スキップフロアというものには2つの意味がある。ひとつは室内に中2階の空間を設け、フロアに段差を付ける建て方のこと。主に一戸建てで用いられる方法で、リビングとダイニング、リビングと個室など各部屋の独立性を高める効果がある。また、視線の高さに差をつけることで、空間に変化が生まれる。ただし、段差が多くなるので高齢者のいる世帯で実施する場合は注意したほうがいいだろう。
もうひとつはマンションの建て方で、エレベーターの停止階を1階おきとすること。エレベーターのないフロア(スキップ階)の居住者はエレベーターで上下の階まで行き、そこから階段で自分の住戸まで歩くことになる。
スキップ階は階段があるだけで外廊下が不要になるので、通常のバルコニーとは反対側にもバルコニーを設ける「両面バルコニー」の間取りが可能になる。風通しや日当たりがよくなるほか、外廊下に面した部屋がないのでプライバシーが保ちやすく、防犯面でも有利だ。
ただし、スキップ階は階段を1階分昇り降りしなければならず、バリアフリーの観点からは望ましくない。特に高齢者のいる世帯にはあまりお勧めできないだろう。プライバシーや居住性を優先するか、バリアフリーを重視するか、スキップフロアのマンションを買うときには確認が必要だ。
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