2012年は「スマートハウス元年」と言われています。ハウスメーカー各社は、新商品としてスマートハウス仕様の住宅を次々と投入しています。注文住宅の分野にとどまらず、分譲一戸建ての分野などにも広がりを見せています。このように注目される「スマートハウス」というキーワードについて、説明していくことにしましょう。

スマートハウスってどんなもの?

スマートハウスを直訳すると、「賢い住宅」となります。では、どのように賢いのかというと、「太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、家電、住宅機器などをネットワークし、エネルギーをコントロールすることで、家庭生活に必要なエネルギーを無駄なく使える仕組みを備えた住宅」となるのです。

概念図

スマートハウスの考え方

現在、スマートハウスと言われるものには、一般的に次の4つの条件が求められています。
・省エネ住宅であること
・創エネ設備を備えていること
・畜エネ設備を備えていること
・HEMS(Home Energy Management System)でコントロールされていること



まず、省エネ住宅と呼ばれるには、少なくとも2つの要素が求められます。「住宅の省エネ性能が高いこと」と「省エネ等の機器を備えること」です。

第1に、住宅の省エネ性能を高くするためには、高断熱・高気密住宅であることが基本となります。住宅の壁や床、天井といった居室を囲む構造部分をしっかりと断熱し、隙間風が入らないよう気密性を高めるとともに、窓に省エネガラスを使用するなど開口部の断熱性を高めることで、住宅内外の熱の出入りを抑える構造になっている必要があります。
観環居外観

「スマート・ネットワークプロジェクト実証実験住宅」として建設された積水ハウスの「観環居」外観。屋根に太陽光発電装置を搭載している。


第2に、少なくとも住宅内のエネルギー源である電気やガスで、省エネタイプの給湯機器を使用していることが挙げられます。具体的には、熱効率を上げることで、少ないエネルギーで給湯できる「エコキュート」(電気)や「エコジョーズ」(ガス)などの省エネタイプの機器を設置したり、家庭用燃料電池「エネファーム」やガスでエンジンを動かす「エコウィル」などの給湯と発電を同時に行う機器を設置したりすることです。ほかにも、省エネ仕様の空調設備なども含まれます。

こうして、家庭内で最もエネルギーを消費する冷暖房や給湯で、省エネできる住宅であることが、スマートハウスの基本になります。

解説画像

電気自動車(EV)は排気ガスや騒音の心配がないため、室内にEVコンセント付きの車庫(車室)を設けている。HEMSにより最適なタイミングで充電も可能。

創エネ設備としては、従来からの創エネ機器である「太陽光発電」が代表例でしょう。発電機能を持つエネファームやエコウィルに加えて、最近では太陽熱を利用した温水システムなども登場しています。また、畜エネ設備の代表例は、家庭用蓄電池です。最近では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドカー(PHV)を、畜エネ設備として活用する事例も増えています。こうして、住宅内で自律的に電気を生み出して蓄えることで、エネルギーをコントロールできるようになります。

最後に、スマートハウスの心臓部となるのが、HEMSです。HEMSは、住宅内のエネルギー(具体的には電気やガス、水道など)の「可視化」と「制御」を行います。住宅内のどこでどの程度のエネルギーが使われているかをパソコンやタブレットなどのモニターで「見える化」するのが可視化、使われるエネルギーを自動的に「最適化」するのが制御です。

以前は、エネルギー機器や家電、住宅機器を各社が各自の規格でつくっていましたが、経済産業省の指導で「ECHONET Light(エコーネットライト)」が標準通信規格になったため、ネットワーク化がしやすくなったという要因も、スマートハウスの普及に大きく影響しています。

これらの4つの条件を備えることで、エネルギーをスマートに(賢く)使う住宅が実現するわけです。

>次ページからは、スマートハウスのメリットやデメリットについて説明しましょう。