地の果て、知床

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半島を縦走する知床連山

北海道の中でもまだまだ手つかずの自然が残されている数少ない聖域の一つ、知床。古くは先住アイヌの人々からシリエトク・地の果てと呼ばれており、その豊かに育まれた自然が評価されて2005年に世界自然遺産の仲間入りをしました。半島北部の三分の一は人が立ち入りができないヒグマやエゾシカなどの「野生動物の王国」。細い半島の中心部に標高1660mを誇る羅臼岳を筆頭に硫黄山、知床岳など優に1000mを超える急峻な連山がひしめいており、現在でも人が住んでいるのは沿岸部のみという、その名の通りまさに「地の果て」です。

知床五湖の魅力

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紅葉の知床五湖は印象派絵画の世界

その知床観光のメッカとも言うべき知床五湖。昔神様が手をついた時、5本の指のくぼみが湖となったとの伝説があり、1湖、2湖から5湖までシンプルな数字の名前がついています。駐車場からは1湖の展望台まで高架木道の遊歩道が整備されており、バリアーフリーになっているので車椅子やベビーカーなどでもOK。バスツアーなど時間の限られた方でもお手軽に知床五湖の自然を楽しむこともできますが、せっかくここまで来たのですから五湖巡りのトレッキングで思う存分に大自然の魅力を満喫していただきたいものです。

私がここを訪れたのは、秋も終わろうとする10月も末の頃。山頂を雪で薄化粧した山々のホワイト、湖畔を彩る紅葉のオレンジやイエロー、常緑樹や熊笹のグリーン、そして空と湖のブルーといった様々な色彩が見事にハーモニーを奏でており、まるで印象派の絵画に中に足を踏み入れたかのような錯覚に陥ってしまいます。夕暮れ前の柔らかな光に包まれ、遊歩道に積もる落ち葉を踏みしめながら1湖、2湖と巡る道端には、エゾシカやリス、また木々の間からは名前も知らない野鳥たちが歓迎の挨拶にかわいい姿を見せてくれました。

1湖から5湖、五つの湖はそれぞれの顔、それぞれの表情を持っていますが、共通して言えるのは「体全体を包み込み、すべてを浄化してくれる波動、響き」を持っているという事です。一つ、また一つと湖を巡りながら、野鳥のさえずりを聞く耳が、山と湖と紅葉を見る目が、歩道脇の老木に触れる手が、知床の気を吸い込む口、鼻、肺が、道を覆う落ち葉を踏みしめる足が……それぞれの体のパーツすべてがクリーンアップされ、細胞の一つ一つまですっかり入れ替わってしまったような感じを抱いた次第です。

【DATA】
知床五湖
住所:北海道斜里郡斜里町岩尾別知床五湖
※知床五湖の遊歩道に入る為には有料のレクチャーを受ける必要があります。
詳しくは知床五湖フィールドハウスでご確認下さい。
問合せ先 知床五湖フィールドハウス:0154-24-3323
営業期間 4月下旬~11月下旬:7:30-18:00

パワーいっぱいの露天風呂

五湖の遊歩道トレッキングだけでも知床のエネルギーは充分に吸収することができますが、もっとパワーを!という方は、カムイワッカの滝がお勧め。硫黄山の中腹から涌き出るお湯が流れ込み、川全体が流れる温泉のようになっているワイルドな天然の露天風呂、というより滝壺温泉です。

【DATA】
カムイワッカの滝
住所:北海道斜里郡斜里町岩尾別
問合せ先:知床斜里町観光協会 0152-22-2125

ただ、ここはマイカーや徒歩などでの立ち入りは禁止されており、時期も7月から9月のバス運行期間に限られています。また、カムイワッカ湯の滝を登っていくには登山の沢登りの知識や技術が必要とのことで、一般の方にはちょっとハードルが高い所。マイカーなどで行けて簡単に入浴したいという方は、知床五湖からウトロに戻る途中にある岩尾別温泉がお勧めです。

羅臼岳の登山口にある温泉で、ここの一軒宿「ホテル地の涯(はて)」では日帰り入浴もできますが、玄関脇から奥の散策路沿いにある無料露天風呂も是非トライしてみて下さい。写真の三段の滝になっている野趣溢れる露天風呂です。羅臼岳からのパワーを裸で吸収しながら入浴できるので、知床五湖のトレッキングでかいた汗を流しながら、「元気の源」を充填するにはもってこいの温泉ですよ。

【DATA】
岩尾別温泉「ホテル地の涯」
住所:北海道 斜里郡 斜里町 岩尾別温泉
TEL:0152-24-2331、FAX 0152-24-2280
E-mail:iwaobetu@abeam.ocn.ne.jp
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岩尾別温泉「ホテル地の涯」の無料露天風呂

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