企業経営のノウハウ/3Cの基本情報

3C分析を問題解決のフレームワークとして使う

企業経営には、さまざまなフレームワークがありますが、その代表的なものの一つの「3C」があります。マーケティング分野で使われうことの多い「3C]ですが、実は問題解決にも使えます。その「3C」フレームワークの本来的な使い方とはどのようなものなのでしょうか。

執筆者:畔上 靖

3Cほど使えるフレームワークはない

3C分析

3C分析とは何か

今回は、戦略フレームワーク基本中の基本である「3C分析」がテーマです。
「何をいまさら」との声が聞こえてきそうです(苦笑)。

ですが、ここまで「企業経営のポイント」が込められた、噛めば噛むほど味がでるフレームワークもなかなかないものです。そのスルメのような味わいをお伝えしたいのです。

ここだけの話、実はコンサルの現場において「実践で使える」フレームワークはそう多くありません。ほとんどは使えないアクセサリーなのです。さらに言うと、絵に描いた餅でしかない「カッコイイ」戦略ストーリーがいかに多いかに驚きます。

「フレームワークを覚える」のではなく、その「意図するポイントを理解する」ことが、結果として、心のこもった、そして地に足のついた企業経営に繋がっていきます。

問題解決のステップを分解してみる

まずは問題解決のステップを、
1)現状分析 → 2)課題設定 → 3)課題解決として仮置きしましょう。

1)現状分析: 今どのような状況か
※意思決定をする際の”なぜ(WHY)”の根拠となる部分です。
2)課題設定: じゃあ何をするか(WHAT)
3)課題解決: それをどうやるか(HOW-TO)

会社のVisionを具現化するための流れを、このフレームにあてはめるのであれば、目指すVisionを達成するためにとる道筋が「戦略」であり(WHAT)、その戦略を実現するために市場にサービスを展開していくのが「マーケティング」(HOW-TO)です。

 

3Cの全ては自社:Companyの中にある

実は3Cは、前述の現状分析(今どのような状況か、WHY)を深くみていくための「自社分析のためのフレームワーク」なのです。

なんて言うと、
3C=Customer(市場・顧客)、Competitor(競合会社)、Company(自社)」であって、「自社は3つめのCでしょ!」と思うかもしれません。

でもよく考えてください。

分析するのは「自社の」顧客だし、「自社の」競合なのですから、広い意味で「自分のこと」なのです。 「企業経営」はものすごく「自分ごと」です。なのでここはあえて、3Cを自社分析に使ってみます(まぁ買ってきたようなマクロ統計データを並べて「市場分析」も、時として必要ですが……)。

3C分析(自社分析)のコツは?

「気になることを自問自答で質問型にする」

この意識をもてるかどうかで、フレームを使いこなせるか、本来求めたい解を出しやすくなるかが変わってきます。

分析する際は、常に「分析したいこと」を質問形式にして明確にしてみましょう。「分析したいこと」とは、簡単にいうと「気になること」です。

よく、成長率や規模やシェア、認知率など、いろいろな数字を集めたり、競合会社をリストしますが、それは何のためですか?

明らかにしたい「気になること」、それはたった1つの質問です。それは、こんな形になります。

3C分析

3C分析



いかがでしょうか。

質問型にしてみることで、3Cのそれぞれの要素の「次に何を」具体的に調査していけばよいか、その道しるべをつけやすくなると思いませんか?

自分の勤められている会社や、就職活動中の会社についても、簡単に整理してみるとよいかもしれません。
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