使う時間帯を問わないあいさつ「arrivederci」

イタリア語の別れのあいさつに、使う時間帯を問わない表現として、「arrivederci アリヴェデールチ」があります。つづりを見ると「rr」と2つ並んでいるため、「強調した巻き舌」音が入るところなのですが、ここは例外的に“あっさり巻き舌”で「アリヴェ……」と言われることが多いです。もともと、「私たちがふたたび会うまで(さようなら、ごきげんよう)」という意味の表現です。

誰に対して使うあいさつかと言うと、日本語の感覚に照らし合わせて、「さようなら」と言える相手に使う、とまとめることができます。「えっ? そんなの、いろんな場合に当てはまりすぎて基準になってない」と思われたかもしれません。でもよーく考えてみると、日本語の「さようなら」は、カジュアルな口調で話す友達同士では言わないですよね。また逆に、ものすごく改まった場面で、とても敬意を表さなければならない相手にも「さようなら」とは言いにくい。

ミラノundefined発表会

先生と子どもたちのあいだで、arrivederci

そういうわけで、「arrivederci」は「敬語を話すけどそこまで改まった態度をとらなくてもよい」相手に使う、とまとめることができます。「さようなら」「失礼しまーす」と明るくあいさつできる相手に使えば間違いないです。たとえば、学校で先生が生徒に、あるいは逆に生徒が先生に、お店で店員さんとお客さんの間で、またはご近所同士で、といった具合です。

「arrivederci」は、祈願文系のあいさつと組み合わせることができます。たとえば夕方、店を出るとき、店員さんに「Arrivederci, buonasera. アリヴェデールチ、ブオナセーラ」と言えば、「さようなら」に「よい夕方をお過ごしください」という祈願をプラスしていることになり、丁寧で感じがよくなります。

さあこれで基本のあいさつの表現が出揃ったのですが、「ちょっと待って、じゃあ、敬語で話し、しかもとても改まった態度で接する相手にはどうあいさつする?」と疑問に思われた方にこっそり、おまけ情報を。そんな、「それでは失礼致します」と言うにふさわしい相手には、「arrivederla アリヴェデールラ」といいます。「あなたにふたたびお目にかかるまで(ごきげんよう)」がもともとの意味です。

公衆電話

イタリアの公衆電話

電話口で繰り返される「ciao」

友達同士の気軽な別れのあいさつ「ciao チャオ」は、無限に連呼されることがあります。それは、電話を切るときです。あっさり1回「チャオ」と言って電話を切ったのでは「情の薄い人みたいに思われるのでは」という心理からか、「チャオ~、チャオ・チャオ・チャオ・チャオ」と、何度も早口で繰り返す人をよく見かけます。愛想よくフレンドリーに切りたいという心情のあらわれらしいこの言い方に、イタリア人の気質が垣間見える気がします。


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