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プレッシャーにならない応援メッセージ! 頑張れ以外の言葉で励ます

「頑張れ」という言葉がプレッシャーをかけてしまったり、励ますつもりが逆に不快感を与えてしまうこともあります。今回は、そんな時に役立つプレッシャーにならない応援メッセージや言葉をご紹介します。落ち込んでいる人に、頑張れ以外の言葉をかけてみましょう。

藤田 尚弓

執筆者:藤田 尚弓

話し方・伝え方ガイド

プレッシャーにならない応援メッセージ!励ましが逆効果になる⁉

プレッシャーにならない応援メッセージとは

プレッシャーにならない応援メッセージとは

トラブルやミスなどで落ち込んでいる人に声を掛けてあげたい。そんなつもりでかけた言葉が逆にプレッシャーになったり、不快感につながったりすることがあります。

皆さんも人から励ましてもらったにもかかわらず、「何だか無責任に感じた」「アドバイスを押し付けられるようでイヤだった」といった体験をしたことがあるのではないでしょうか。

どうすれば効果的に励ますことができるのか。
  • ショックな出来事に遭遇してしまった直後の「見守り期」
  • 気持ちが落ち着き始めた「回復期」
に分けた上で、具体的な励ましの言葉をご提案します。
   

応援の言葉……「見守り期」に伝えたい3つのこと

励ましの言葉 プレッシャーにならない応援の仕方  見守り期には無理に励まさない

見守り期には無理に励まさない

ショックな出来事があった直後は、「現実を受容できない」「怒りの感情がある」「自尊心が傷ついている」など、精神が不安定である可能性が高くなります。このような状態で励ましても、掛けた言葉を悪いほうに解釈してしまう可能性があります。この時期は以下の3つを伝えるにとどめるのがよいでしょう。

1. 「あなたの話を聴きますよ」と伝える
具体例)
「話したくなったら電話してね」
「いつでも話を聞くからね」
「話せるようになったら声をかけてね」

2. 「わかってあげたい」という気持ちを伝える(安易に「わかる」とは言わない) 
具体例)
「きっと辛いんだよね」
「大変なんだろうなって思うよ」
「気持ちをわかってあげられたらいいのに」

3. 見守りの意思を伝える
具体例)
「元気になるのを待ってるから」
「味方だからね」
「できることがあったら言ってね」
 

「回復期」は話を聞くことからスタート

励ましの言葉 プレッシャーにならない応援の仕方 回復期は話を聞くことからスタート

回復期は話を聞くことからスタート

ある程度気持ちが落ち着いて、立ち直りに向かっていく時期になると、励ましの言葉も前向きに解釈されやすくなります。まずは相手の話を聞くことからはじめ、共感の言葉をかけましょう。

具体例)
辛かったね
驚いたよね

女性の場合、話を聞いてもらうだけでストレスが軽減する傾向がありますので特に有効です。男性の場合、恥の感情や自尊心の関係で、話すことが逆にストレスになってしまうこともあります。こうした場合には、無理に聞き出そうとしないよう注意しましょう。

励ましの言葉は、ともすると押し付けや説教のように聞こえてしまうこともあります。話を聞く際の相槌に、少しずつ励ましの言葉を混ぜるくらいから始めるといいでしょう。

具体例)
うまくいくといいね
応援するからね

ある程度気持ちが落ち着いた「回復期」は、余裕がない時にはカチンときてしまうような言葉でも、前向きに解釈されやすくなります。難しく考えず、状況や相手との関係性を考慮して、「元気になってほしい」というニュアンスの言葉を選べばOKです。心を込めて丁寧に伝えましょう。
 

「頑張れ」という言葉は要注意!

一般的によく使われる「頑張れ」という言葉に傷ついてしまう人がいるのをご存知でしょうか?

「頑張れ」という言葉に、現在は頑張っていないというニュアンスを感じてしまう人もいます。精一杯のところで努力している人が「頑張れ」と言われると「これ以上どう頑張ればいいの?!」と感じるそうです。震災で被災された方々の調査でも「頑張ってという言葉が辛かった」という意見が出ています。

しかし、「頑張れ」の替わりとなる言葉は浮かびにくいので、この言葉を励ましとしてつい使ってしまう人は多そうです。労わるつもりが、不快感を与えてしまうのは残念なこと。励まされる時に負担になる言葉があることは知っておいたほうがよさそうです。
 

相手には不快に感じることもある励ましの言葉

励ましの言葉 プレッシャーにならない応援の仕方 不快に感じられる励ましフレーズもある

不快に感じられる励ましフレーズもある

「励まされて不快な思いをしたことがあるか」についてグループインタビューを行い、どんなフレーズに不快感を感じたか聞いてみました。

「大丈夫、なんとかなるよ!」
無責任な励まし方をされた時は、逆にイラっとしてしまいました(WEB制作会社勤務、29歳女性)
 
「苦しまなくてよかったじゃない」
慰めるつもりで言ってくれたのかも知れませんが、家族を亡くしたばかりの人に言っていい言葉ではないと憤りを感じました(ホテル勤務、47歳男性)
 
「次は頑張ればいいじゃない」
そうは言うけれど、今回も頑張らなかったわけじゃないし、次のことなんてすぐには考えられません!(メーカー勤務、35歳女性)

「俺なんてもっとひどかったぞ
武勇伝を話された。会話ドロボウに説教された気分(会社経営、44歳女性)
どれも励まそうという好意があっての言葉かも知れませんが、言われた人が不快になるのも納得です。どんな言葉で励ませばよかったのか考えてみましょう。

不快感が少ない励ましフレーズの例)
「大丈夫、なんとかなるよ!」
→「いい方向になるように手伝うよ

「苦しまなくてよかったじゃない」
→「気を落とさないでね

「次は頑張ればいいじゃない」
→「次に挽回しよう

「俺なんてもっとひどかったぞ」
→「似たような経験があるけどキツイよな

「やたらとアドバイスをされる」「わかってもらえない」と思われてしまうのも典型的なNGですので、相手の気持ちに寄り添うという基本を忘れないようにしましょう。
 

励ましの言葉おすすめ5選

励ましの言葉 プレッシャーにならない応援の仕方 気持ちに寄り添った励ましを

気持ちに寄り添った励ましを  
 

1. 「楽にいこうよ」
迷惑をかけられた時など、気持ちを和らげたいときに

2. 「無理しないでね」
頑張り屋さんにはこれ

3. 「逆にいい機会だったかも知れないね」
苦しい局面から立ち直った人に

4. 「応援させてね」
「頑張って」と言いたくなったときに

5. 「○○さんならきっとできるよ」
自信をなくしている人に

辛い時に気遣ってもらえるのは、本来とても嬉しいもの。待つ、聞く、励ましの相槌を打つというステップで、相手の気持ちに寄り添いましょう。

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