学生の前で楽しそうに語り始めたテーマは、会社の事業戦略でもIT業界の動向でもなく、自宅で子供と育てている「カブトムシ」の話であった。正直拍子抜けした学生もいたかもしれないが、これがまさに天間社長の人柄やコミットの「ポカポカとした温かい社風」を表している

月に一度開かれる「帰社会議ワークショップ」という全社ミーティングで社員が熱く議論している内容は、「来月行われる社内運動会の競技を何にするか」だ。「業務時間中に社員が真剣に社内運動会の競技を話し合う会社」に私のIT企業の“硬いイメージ”は打ち砕かれた。

そんなポカポカした温かい社風を持つコミットではあるが、ビジネスでの躍進は凄まじい。今年で設立10周年を迎えたが会社は10年連続黒字経営。毎年新卒採用を続け、順調に会社規模も拡大している。日本最大の金融システムのプロジェクトに参加しているが、参画人数は日立や富士通といった大手IT企業が並ぶなか、独立系ベンダーでは堂々の1位である。

しかし、多くの成長著しいベンチャー企業はどこか競争風土が強く、社内は常に緊張感がある印象がある。なぜこんなポカポカした会社が、そのような高い業績を出し続けることが可能なのか? コミットの企業経営の秘密を探ってみた。