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2016年公示地価は全国平均で上昇、各地の動向を探る



昨年末の安倍政権発足以降、株価の上昇や円安の進行があり、「アベノミクス」「リフレ政策」「金融緩和」「デフレ脱却」などのキーワードが連日のように取り沙汰されています。日銀の新体制もスタートし、国内経済再生への期待感も高まる中で、今年の公示地価が3月21日に国土交通省より発表されました。

住宅地、商業地とも2009年から5年連続の下落となりましたが、下げ幅は3年連続で縮小し、三大都市圏を中心としてほぼ下げ止まっているところも多いようです。その一方で、上昇地点は大きく増え、すでに外資の流入や投資マネーの動きが活発化するなど、今後の地価上昇を探る動きも表れています。

地価動向の転換点も見え始めてきた2013年(平成25年)の公示地価の様子を、もう少し詳しく確認しておくことにしましょう。


公示地価とは?

公示地価とは、地価公示法(昭和44年法律第49号)に基づき、国土交通省による土地鑑定委員会が毎年1回公示する、1月1日時点における標準地の価格で、公共事業用地の取得価格算定の基準とされるほか、一般の土地取引価格に対する指標となることを目的としています。

2013年の公示対象市区町村は1,389(東京23区および785市538町43村)、対象地点の数は前年と同じく26,000(うち1,134地点が選定替え)となっています。ただし、このうち原発事故による警戒区域、帰宅困難区域、避難指示解除準備区域内の17地点については、前年に引き続き調査が休止されています。

公示地価ではその土地本来の価値を評価するため、現存する建物などの形態に関わらず、対象土地の効用が最高度に発揮できる建物などを想定したうえでの評価が行なわれることになっていて、今年は2,706人の不動産鑑定士が携わっています(国土交通省公表資料より)。

なお、公示地価についての詳しい内容は、国土交通省による「土地総合情報ライブラリー」で平成8年以降のものを見ることができます。


公示地価の下落は5年連続だが…

1990年前後の経済バブルが崩壊し、日本の地価は長く下落傾向が続いていました。公示地価では、大都市圏の商業地が2006年、住宅地が2007年から上昇に転じたものの、2008年のいわゆる「リーマン・ショック」により、2009年から再び下落が続いています。全国平均では今年で5年連続の下落となりましたが、その下落率は3年連続で縮小しました。

上昇地点の数(全用途)は2008となり、前年の546から大きく増えています。横ばい(変動率0.0%)地点の数も4,372(前年は1,849)となり、全体の25.8%が上昇または横ばいとなりました。とくに三大都市圏では11.5%の地点が上昇で、30.0%の地点が横ばいでした。

住宅地の全国平均は1.6%の下落(前年は2.3%の下落)、商業地の全国平均は2.1%の下落(前年は3.1%の下落)となっています。

公示地価の変動率推移 (全国平均:1971年~2013年)
公示地価の変動率推移

2013年公示地価の変動率

今年の公示地価が上昇した2,008地点の内訳は、東京圏が606地点(前年は93地点)、大阪圏が348地点(前年は166地点)、名古屋圏が395地点(前年は154地点)、地方圏が659地点(前年は133地点)です。前年は上昇地点の増加割合が最も少なかった東京圏ですが、今年は逆に最も大きな伸びとなりました。震災後にみられた西高東低の傾向もほぼ解消されているようです。

一方で、名古屋圏の住宅地はほぼ4分の1の地点が上昇し、他の圏域よりも一足早く平均で横ばいとなりました。


都道府県別平均では一部に上昇も

前年まで4年連続してすべての都道府県が下落となっていましたが、今年の公示地価では住宅地で宮城県(1.4%)と愛知県(0.1%)、商業地で神奈川県(0.2%)がそれぞれ上昇に転じました。さらに、宮城県の商業地は平均で横ばい(0.0%)となっています。

また、前年は住宅地で14県、商業地で12県において下落率の拡大が見られましたが、今年は岐阜県の住宅地が前年と同じ(マイナス2.3%)だっただけで、前年よりも悪化したところはありませんでした。

住宅地で最も下落率が大きかったのは高知県と徳島県のマイナス5.8%で、下落率は縮小しているものの、前年と同様に厳しい状況が続いているようです。また、商業地でも高知県がマイナス6.8%、徳島県と秋田県がマイナス6.4%と、依然として大きな下落となっています。

住宅地では、上昇した宮城県と愛知県以外にも、東京都、神奈川県、滋賀県、大阪府、兵庫県、沖縄県の6都府県が1%未満の下落にとどまっています。商業地でも、上昇した神奈川県以外に、東京都、愛知県、滋賀県、京都府、大阪府、沖縄県の6都府県が1%未満の下落でした。


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