密かなブームになりつつある、騙し合いのゲーム

PCの図

たくさんの人数を集めるのは難しいので、オンラインで遊んでいる人もかなりいるようです

人狼、というゲームの名前を聞いたことがありますでしょうか? コンシューマーゲームではありません、ソーシャルゲームでもありません、もとはヨーロッパの伝統的な遊びで、現在ではボードゲームとして「ミラーズホロウの人狼」「タブラの狼」「究極の人狼」など様々なパッケージが発売されている他、インターネット上でも掲示板やチャットなどを利用して遊ばれています。

基本的にはある程度まとまった人数で遊ぶもので、多くの場合は10人前後、あるいは20人以上で遊ぶことも可能です。そしてこの人達が、自分たちの中にいる人狼をあぶり出して処刑するために、推理をして、騙し合いをして、カマをかけて、疑われて、すったもんだするというゲームなのです。

そう聞くとちょっと怖いように感じるかもしれませんが、これが1度ハマるとその魅力に取り付かれて離れられなくなります。その面白さは、ゲームの面白さではなく、人間の面白さなのです。

人狼は、この中にいる!

人狼の図

夜のターンは、周りが動いても分からないように机を叩いてプレイしたりします。意思疎通は基本的にジェスチャーです

ゲームには1人、進行役となるゲームマスター(以下GM)がいます。その他の参加者はみんな1つの村の中の住民、ということになります。しかし、その中に人狼が紛れ込んでいて、夜な夜な村人を食べてしまう、というところからゲームはスタートします。

ゲームは昼のターンと夜のターンがあり、GMの司会にそって進んでいきます。夜のターンになると、全員うつ伏せになって周りが見えないようにし、GMに誘導された人狼だけがこっそりと起き上がり、どの村人を食べてしまうか決めます。

昼のターンになると、村人のうち誰が人狼に食べられてしまったかがGMから告げられ、その人はゲームから脱落。今度は村人達が話し合いを始めます。自分たちの中で誰が人狼なのかを議論し、投票などで1人を選んで処刑します。処刑された人も食べられた人と同様にゲームから脱落。1人を処刑するとまた夜のターンがやってきます。

このように夜のターンと昼のターンを繰り返してどんどん人が減っていき、最終的に村人が人狼を駆逐するか、人狼が村を滅ぼすか、というのが基本のルールです。

もちろんこれだけでは、誰が人狼か分かりません。そこで、このゲームには特殊な能力を持つ役割の人が設定されています。

それぞれの役割で推理したり、騙したり

人狼の図

最初にカードを配って、役割を決定します。人狼や占い師になるとドキドキです

このゲームの1番のポイントは、昼のターンの話し合いです。ここで村人側は人狼を処刑したいですから、推理をしなくてはいけません。しかし、何の材料も無ければただの当てずっぽうになってしまいます。そこで、ゲームの中には特殊な能力のある役割が何人かに与えられます。その役割をここでいくつかご紹介したいと思いますが、役割の名前や特殊能力は様々なパッケージや、ローカルルールなどで異なることがありますので、代表的な例ということでお話していきます。

まず、最も重要な役割の1つである、占い師、あるいは予言者などとも呼ばれることのある役割。占い師は夜のターンにこっそり、誰か1人を選んで、その人が人狼なのか、村人なのかを知ることができます。それから、ボディガード、毎晩1人を選ぶと、その人が人狼に襲われても殺されないように守ることができます。多くは、占い師を守るのが一番の役割ですね。霊媒師は処刑した人が村人だったか、狼だったかを知ることができる役割。処刑した人が村人だったか、狼だったかで、その人の発言が本当か嘘かが分かりますから、時に推理を決定的にする情報を得る場合があります。また、狼があと何匹、村に残っているか知ることができる点も大変に有利です。

村人に有利な役割ばかりかといえばそうでもなく、狼側の役割もいます。例えば、能力的にはただの村人で、ただし狼側が勝利した時に自分も勝利する、という狂人という役割もいます。彼は預言者に調べられても村人と判定されますし、夜にこっそり起きだして誰かを食べるということもない、ただの村人。でも、狼側の人間ですので、場を引っ掻き回してみんなが推理できないようにしてしまいます。

他にも様々な役職があり、基本の役職だけでシンプルに遊ぶこともできれば、たくさんの役職を入れて楽しむことも可能です。自分で考えた役職を入れて遊ぶ人もいます。

「あの人が人狼です!」「そういうお前が人狼だ!」

人狼の図

まるで逆転裁判のような激しい議論が起こることも

ゲームが始まると、最初はあまり情報が無いですから、勘や、ちょっとした仕草から人狼を探します。「あの人は目が泳いでいたぞ、怪しい」「何かやたらと饒舌にしゃべっているのは、人狼だからじゃないか」「むしろ何もしゃべらないあの人の方があやしい」などなど、手探りの議論を進めていきます。

そのうちです、人狼だと疑われてしまった1人がこう言うのです「俺、実は占い師なんだ」一斉に注目が集まります。「俺の占いでは、あいつとあいつは村人で白、そしてこいつが人狼なんだ!」その時、別の誰かが平然と言い放ちます。「あ、それ嘘だよ、そいつ人狼じゃないか?」「なんでだよ!俺占い師だって言ったろ!」「いや、占い師俺だから」

もちろん、どちらかは偽物です。そして偽物は人狼か、もしくは狂人である可能性が高くなります。そして本物は、次の夜から、人狼に狙われる可能性が非常に高くなります。村人はどっちを信じて、どっちを処刑するのか、あるいは両方生かしておくのか、その場合ボディガードは誰を守るのか、選択を迫られます。さらに「あいつが偽物だとしたら、あいつが占いで村人だと言った奴も怪しいんじゃないか」とか「俺を疑ってくる奴が怪しい」とか、さらに疑心暗鬼が渦巻いて、場は混乱してきます。

時に探偵気分で推理し、時に大嘘をついてまわりを騙し、占い師だと信じてもらえず慌てたりと、毎回色んなドラマが起こるのが最大の魅力です。

堂々と嘘をつくって、快感

ダンガンロンパの図

逆転裁判や、ダンガンロンパの登場人物になった気分が味わえます(イラスト 橋本モチチ)

人狼は、色んな人とやればやるだけ、その魅力が拡大します。ゲームに慣れた人同士でやれば、緻密な推理と騙し合いが楽しめますし、ゲーム初心者が、論理的に損得勘定をすれば絶対に言わないような嘘をついて、周りが大混乱することもあります。ガイドの経験では、女性が嘘をつくと男性陣がコロッとダマされる、という場面にも何度か遭遇しました。人間って面白いですね。

得られる情報から真剣に推理するのも面白いですし、人前で堂々と嘘をつくのも大変な快感です。しゃべればしゃべるほどドツボにはまってどんどん疑われるなんていう、サスペンスドラマやマンガの世界の登場人物にありそうな境遇が体験できるのも、このゲームならではかもしれません。後で振り返って「あの時はみんな信じてくれなくて超あせったよ~」なんて、楽しげに話がはずみます。

さて、こんな話を聞くとやってみたくなるというのが人情というものですよね。でも、10人前後で遊ぶ、なんて言われると、そんなの集められないという人がほとんどでしょう。実は最近、そんな人の為に、3人から遊べて1回10分で終わるワンナイト人狼というゲームが登場しました。

ワンナイト、という通り、夜のターン1回、昼のターン1回の、一晩で全ての決着がつく人狼です。ルールはシンプル、特殊な役割も少なく、少人数で短時間にも関わらず、人狼の面白さが恐ろしいほど凝縮されていて、騙し合いの興奮や驚きが十分に楽しめます。人気の割に流通している数が少なく、品薄気味なんですが、人狼面白そうだけどやるのは大変そう、という方にはオススメです。

気になった方はぜひ、刺激的な騙し合いの世界を体験してみてください。

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田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)

 


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