魔術師「ジャックリー」に会うことはかなわず…

 

 

 

 

 

 

少数民族、チェパング(Chepang)。彼らはネパール西南部に住み、我々と同じモンゴロイドです。自然の中で営み、今なお伝説の中に生きています。彼らを訪ねるためのベースキャンプとなるサクティコ(Shaktikhor)と、その周辺を紹介します。

ここサクティコはチトワン国立公園の北部に位置しています。カトマンズからは、直行バスが毎日1便(13:30発)のみ運行。小さな町で、宿は2軒あるのみ。ここで英語ガイドを雇うことができます。ガイドは1日約1000円でした。

徒歩で村々を訪ねます。まずは2キロほど西にある、セワン村。ここには宿泊所も用意され、民族衣裳での伝統舞踊や、コウモリの捕獲、伝統的な調理法などのショーを見ることができます。木造で1階は土間の調理場兼ダイニング、上は寝室という伝統住居を見学。

村の生活に触れた後、昔は魔術師だったという長老の家に行くことに。この後、予想しなかった不思議な話に、トレッキングが思わぬ展開になってしまいました。

長老は80歳ほど。昔は室内で波を起こし(家は山の中)魚を捕まえる、といった魔術が使えたそうです。その後ガイドは、何も食べずに洞窟で暮らす人物や、病気を祈祷で治し、動物に変身する魔術師の話をしてくれました。これら不思議な力を持つ人々は「ジャックリー」と呼ばれ、今なお存在するとのことです。

「会いたい!」とガイドを説得。河原を歩き、山に分け入ったのですが、会うことはかないませんでした。「洞窟は登山で片道5時間以上」「病気を治す魔術師は狼に変身して、遠くにとうもろこしを食べにいっている」と、山中で会った人に教えられ、断念。しかしこの「亡くなった父親がジャックリーだった」人から、詳しい話を聴くことができました。

魔術師になるには、岩の中に住む「バンマンセ」と呼ばれる猿に似た小人に弟子入りする必要があるそうです。彼らから魔力を授かった人は、黒山羊の生け贄で病気を治したり、虎や鷹に変身できるとのことです。洞窟に住む魔術師は、なぜ生きていられるのか、政府が調査に来たとのこと。しかし多くの魔術師は改宗したため、怒った精霊の逆鱗に触れ、力を失い、魔術を使えるのは今は数人だけとのことです。

超自然と供に今なお生き続ける、チェパング族。不思議な話を聞きに、出かけてみてください。
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。