注目され始めた「二世帯同居」と「3世代での暮らし」 

近頃、出産を機に家庭に入らず、子育てしながら仕事を続ける女性が増えていると感じます。実際、総務省の調査によると1997年に共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、その後も増加を続けています。

女性が働くことによる社会的メリットはとても大きいと思いますが、その反面、毎日時間に追われていて精神的にゆとりがなくなったり、子育てと仕事の両立にストレスを抱える女性が増えているのではないでしょうか。

その解決策のひとつとして、注目を集めているのが「二世帯同居」です。
特に小さい子供をもつ共働き家族にとって、いざというときに同居する両親が助けてくれる安心感は何事にも変えられません。また、3世代が一緒に暮らすことで、社会規範や情緒面において子供(または孫)に良い影響を与えるメリットもあるでしょう。
 

子育て中の共働き世帯にとって、3世代で暮らすメリットはたくさんあります

子育て中の共働き世帯にとって、3世代で暮らすメリットはたくさんあります

 

3世代が快適に暮らす間取りのポイント

二世帯住宅では、生活時間帯やライフスタイルが異なる3世代が一つの家で暮らすので、快適に暮らすための間取りづくりがとても重要になります。
二世帯住宅を建てるときに重視したい間取りづくりのポイントを3つ、ご紹介しましょう。

POINT1:
各世帯のプライバシーを確保する
プライバシーを保つためには、各世帯のライフスタイルや生活時間帯、食生活の違いを尊重し、生活上発生する音への対処が大切です。
その点で理想的なのが、各階ごとに左右で世帯を分ける「完全分離プラン」です。しかしこの場合、広い土地と結構な予算が必要になるため、実際には各階ごとに世帯を分けたり、一部を共有する「一部分共有プラン」が多いようです。

「一部分共有プラン」にする場合、水まわり空間であるキッチン・浴室・トイレは、世帯ごとに設けることをお勧めします。特にキッチンは、世帯ごとに食べる時間帯や好みの物が違うので、二つ設けた方がよいでしょう。

また、水まわり空間は音が出やすいので、上下階で同じ位置にするのがベストです。もし難しい場合には、下図の間取りのように、一方の寝室の隣や真上にもう一方のキッチンや浴室がくることを避ければ、問題はありません。さらに音の面でいうと、就寝時間帯を考慮して、主寝室の上にはリビングや子供部屋などの居室を設けるのは避け、収納や屋根などにするとよいでしょう。

【1F】 親世帯スペースが1階と2階の一部、子世帯スペースが2階と3階の二世帯住宅の間取り (クリックで拡大)

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親世帯スペースが1階と2階の一部、子世帯スペースが2階と3階の二世帯住宅の間取り (クリックで拡大)

【2F】 (クリックで拡大)

【2F】 (クリックで拡大)

【3F】 (クリックで拡大)

【3F】 (クリックで拡大)


 

POINT2:
シェア&コネクティングの発想を取り入れる
せっかく3世代が一緒に住むのなら、住まいの一部を共有(シェア)したり、行き来がしやすい(コネクティング)ようにすれば、世代間交流が生まれやすくなり、生活がもっと楽しくなると思います。また、さりげなく互いの気配が感じられるため、一緒に暮らす安心感がさらに高まるでしょう。

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男同士、時間を気にせず晩酌を楽しむ場としても活用できそう

二世帯住宅のシェア&コネクティングスペースとしてお勧めなのが、多目的スペースです。例えば、祖母、母、孫が生け花のお稽古を楽しんだり、家族のバースディパーティーを開くなど、3世代が気楽に集まれるスペースとして活用できるでしょう。

 
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バルコニーを、ゆるやかにシェア&コネクティングするスペースにしても

両世帯から出入りしやすい場所に広いバルコニーを設け、一緒に使うのもよいと思います。普段は世帯ごとに物干しや庭として使い、急な雨の時にはお互いの洗濯物を取り込む…。共働き世代にはとても助かるプランといえそうですね。

 
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玄関ポーチを1つにすれば、顔を合わせることでお互いの様子が分かり安心

玄関を世帯ごとに設けても、玄関ポーチを1つにすれば外出や帰宅時にお互い顔を合わせやすくなります。出来れば、雑然としがちな子世帯の玄関は道路から奥まった位置につくり、玄関ポーチはできるだけ綺麗に使うなど、親世帯へ配慮を忘れずに共有したいですね。

 

POINT3:
自分たちが快適に過ごせる工夫を盛り込む
二世帯がお互いに気兼ねせず、自分たちらしい時間を過ごせる場所をつくることも、快適な暮らしを送るためには大切です。
親世帯なら、生活を思い思いに楽しめる広めのLDKや、好きなことに没頭できるような自分だけの空間を設けるとよいでしょう。また、夫婦で就寝時間が違うなら、寝室は家具などで緩やかに区切ると自分のスペースで過ごしやすくなります。

【左】広々としたLDK。吹抜けで「光もシェア」【右】緩やかに区切った寝室。互いの気配を感じつつ、自由に過ごせるような空間づくりがポイント

【左】広々としたLDK。吹抜けで「光もシェア」
【右】緩やかに区切った寝室。互いの気配を感じつつ、自由に過ごせるような空間づくりがポイント


子世帯なら、慌ただしい毎日が少しでも楽しくなるようなプランニングをしましょう。例えば、広いダイニング・キッチンなら、家族一緒に料理や配膳ができます。また、ダイニングの一角に勉強コーナーをつくれば、料理をしながら子供の勉強を見てあげることができます。

LDKのつくり方次第で、家族で過ごす時間がより楽しくなり、コミュニケーションはさらに深まるでしょう

LDKのつくり方次第で、家族で過ごす時間がより楽しくなり、コミュニケーションはさらに深まるでしょう


共働きなら、家事がスムーズにできるような工夫も採り入れたいですね。大きなウィークインクロゼットを設け、家族の洋服を一か所にまとめれば片付けが手早くできます。キッチンの近くにユーティリティーを設ければ、買い置き品や資源ゴミの一時置きに使えて便利です。物干しフックを設ければ、雨の日等の室内干しのスペースにも活用できます。

家族全員の服が収納できるウォークインクロゼットや、多目的に使えるユーティリティーがあれば、毎日の家事が軽減できるでしょう

家族全員の服が収納できるウォークインクロゼットや、多目的に使えるユーティリティーがあれば、毎日の家事が軽減できるでしょう



3世代ならではの暮らしが楽しめる住まいを

ここまでご紹介したように、二世帯同居でも、間取りの工夫によってプライバシーを保ちつつ、自分たちらしいライフスタイルは実現できます。ひと昔前のような“我慢しながら両親と二世帯同居する”というより、“お隣り”に近い感覚で生活できるでしょう。

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「ツインファミリー トロワ」3階建てプラン


子育て世帯は、家事や子育てで頼れる両親と一緒に暮らせると、気持ちの上でゆとりができストレスが軽減するはずです。また親世帯も、適度な距離感を保ちながら、孫の成長を近くで見られる楽しみがあります。ぜひ記事を参考にして、3世代ならではの暮らしが楽しめる住まいをつくってください。

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