前回の記事で、以下の5つの業務のうち、「1.不動産登記」と「2.商業登記」という、従来から司法書士のメイン業務であった業務を紹介しました。この記事では、「3.訴訟代理」「4.成年後見」「5.裁判書類作成」という業務をご紹介します。

1. 不動産登記 2. 商業登記 3. 簡易裁判所の訴額140万円以下の民事訴訟における訴訟代理人 4. 成年後見 5. 裁判書類作成

司法書士の業務







簡易裁判所の訴額140万円以下の民事訴訟における訴訟代理人

最初の記事で、「弁護士は訴訟代理を行うのが仕事である」という説明をしましたが、実は、司法書士も“制限はありますが”訴訟代理を行うことができます。

その制限の話の前に、まず「訴訟代理」とは何かということですが、端的に言うと「お客様の代わりに(代理)、法廷(訴訟)に行くことができる」ということです。テレビドラマなどで映る法廷では、弁護士(訴訟代理人)の横にお客様も座っている場合が多いのですが、実はお客様は出廷する必要はありません。お客様の代わりに、弁護士が法廷にいけばよいのです。それを、司法書士も行えるようになりました。よく「柵を超えられた」などと言います。「柵」とは、法廷にある傍聴席とを区切っている柵のことです。

しかし、冒頭で申し上げたとおり、弁護士と異なり以下の3つの制限があります。

ア 簡易裁判所に限る
イ 訴額140万円以下に限る
ウ 民事訴訟
に限る

アについて
裁判所には、最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、及び、簡易裁判所がありますが、司法書士が訴訟代理を行えるのは簡易裁判所の裁判のみです。

イについて
「訴額」の正確な定義の話をすると難しくなってきますので、「140万円を超える高額の事件はダメなんだな」くらいに思っておいて下さい。

ウについて

刑事訴訟もありますが、司法書士が訴訟代理を行えるのは民事訴訟のみです。

このように制限はありますが、従来は弁護士しか行えなかった業務の一部を司法書士も行えるようになったというのは事実です。

なお、上記1~5の業務のうち、この訴訟代理業務だけは、単に司法書士試験に合格しただけでは行えるようになりません。司法書士試験に合格し、特別研修という研修(1か月強)を受けた上で、認定を受ける必要があります。「認定を受ける」と言いましたが、要は「試験」です。試験は、毎年6月に行われますが、司法書士試験よりは明らかに難易度が低い試験ですので、忙しい事務所に入り勉強時間が取れないなどということがなければ、合格することはそれほど困難ではありません。

近年台頭してきている業務であり、この業務だけで経営している事務所もある程です。しかし、あくまで「簡易裁判所」「訴額140万円以下」「民事訴訟」という限界はありますので、事件の内容によっては依頼を受けられないということもありますし、依頼を受けて業務を行なっていても、地方裁判所への控訴などにより弁護士へ引き継がなければいけなくなるということもあるのが現実です。