「中庭のある間取り」が人気の理由は?

注文住宅の間取りの中でも、「中庭のある間取り」は根強い人気があります。
人気の理由は、中庭は建物などに囲まれているため、道路に接する庭と比べると外部からの視線が届きにくく、プライバシーを守りやすい屋外空間として活用できることが挙げられます。プライバシーが守られた空間で家族や友人と食事を楽しんだり、ゆったりとくつろぎの時間を過ごせれば、ライフスタイルがより充実しそうですよね。
また、中庭を通じて1階の各居室へ自由に行き来しやすいことや、他の部屋にいる家族の様子が分かりやすいことなども人気の理由だと考えられます。

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建物に囲まれた中庭は、プライベート空間としてはもちろん、家族や友人と過ごす場としても活用しやすい



光と風を室内に取り入れやすい点も魅力

中庭は建物の中心部に設けられることが多いため、室内全体に光と風を取り入れやすくなることも人気の理由として考えられます。

ただ、日本には四季があります。例えば、夏の強い日差しをそのまま室内に取り込むと、眩しすぎたり室温が高くなってしまうので、南側の窓には庇やバーコラなどで日陰をつくる方法がおすすめです。一方で冬の暖かな日差しを遮らないように、庇を設ける時は長さに十分配慮することも大事です。日差しがもたらす光と熱を上手に調整すれば、夏場のエアコンの使用時間や、一年を通して照明を灯ける時間を短縮できるでしょう。

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ルーバードアや欄間窓を活用すれば、風と光を室内のすみずみまで届けられる

また、せっかく中庭から風を取り入れても、出口がないと風は家の中を通り抜けません。
建物内に“風の流れ”をつくるためには、水平方向と垂直方向の立体的な計画が大切なので、部屋の適所に窓を設けるとともに、吹抜けやトップライトなど上手に配するとよいでしょう。部屋を超えて風を通すためには、欄間窓やルーバードア、室内窓などを上手に取り入れたいですね。

風は体感温度を調整する作用があります。家の中に風の流れる道をつくることで、多少の暑さならエアコンを使わずに心地良く過ごせるでしょう。


中庭の位置は、敷地の特性を把握して決めよう

光と風を中庭に効果的に呼び込むためには、敷地の特性を把握したうえで、建物と中庭の配置を決めることが重要です。間取りづくりを始める前に、建築家や営業担当者などと一緒に時間帯ごとの日当たりや通風の様子、眺望、敷地内の高低差の有無、周辺の建物の高さや密集度合などをチェックしておくとよいでしょう。

さらに、敷地の特性を踏まえた植栽計画も大切です。敷地の南側に落葉樹を植栽すれば、夏は日差しを遮り、冬は落葉して日差し家の中に取り込めます。敷地の北側に常緑樹を植栽すれば、夏は涼しい風を呼び込み、冬は北風を遮断します。

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敷地の特性を読み、住まい全体で光を調整し、風の流れや植栽の配置を計画して中庭を設ければ、自然の恵みをより有効に活用できる

敷地の特性を読み、住まい全体で光を調整し、風の流れや植栽の配置を計画して中庭を設ければ、自然の恵みをより有効に活用できる


中庭に植樹する際も、方角を考慮して樹種や花を選定しましょう。居室に近い中庭に緑があれば、四季折々の緑や花の美しさを、暮らしの中でより身近に感じられるはずです。

このように、敷地の特性を考慮しながら中庭を配置し、取り入れた光・風・緑などの“自然の恵み”をプランニングの工夫でコントロールすることで、心地良く快適な暮らしと、エネルギー使用を抑えた“エコな住まい”が実現できるでしょう。


中庭を回廊で囲む方法も

「中庭のある間取り」は、一般的には中庭を建物で囲むプランが多いのですが、建物と回廊(コリドール)で中庭を囲むという方法もあります。

回廊は建物のように壁がないため、外部から風と光を中庭により一層取り込みやすくなります。また、回廊を道路面に配すれば、街並みに対して閉じずに、緩やかにつなげられる点も魅力といえるでしょう。

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イエローベージュの外壁、軒先の白いコーニスなど、洗練されたフレンチスタイルの外観。通りと中庭をゆるやかにつなげる回廊(コリドール)が印象的


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中庭を青空の下の「ガーデンリビング」として活用すれば、季節の移ろいに包まれながら、多彩なくつろぎを楽しめる空間になる

中庭の床の高さを1階の各部屋と揃えたり、一部分を回廊にすることで、天井がない中庭よりも“空間”的な雰囲気を醸しだすことができます。このスペースを「ガーデンリビング」としてソファーやテーブルを置いて、花や緑の空気を感じながら読書をしたり、休日には友人を呼んでガーデンパーティーを開けば、リゾート感あふれるくつろぎを満喫できることでしょう。

 


「中庭のある間取り」は今後もさらに多様化していくと思います。ご自分の住まいに取り入れる際には、敷地の広さや周辺環境、光や風の入り方などをしっかりと把握し、希望のライフスタイルを考慮したうえでプランを選択してくださいね。

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