外断熱工法というのは、住宅の構造材の外側(屋根や床下も含める)をすっぽりと断熱素材で覆ってしまう方法のことをいいます。この工法は、充填断熱工法と異なり、断熱素材で覆われていない場所がなく、そのためより断熱性能が高くなると考えられています。住宅への省エネ性能基準がより高度に求められるようになった10~15年前から普及を始めた新しい工法です。

ちまたにある「外断熱神話」は本当!?

ただ、難点もないわけではありません。充填断熱工法に比べて建物の形状が複雑な場合などには施工が難しくなることなどがあります。新しい工法ですから、施工に慣れた依頼先が多いというわけでもありませんから、そうした点も要チェックポイントになるといえそうです。

ツーバイフォー

ツーバイフォー工法による断熱施工の模型。充填断熱工法であるが、構造体が木材であるため熱の伝導率が低く、高い断熱性能を確保できる(クリックすると拡大します)

ところで、これから住宅を建てようという人とお話をしていると、「やっぱり外断熱工法がいいよね」と、あたかも外断熱工法がベストであるかのように考えておられる方がいらっしゃいます。よく出版物などで協力に外断熱工法を勧める内容のものを目にしますが、その影響だと思います。

それは、あたかも「外断熱神話」のようなものに感じられます。しかし、本当にそうなのでしょうか。私にはとてもそこまで断言することはできません。というのは、断熱性能というのは基本的に、断熱素材の種類や性能、その厚さで決まるものだと思うからです。

断熱性の確保で主に問題となるのはヒートブリッジや隙間の存在ですが、例えば元々熱の伝導率が少ない木材を構造材としていれば、充填断熱工法であってもあまり問題とならないケースだってあり得ます。

また、近年は技術革新が進み、鉄やがコンクリートを構造材としている場合でも、それらを断熱素材で包み込むことでヒートブリッジを防ぐ工法も導入されるようになりました。そうなると、外断熱がベストだとはとてもいいきれないのではないかと考えられるのです。

誤解がないように申し上げておきますが、だからといって外断熱工法を評価しないわけではないのです。外断熱工法の登場により、充填断熱工法を採用していたハウスメーカーなどの技術革新をが促され、住宅の世界の断熱性能が一段と高まったことは事実であり、そのことを含め評価されるべきだと考えています。

2020年までに次世代省エネ基準が義務化へ

ぐるりん断熱

鉄骨系住宅の断熱施工。鉄骨材の周りを断熱素材で包み込むことにより、ヒートブリッジを作らないよう工夫されている。写真は積水ハウスの「ぐるりん断熱」(クリックすると拡大します)

申し上げたいのは、既成概念にとらわれるのではなく、断熱性も含め様々なことを皆さんに検討していただきたいということです。外断熱工法も充填断熱工法も、ハウスメーカーなどのモデルハウスなどを訪れ、実際にその仕組みをしっかり勉強した上で、善し悪しを判断していただきたいと思います。

さて、最後に国の断熱性の基準となる「次世代省エネルギー基準(次世代省エネ基準)」について少し触れておきたいと思います。次世代省エネ基準は全国を六つの地域に分け、省エネ性の基準を設けたものですが、適合する住宅は、2011年度上半期で5~6割程度(08年度は1~2割程度)といわれています。

住宅エコポイント制度の導入などでずいぶんと普及が進みましたが、逆にいうとこれまでは次世代省エネに適合しない住宅を建てても良かった、半分近くが省エネ性能の点で充分でない住宅が建てられていたということになります。

国では2020年までに次世代省エネ基準を義務化することにしています。これは私見ですが、もしかしたらもっと早められるかもしれません。現に、住宅の躯体+家電や設備までも含めた省エネ基準が今年度中に改められ、年末にも適用されるそうです。

それだけ、エネルギー問題が重要な課題となっているのだと思います。今後、住宅づくりを行う上で、省エネは大きな課題となりますから、皆さんには断熱性能も含め、しっかりと検討していただきたいと思います。

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