異なる資産クラスに分散する意味

FXで分散投資はできるのか?

FXで分散投資はできるのか?

分散投資を行う際のポイントは、値動きの方向性が異なるもの同士を組み合わせることにあります。

最も基本になるのが、株式と債券の組み合わせ。景気が悪くなると株価は値下がりします。一方、景気が悪くなると金利は下がるので、債券価格は上昇します。つまり、株式と債券に分散投資させておけば、景気の先行き不透明で株価が下がった時でも、債券価格の値上がりによって、全体のリスクは抑えられるというわけです。

もちろん、昨今のように日本の金利が底ばいを続ける状態では、債券による株価の下落リスクをヘッジする効果は、ほとんど期待できませんが、たとえばコモディティを組み合わせてみたり、あるいは不動産投資信託を組み合わせてみたりなど、組み合わせのパターンはいくつもあります。

では、これを通貨に置き換えたらどうでしょうか。つまり複数通貨への分散投資を行うというものです。

もちろん、さまざまな通貨ペアの値動きを分析することによって、ある程度、複数の通貨ペアに分散投資する効果も期待できます。が、米ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ニュージーランド・ドル/円というように、クロス円通貨で、かつ外貨買いのポジションを組むと、分散投資効果はほとんど得られません。というのも、米ドル/円で米ドルが売られると、それとともにユーロや豪ドル、ニュージーランド・ドルも、対円で値下がりするパターンが普通だからです。したがって、円を売って複数の外貨に投資した場合は、満足のできる分散投資効果が得られないケースがあります。

知らない通貨には投資しない

円を売って他の外貨に投資するのであれば、基本的にはあまり多くの通貨に分散しないことをお勧めします。

理由は2つあります。

ひとつは、分からない通貨に投資すること自体がリスクであること。米ドルやユーロなど、情報がたくさん入ってくる通貨であれば、まだ多少なりともリスクを回避できますが、全く情報が入ってこない通貨だと、知らないうちに対円で大きく下落していたという状況に直面する恐れがあります。投資をしていて、これほど怖いことはありません。

二つ目は、特にマイナー通貨の場合、市場での流動性が極めて薄いため、為替レートが乱高下する恐れがあることです。しかもマイナー通貨の場合、情報そのものも少ないので、為替レートが乱高下するリスクがあることも含めて考えると、非常にリスクが高くなります。

このように、価格変動リスクが高い通貨を含めて分散投資しても、米ドルやユーロなどのメジャー通貨の値上がりに対して、マイナー通貨の値下がりが大きくなるため、満足のいく分散投資効果が得られません。

もし、どうしても複数通貨ペアに分散投資するならば、円を介さない外貨同士の通貨ペアを組み入れると良いのですが、そのレートを常時ウォッチするのも大変なので、結局のところ、複数通貨ペアの分散投資は難しい、ということになります。

基本的に、複数通貨ペアの分散投資で長期保有をするというのは、FXの商品性格上、あまり馴染まないと考えた方が良いでしょう。

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