不動産会社に仲介してもらう意義とは?

「物件情報はネット検索で調べられるから、不動産会社に頼まずに個人で取引したほうが仲介手数料も節約できるのでは?」といった疑問が寄せられることがあります。確かに、不動産の売買は、個人の売主と買主の間で直接やりとりすることも可能です。このように売買当事者同士で行う取引を「相対(あいたい)取引」といいます。しかし、不動産流通業界において、この相対取引を行うことは、現実にはまずありません。

また、何度も取引したことのあるベテラン投資家でも、不動産会社に仲介を頼みます。売主や買主が不動産会社同士であっても、あえて別の不動産会社に仲介してもらうことも珍しくありません。なぜ、手数料の負担をしても、不動産会社に売買仲介を依頼するのでしょうか? 

その理由は、売主と買主の間に第三者の不動産会社に入ってもらい、ワンクッション置いて「相対取引」を避けたほうが、取引がスムーズに進むことを知っているからです。それでは、詳細を見てまいりましょう。

たとえば、価格交渉
買主から売主に面と向かって「100万円値引きしてほしい」とは、なかなか言いにくいものです。逆に、売主からも「値引きは受け付けたくない」と買主に直接はっきりいうのは、なかなか気がひけます。相対での交渉は非常に難しく、双方が感情的な言い合いになって、話がこじれるおそれさえあります。

そこで、不動産会社の営業担当者が調整役となることで、冷静に話を進めることができます。相場動向や売買取引事例などの客観的なデータに基づいて価格の根拠を示し、双方に交渉を行うため、お互いに納得のいく取引ができる可能性も高くなります。

また、売主、買主は、自分の思いや要望をすべて営業担当者に伝えることによって、ストレスが軽減でき、冷静な判断をしやすくなります。ただし、不動産会社であればどこでもいいということではなく、不動産会社の質、営業の質にもよりますので、不動産会社選びは重要です。

仲介業務の一覧

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その他、不動産会社の仲介に付随する業務として、図1のような項目があります。投資物件の場合は、入居者がいる状態で売買する、いわゆる“居抜き”の取引が中心になります。その場合、入居状況の調査が必要ですし、住戸内は見られないため、外観や管理状態などからさまざまな要素を判断しなければならないことも珍しくありません。これは、取引経験が豊富で調査に慣れていないとできないことです。

安全な取引をするための契約書の作成ひとつとっても簡単ではありません。特に、投資物件の場合は、居住用物件に比べて調査すべき重要事項は複雑かつ多岐に渡りますから、かなりの労力と時間がかかります。

こうした一連の業務を、初めて投資する方や投資経験の少ない方が行うのは難しいのではないでしょうか。さまざまなトラブルに巻き込まれるおそれもありますし、どう対処すればいいかもわからないでしょう。プロにまかせたほうが、時間や労力が削減され、ストレスや不安から解消されます。

特に、会社勤めのサラリーマンの方が、トラブル対処をするのは至難の業だと思われます。時は金なり、有能な不動産会社の選別をして、代わりに時間を使って貰いましょう。支払う手数料分以上のメリットがあると思います。


コンサルティング能力の高さと物件量の豊富な会社がベスト

それでは次に、不動産会社の選び方を考えてみましょう。
基本的には、投資物件の取引経験が豊富で、購入にあたっての資金計画や収支計算、購入後の運用、出口戦略などについて的確なアドバイスができるところがベストです。つまり「コンサルティング能力」が高いところといえます。物件検索サイトなどを通じていくつかの不動産会社にあたり、営業担当者と直に話をしてみることである程度は判断できるでしょう。

ただし、コンサルティング能力が高い会社に頼んだだけでは、希望条件に合った良い物件を購入できるとは限りません。たとえば、少人数で不動産投資に特化した営業を行っている不動産会社もあります。経験豊富な担当者がいてコンサルティング能力が高ければ、有益なアドバイスを期待できるかもしれません。しかし、「物件の情報量」は大手不動産会社にはかなわないのが一般的です。

なぜなら、物件情報は「投資物件を豊富に扱っていることが業界に知れ渡っているところ」に集まってくるからです。また、投資物件の情報は、個人の売主からの依頼だけでなく、金融機関や売買専門業者などさまざまルートがあります。こうした多くのルートから情報を集めることによって、いろいろな希望条件に合った物件を紹介できるわけです。

また、単に名前の有名な大手なら良いというわけではありません。なかには居住用物件の取引が中心となっているところや、投資物件といっても法人やファンドなどのホールセール中心のところもあります。

それぞれ得意分野の物件情報は豊富でも、個人投資家が購入できる物件情報は少ないかもしれません。サラリーマンの方の場合は、個人投資家向けの専門部署を持っている不動産会社をパートナーに選ぶのが成功の近道といえるでしょう。


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