似てると思ってプレイしてない人は損してるかも

どうぶつの森の図

どうぶつの森みたいなゲームだと思ったら大間違い!

ファンタジーライフはどうぶつの森と似ている……そんな風に考えていた時期がガイドにもありました。今回は最初に懺悔をしておきます。レベルファイブからニンテンドー3DS(以下3DS)用ソフトとして2012年12月27日に発売された「ファンタジーライフ」、当初はそれ程しっかりチェックしておりませんで、なんとなく「とびだせ どうぶつの森(以下どうぶつの森)」に近い感じで、まったり生活できるゲームだと思っていました。ですから、どうぶつの森をガッツリプレイしていたこともあってプレイしていませんでした。

その後周りから、どうぶつの森とは全然違うゲームだから、そして面白いから、絶対遊んだ方がいいから、と押し切られてプレイ。確かにどうぶつの森とは全然違う……というかそもそもまるで似ていない、そしてこれは面白い! このアプローチはいままでなかったかもしれない!

ゲームライターとしては大変恥ずかしい話ではあるんですが、この恥を晒してでも伝えるべきことがあると考えました。おそらく、ガイドと同じように、なんとなくファンタジーライフはどうぶつの森みたいなゲームだと思って、なんとなく遊んでないユーザーが他にも居るんじゃないかと思うんです。それはもったいない、断じてもったいないのです。

ガイドと同じような失敗をする人を減らすためにも、ファンタジーライフが本当はどんなゲームなのか、お伝えしたいと思います

コンパクトでゆる~く遊べるオープンワールドRPG

ファンタジーライフの図

ドラゴンとだって戦っちゃいます。ちなみにこいつはいつも居眠りばかりしているイネムリドラゴン

ファンタジーライフはいわゆるオープンワールドRPGと呼ばれる分野のゲームです。これは海外のゲーム、いわゆる洋ゲーに多いジャンルです。通常RPGというのは行ける場所をストーリーで制限して、お話を進めると行ける場所が増えていくのが普通ですし、ストーリーに沿って主なダンジョンなどを用意しています。それに対してオープンワールドRPGというのは、本編となるストーリーはあるものの、最初から世界が開けていて、自由に色んな場所に行って、自分の思うように冒険ができるようになっています。

自由に歩き回れる広大な3D空間を用意して、そこで思い思いの冒険を楽しむというゲームですから、性能の高い据え置きハード、そして開発規模の大きい海外タイトルで発売されるケースが多いジャンルです。ということは、ファンタジーライフが比較されるべきはどうぶつの森ではなく、ベセスダ・ソフトワークスの「ザ エルダースクロールズ V: スカイリム(以下スカイリム)」やカプコンの「ドラゴンズドグマ」ということになります。

なんかいきなり濃いゲームの名前が出てきて、画面の雰囲気から全然似ていないと思うかもしれませんが、ジャンル的にはこっちなのです。ですから、自分の村という限定した中で充実した生活を送るどうぶつの森とは真逆、馬やラクダに乗って世界中を駆け巡り、溶岩だらけの洞窟や、ゾンビの徘徊する海岸で戦いを繰り広げ、ストーリーを進めるもよし、王国兵士に傭兵、木こりに釣り師に錬金術師といった様々なライフを極めるもよし、あっちこっちの人から頼まれるクエストをこなすのも楽しい、というゲームなんです。ファンタジーライフでも、家の中で家具を配置したり、果物をもいだりできるので、そこを見るとどうぶつの森っぽくも見えるんですが、それは大冒険のほんの一部なのです。

ただし3DSのソフトですから、オープンワールドRPGとしてはかなりコンパクトです。コンパクトなオープンワールドRPGって矛盾している気もしますが、プレイヤーが自由に冒険できる楽しさはそのままに、世界がコンパクトにまとまっているというのは遊んでみるとかなり快適です。

そして、スカイリムやドラゴンズドグマのようなゲームと比べて、すごくマッタリとしてノンビリとしてホンワカとした世界です。できることは多いんですが、ゲームシステムそのものはあまり複雑なことがありません。携帯機で可愛らしいキャラでゆる~く遊べるコンパクトなオープンワールドRPG、それがファンタジーライフなんです。このアプローチは、実はあんまりなかったんじゃないかと思います。

次は具体的にファンタジーライフでどんなことができるのか、お話していきたいと思います。

一流の料理人を目指すが、材料の魚を釣りたくて、狩人になって大冒険

ファンタジーライフの図

ちなみにキリタチ山の頂上では、レイトウマグロも釣れます。レイトウマグロが釣れるって変ですけど、でも釣れます

ガイドはファンタジーライフを始める時、まず料理人のライフを選びました。ライフは他のゲームで職業とかジョブとか呼ばれるようなもので、12種類あり、いつでも変更することができます。料理人として腕を上げていくうち、自分でとった材料で料理をしたいと考えるようになり、釣り人のライフを始めます。

主人公が最初にいる街、クルブルグの中でも釣りはできますが、そのうち腕もあがってくると珍しい魚が欲しくなって、山で釣りをしてみようと思いつきました。山に登るとなるとモンスターも強いのがいますから、釣り人のままでは大変なので、さらに狩人を選択。ライフをチェンジしても、そのライフで得たスキルは一部を除いて使うことができます、というわけで狩人ですが釣りもできます。

ペットの愛犬ミサイル(ペットに名前をつけて飼うことができるのです)を連れてキリタチ山という山をのぼると、案の定次から次に出てくるモンスター。ミサイルを突っ込ませて後ろから矢でチクチクと攻撃。NPCキャラクターとパーティーを組んでライフに応じた戦術をとって戦うのもファンタジーライフの楽しいところです。やっとこ山頂までたどり着くと、そこには氷の張った池にぽっかり穴が。これは、と思って糸を垂れれば、やっぱり、ワカサギが釣れました。

これを持ち帰って、ワカサギスープに。自分で冒険して釣った魚を料理した一品に大満足。ついでに道中、羊のモンスターを倒せば羊毛がとれたり、道端のたんぽぽからはたんぽぽわたがとれたりと、裁縫に使えそうな材料が大分たまっていたので、今度は裁縫師に。自分の装備を自分で作れば愛着も湧いてきます。そうやって色んなライフに手を出していくと、時間がいくらあっても足りません。こういう遊びとは別に、本編のストーリーがあるんですからね。

どうぶつの森よりは、MOTHERファンに勧めたい

ファンタジーライフの図

冒険をして、材料をとってきて、それを料理して、出来た品をお弁当にしてまた冒険するんです

ファンタジーライフを初めてすぐにあのゲームに似ているな、と感じました。もちろんどうぶつの森ではありません。MOTHERシリーズです。糸井重里氏による独特の世界観でファンも多いRPGですが、そのMOTHERと雰囲気が似ているのです。何が似ているかというと、セリフです。そこら辺を歩いている人に話しかけると、ちょっとしたセリフなんですが、キャラクターの愛らしさや、世界の楽しさを伝える言葉で、ちょっと笑わせてくれたり、ホッとさせてくれたりするんです。

例えば、お城の兵士に話しかけると「こんにちは! よいウロウロ歩きを!」なんて言われます。ちょっとニヤッとします。ガイドのお気に入りはある国の家具屋のお姉さん。話しかけると「シャル・ウイ・タンス?」続けて「ベットは別途お見積もりいたします。」帰ろうとすると「ソファー問屋が卸さない。」そしてダジャレを言った後は毎回「ご ごめんなさい。いまのは なかったことにしてください。」と謝ってくるんです。謝るのにまた言っちゃってまた謝る、これがどうにも可愛らしい。帰り際に「これに懲りずに またいらしてくださいね。」なんて言われると、またいらしちゃおうと思ってしまいます。

なんでMOTHERに似ているのかというと、MOTHERの開発にシナリオなどで参加していた戸田昭吾さんという方がファンタジーライフの開発にも関わっているということなのです。MOTHERに出てくるような、みんなちょっとずつ個性があって楽しい人達、といって必ずしもいい人ばかりというわけではなく、中には威張りんぼうや、わからず屋や、ズルいのや弱虫なのもいるけれど、どうしても嫌いになれない住民のいる、ゆかいな世界を自由に旅して自分のライフを楽しむオープンワールドRPG。これってすごく素敵じゃないですか? 実際、本当に素敵なんです。

オープンワールドの部分を強調してご説明してきましたが、本編の物語もすごく素敵なんです。

ファンタジーライフの物語は、やさしさでできている。

ファンタジーライフの図

携帯機でのんびり遊べるオープンワールドRPGって、ちょっといいと思うんです(イラスト 橋本モチチ)

こんな風にご紹介すると、自由度が高くて本編の物語は弱いのかなと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、本編の物語こそファンタジーライフの素晴らしいところなのです。

ネタバレになりますのでお話の筋は詳しくご説明しませんが、ファンタジーライフの世界では、恐ろしい陰謀もあんまり渦巻かなければ、悪の帝王によって苦しむ人々も見当たりません。ストーリーを進めると、世界を滅ぼしかねない恐ろしい出来事にプレイヤーは遭遇するんですが、でも、やっぱりそんなに恐ろしくはありません。本当の意味での悪者は登場せず、いつも楽しく、前向きで、ワクワクした物語を楽しむことができます。

壮大なスケールとか、息もつかせぬアクションとか、そういうんじゃなくて、恐ろしいことがあっても深刻にはならない、何かポカポカした、やさしさでできた物語。いつもセーブする時に、気分よく終われる、そんなゲームなんです。

ホンワカ、ポカポカのオープンワールドRPG。ガイドみたいにどうぶつの森に似てるんじゃ、なんて勘違いした人もいるかもしれませんが、一方でこのゲームの面白さを発見したゲームユーザーは確かにいて、新規タイトルにも関わらず20万本以上を売り上げています。すごいですね、日本のゲーマーの眼力は確かです。

しかも、今後オンラインマルチプレイや新クエスト、さらにレベルキャップ解放などの大型の追加コンテンツ配信が予定されているということで、まだまだ楽しめそうなファンタジーライフ。どうぶつの森をやってるからこっちはいいや、と思っていた方がいたら、ぜひ、もう一度チェックしてみて下さい。どうぶつの森に似ているどころか、他には無い魅力が詰まった、ゲームなんです。

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【関連サイト】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)
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