年金にもマネーハックの発想をしてみる

以前、「国はたくさん年金をくれてありがとう、という発想転換」というコラムを書いたのですが、「年金=少ない」と思い込むこと自体が自分のアタマで考えていない証拠でもあります。

今回は年金に関するマネーハックです。「自分の年金は自分で増やす」という考え方をしてみたいと思います。誰もが年金額はなんとなく決められてしまうものだと思い込んでいますが、実は年金額の多くは「自分」が決める部分なのです。

発想を逆転してお金の問題に新しい視点を作り出す当記事「3分間マネーハック」で、年金を増やす方法を具体的に確認していきましょう。

年金を増やす方法1 長く保険料を納める

年金額を増やす方法のひとつは簡単で、「長く年金保険料を納めること」です。年金額の計算式には必ず「保険料を納付した月数」が含まれています。つまり、10年しか年金保険料を払わず、残りの期間を未納であった人は、20歳から60歳まできちんと保険料を納めた人より年金額が下がるわけです(10年加入していれば年金を受けられる法律改正がありますが、10年入ればいい、というわけではなく、きちんと長く納めていた人のほうが年金額が増えます)。

60歳以降も同様で、働き続けて長く厚生年金保険料を納めていたほうが、年金額がアップします。22歳から60歳まで保険料を納める(38年)人より、65歳まで保険料を納めた人(43年)のほうが年金額がアップします。

年金保険料をずっと引かれ続けることはあまりおもしろくないかもしれません。しかし、最後に自分の年金額をアップさせてくれるのです。

年金を増やす方法2 高い保険料を納める

次に年金額を増やす方法は「より多く保険料を納める」ことです。これは厚生年金について当てはまるのですが、厚生年金は給与等の額に比例して保険料が決まります。給与や賞与が高い人ほど保険料も多くなるわけです。たくさん保険料を納めるのはあまりいい気分ではありません。

しかし、将来の年金額の計算においては、現役時代の平均賃金(標準報酬額)が高いほど年金額も高くなる仕組みとなっています。先ほど「保険料を納めた月数」を指摘しましたが、それだけではなく保険料を計算する基礎となった賃金や賞与額も年金額計算の要素となっています。

これを簡単にいえば、同じ期間、厚生年金に加入していた同年生まれの2人がいたとしたら、平均賃金が30万円であった人より40万円であった人のほうが33%も年金額がアップすることになるのです。

つまり、たくさん保険料を納めた分は、どこかに消えていくわけではなく、将来の年金額アップとなって反映される仕組みがあるわけです。

年金を増やす方法3 長生きして長く年金をもらう

よく世代間で年金制度は不公平であり、若い世代は○千万円もらい損、などといいますが、破綻論者の試算においても女性はほとんどもらい損がないことはあまり知られていません。

その理由は簡単で、女性は男性より平均5年程度の長生きをし、5年多く年金を受け取ることができるからです。

たかが5年と思うかもしれませんが、年80万円弱の基礎年金なら400万円ですし、厚生年金とあわせて仮に月額15万円あれば900万円にもなります。この差が「男性より、女性のほうが得」になる原因となっています。

つまり、健康で長生きをして「平均寿命より長く」もらえればあなたの年金損得は大きく変わってきます。もし、健康に気をつけて暮らし、平均より10年長く年金をもらえれば、あなたは個人的には「得」になることでしょう。

もし、今不摂生であると思ったら、健康に気をつかっておくことが年金を人より多くもらう方法でもあります。

年金の仕組みを知ると、年金がまた違って見えてくる

前回のコラムでは、実は国の年金額は「夫婦のモデルで大卒新人の初任給より多い」とか「老後の20年くらいの時間を考えれば5000万円以上になることも珍しくない大きな財産である」と説明しました。驚いた人も多いと思います。

今回の「個人的に年金額をアップする方法」も知らない人のほうが多いのではないでしょうか。自分の最終的な年金額や受取総額を決めるのは、実は自分自身です。もっと年金を多くもらう方法は、自分次第で実現可能なのです。

年金の仕組みを知ることで、年金制度もまた違って見えてくるのではないでしょうか。ネガティブなニュースばかりチェックするのではなく、まずはちょっと知ってみるところからスタートしてみてください。

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