インタビュー後編

2013年4月4日、関西を代表するグループサウンズのスターだった加賀テツヤの7回忌について打ち合わせがてらおこなわれたザ・リンド&リンダース宇野山和夫インタビューの後編。

リンド&リンダースのメンバーである堀こうじさん(サイドギター)、パープルシャドウズ、ジュテーム、SLOGなどグループサウンズに縁深いバンドでキャリアをもつ剣正人さん、加賀テツヤと親交のあったグループサウンズ研究家のDAIさん、そして当コーナーガイドの中将タカノリが参加している。

1966年の結婚式には沢田研二さんらザ・タイガースメンバーも出席

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お宝写真!宇野山さん結婚式の記念写真 左上に岸部一徳さん、沢田研二さん、瞳みのるさんが揃いのミリタリールックで映っている


宇野山:DAIさんはすごいね。俺の結婚式に当時ファニーズ(ザ・タイガースのデビュー前の名称)やったジュリー(沢田研二)、岸部(一徳)、ピー(瞳みのる)が来てくれた時の集合写真を見せたんやけども。俺はずっと1965年に結婚したと思い込んでたんやけど「一年違います」って言うんやね。そんなはずない!って思って嫁さんに聞いたらほんまに一年違って1966年やってん。

DAI:1965年やったらファニーズはまだ名前もなくてみんな京都で活動してるだけですからね。

ガイド:この写真の衣装ってファーストシングル『僕のマリー』(1967年発売)のジャケットと同じじゃないですかね? 時期的にもしっくりきます。

掘:えっ? 宇野山さんってリンドの時にもう結婚してたんや?

宇野山:だから1966年には結婚してたよ。だからリンドの時は全然遊べなかった。

掘:だから僕も遊べんようにひきずりこんでたんか!(笑) (『リンド&リンダース 掘こうじインタビュー2013』のエピソードを参照)

今も続くザ・タイガースメンバーとの親交
ザ・タイガースがデビューできたのは宇野山さんのおかげ?

ガイド:ザ・タイガースの人たちはよくお店に来はるんですか?

宇野山:タロー(森本太郎)が二月に一回くらい味奉行に来てくれるねん。他のみんなは2011年の“ほぼタイガース”ツアーの時にも大阪でコンサート終わった後、タローがつれて来てくれてん。ピーに「今度またゆっくり会おや」ってゆうたら「宗教に誘おうと思うてるんやろ!」って(笑)。せえへんがな!

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2011年『ほぼタイガースツアー』で味奉行に来店したみなさんと宇野山さん

当時の話やけど、俺はピーをとある音楽以外の活動に誘ったことがあるねん。その時に「入ったらどんな願いも三か月でかなうから。」って説得するとピーは「バンドで東京に行きたい。渡辺プロに入りたい。」って言うの。「なにゆうとるんや」って思ったけど、誘った手前「よし、三か月勝負や! しっかり頑張ろ!」って一緒に活動したんやね。そしたら二か月目には内田裕也がナンバ一番で彼らをスカウトして、ほんまに渡辺プロからデビューすることになってしまった。だから結果的には俺がザ・タイガースを世に出すことになった形(笑)。



いじめにあったリンド&リンダース時代?

ガイド:リンド&リンダース内では宇野山さんはどんな立ち位置だったんですか?

宇野山:むちゃくちゃ虐待されたよ(笑)。一番ひどかったのはベースほかされた。

ガイド:それはひどい!

宇野山:俺はその頃グヤトーンのベースを使ってたんだけど、他のみんなはフェンダーとかギブソンを使ってるわけ。加藤さんに「宇野山、フェンダー買えよ!」って言われるんだけど、「いや、僕はグヤトーン好きなんです。」って断ってた。そしたらある時、ファンクラブのイベントで奈良の三笠ドライブウェイをマイクロバス貸りて頂上まで演奏しに行ってんけど、帰ったらそのベースが無いわけよ。みんな示しあわせて、加藤さんの命令でほかしに行きよったんやね。その時は「忘れてきたんちゃうか」とかしらばっくれてたけど、後になって「実はあれ、ほかしてきてん。」って(笑)。

ガイド:ひどいですねー(笑)。リンドを脱退したのもいじめが原因ですか?

宇野山:いやいや、そうじゃない。半分は冗談(笑)。自分も新入りをいじめたりしてたし。加藤さんから「新入りの掘をちょっと教えたってくれ。」って言われてね(笑)

掘:僕も宇野山さんが抜けて代わりに毛利アキが入った時は同じようにいじめた(笑)。

今後の展望

ガイド:いつも前に前にと突き進んでいく宇野山さんですが、近年は俳優としてもデビューされてますます活動の幅が広がってきましたね。今後の展望などどのように考えておられますか?

宇野山:近年、音楽でも演劇でも韓国がすごいなって注目しててね。来年の春には韓国に俳優留学しようと思ってるねん。そのことを佐川満男さんに言ったら「お前アホか! 一流でやってる人もそんなことは考えへんぞ。お前なんかが言うな!」って怒られたよ。

でも最近のK-POPは日本と逆で打ち込みから生バンドのほうに流れが変わってきてるように感じるんや。日本よりキャバレーとかクラブに生バンドが入ってることも多いみたいやし。それやったら昼は俳優の養成学校、夜はバンド、みたいに自給自足で生きていけるんちゃうかなって思うんやけどね。これが実現したら死んでもいいと思えるくらい最高!

インタビューを終えて

宇野山さんの魅力はいかなる時も前に突き進んでゆくパワーと、音楽や芸事に対する柔軟な理解力にあると思う。それゆえに味奉行には有名無名かかわらず、今も多くのミュージシャンたちが集うのだろう。

あと、今回のインタビューはあくまで音楽がテーマなのでここまで触れる機会がなかったが、味奉行の餃子は軽くてあっさりしながら、滋味あふれる味わいで実に美味しい。記事内容に興味がおこらなかった方にも是非オススメしたい逸品だ。

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味奉行


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