政府系共済は年払がおすすめ

個人事業主の事業年度は暦年ですので、この12月末が決算期末になります。決算対策、節税対策をするなら、12月中に実行しておかなければなりません。そこで今回は、個人事業主の方が、今からでも実行可能な節税対策をご紹介したいと思います。

個人事業主の方にぜひおすすめしたいのが、小規模企業共済です。個人事業主の場合には、法人の役員と違って、退職金がありません。小規模企業共済は、そうした個人事業主向けに国が用意している退職金共済なのです(加入は、小規模な法人の役員も可)。

支払った掛金は全額、所得控除の対象になりますし、一定の要件を満たせば、退職所得として共済金を受け取ることができます。退職所得は税制上、優遇されており、所得税負担も少なくて済みます。

今から、節税を兼ねて加入するのであれば、年払いが有効です。掛金は月額最高7万円ですので、年払いで84万円となります。その全額が、今年の所得控除として、事業所得等から控除することができます。

ただし、加入には要件があり、例えば商業(卸売業・小売業)、サービス業を営む個人事業主の場合は、常時使用する従業員の数が5人以下が加入条件となっていますので、ご注意ください。

同様の制度で、中小企業倒産防止共済という制度もあります。こちらは、取引先の倒産に備えて加入する共済ですが、月額最高20万円の掛金を全額経費計上することができるため、節税としても有効に活用できる商品です。40ヶ月以上掛金を支払えば、解約しても掛金全額が戻ってきます。月額20万円を年払いすれば、20万円×12=240万円の経費となります。ただし、経費として認められるのは事業所得の場合のみです。その他の所得では経費計上できませんので、注意してください。

個人が国民年金保険料を支払った場合には、社会保険料控除として所得控除の対象となります。平成24年10月に、国民年金の後納制度ができ、時効で納めることができなかった国民年金保険料について、平成27年9月までであれば、過去10年分まで納めることができます。年内にこの制度を利用し、未納の国民年金保険料を支払えば、支払った全額(加算金を含む)が社会保険料控除の対象となります。これは、自分の国民年金だけでなく、同一生計親族のものでも、年内に支払えば対象となります。同一生計というのは、必ずしも同居していなくても構いません。離れていても仕送りをしているなど、生計を一にしているといえる状態であれば、同一生計親族として認められます。

ほかに、同一生計親族まで対象となるものとして、医療費控除があります。医療費控除は、10万円又は総所得金額等の5%のいずれか少ない金額を超える医療費を支払った場合に、その超える部分(保険金等で補てんされる部分を除きます)が控除対象になります(最高200万円)。年内に同一生計親族の医療費を支払えば、支払った本人の医療費控除になります。

消費税は年内に有利判定が必須

個人事業主は、所得税だけでなく、消費税についても考えておかなければなりません。平成25年が課税事業者となる場合には、この12月末までに原則課税と簡易課税のどちらか有利な方を選択することができます。簡易課税を選択する場合には、12月末までに簡易課税選択届出書の提出が必要になります。

また、平成25年が免税事業者となる場合であっても、多額の設備投資等を予定している場合には、課税事業者を選択すれば、消費税が還付される場合があります。その場合には、12月末までに課税事業者選択届出書の提出が必要です。

ただし、どちらの場合もいったん選択すれば、簡易課税は原則2年間、課税事業者は原則3年間継続しなければなりませんので、慎重な判断が必要です。

平成25年からは消費税の免税点制度が改正され、個人事業者の場合、平成23年の課税売上高が1,000万円以下であっても、平成24年1月1日から6月30日までの課税売上高かつ給与等支払額の合計額が1,000万円を超えていれば、平成25年が課税事業者となります。これまでとは判定基準が変わりますので、ご注意ください。

平成24年が免税事業者で、平成25年から課税事業者になる場合には、来年1月以降の課税売上については、消費税の課税対象になります。逆にいえば、年内の課税売上であれば、消費税は免税ですので、資産の売却を検討されている場合などは、年内での実行が有利となる場合もあるでしょう。



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