損害保険/火災保険の入り方

水漏れ原因調査費用保険金は火災保険に必ず付帯を

マンションのような共同住宅で漏水事故が発生した場合、最初に原因調査が必要です。火災保険で補償するにも漏水の原因によって誰に責任があるか、どこの保険から支払いになる、ならないが決まるからです。マンションの火災保険と水濡れ原因調査費用についてお話しします。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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火災保険に付帯する「水漏れ原因調査費用」とは

火災保険に付帯したい水漏れ原因調査費用保険金

マンションは水漏れ原因調査費用が必須!

マンションでは一戸建ての住宅とは異なるリスクがあるためそれに対する備えが必要です。その一つが水漏れ(漏水)です。自然災害と違い人の過失によることが原因であったり、そうでない場合もあったり様々なケースがあります。

なかには居住者同士のトラブルに発展することもあり、問題が複雑化します。水漏れ(漏水)事故を解決するために最初にしなければならないことが、水漏れ事故の原因調査です。

原因調査にかかる費用のために火災保険に付帯する水濡れ原因調査費用についてお話しします。

<目次>  

マンションでの水漏れ事故の原因を特定しなければならない理由

マンションで水漏れ事故が起きた場合には、最初に原因を特定しなければなりません。

水漏れ事故発生の際に必ず保険金が支払われるわけではありません。水漏れの原因いかんによってどの保険が対象か変わるためです。例えば上階の居住者が風呂で水を溢れさせたことが原因なら、損害を負担するのは上階の居住者です。

この場合、上階の居住者が自分でこの損害分を負担するか、個人賠償責任保険などの加入があればこの保険を使って損害があった居住者に損害賠償しなければなりません。

このように上階の居住者の責任なら、基本は加害者側が損害賠償します。水漏れ発生原因が共用部分ならマンション管理組合が対処します。何が原因で誰に責任があるか特定しなければならないのです。
 

マンションの水漏れ・漏水事故パターン

水漏れ(漏水)事故の発生原因と責任の所在についていくつかのパターンを確認しておきましょう。

■上階の居住者が原因
上記の例のように上階の居住者の落ち度で階下に水漏れさせてしまった場合です。この居住者自身の負担か個人賠償責任保険などで損害賠償することになります。

■給排水管などから水漏れが発生
該当箇所が専有部分か共用部分かによって専有部分の居住者あるいは管理組合の責任になってきます。事案によっては管理組合の規約などがどうなっているか確認する必要もでてきます。

■雨漏り、吹き込み
マンションなどでは年月が経過してくるとコンクリートの中を伝って雨水などが流れてくることなどがあります。火災保険上は雨漏りや吹き込みなどというような表現を使いますが、一戸建ての住宅の雨漏りと同じようなものと考えてください。

いきなり購入してすぐに雨漏りなどしたらそれはそれで問題ですが、長い年月の経過に伴ってこうした問題もでてきます。水が漏れている箇所を特定して防水などの対策が必要になります。しかしこうした場合には火災保険では対象外です。
 

原因の特定できない水漏れ時は「水漏れ原因調査費用保険金」で対応

水濡れ原因調査費用のポイントは?

水濡れ原因調査費用のポイントは?

原因の特定できない水漏れに必要になるのが、水濡れ原因調査費用保険金です。水漏れ事故の際、一番困るのは当然被害を直接受けている人です。

原因が分からなければ火災保険に加入していても損害保険会社も保険金を支払いようがありません。また誰の責任か分からないのに上階の居住者に賠償を求めるわけにもいきません。その場合、原因調査が必要になりますが当然費用がかかります。

また一番最後の雨漏りや吹き込みなどの場合はそもそも火災保険では保険金の支払い対象外の事案となりますが、やはり原因を特定するための原因調査が必要です。雨漏りでも原因調査した費用は支払われます。
 

水漏れ事故が発生したら、まずやるべきこと

漏水が発生した際は、損害保険会社(または代理店)、管理会社、修理業者などへ連絡してください。

漏水してくる水が止まらない場合、応急処置でもしないと被害が拡大します。保険は後の話ですが、何らかの緊急処置などが必要なケースが緊急ででてきます。管理会社や修理業者に連絡してまずは被害を大きくしないようにしなければなりません。

以前ガイドが関わったもので、親が不在のときに子供が洗濯機のホースが外れているのを気づかずに洗濯して階下に漏水、階下の住人がたまたま旅行にいっていたので被害が拡大したケースがありました。

また自分が加害者になった場合、マンションの漏水事故では示談が済んでも当事者がその後も顔を合わせます。日頃のコミュニケーションも重要だということも覚えておいてください。
 

水濡れ原因調査費用と火災保険

この補償はマンション管理組合が共用部分に対して加入する火災保険に付帯することが一般的です。損害保険会社側も補償の付帯を勧めてくるケースがほとんどだと思いますが、既存の補償内容は確認しておくようにしましょう。

マンションそのものも古くなるほど水漏れ事故も増えてくることが予想されます。

注意点を挙げておくならこの水漏れ原因調査費用保険金は無制限に支払いになるものではありません。1回の事故や同一の保険契約年度ごとに金額の制限があったりしますのでこの点は覚えておきましょう。

マンションの水漏れ事故は本当に複雑です。水漏れがあるので調べたら真上ではなく、さらにその上の階からのものだったということもあります。

水漏れ(漏水)事故発生の際には、被害を受けている当事者はもちろんマンション管理組合や管理会社、保険会社なども含めて原因調査を迅速に進めることが非常に重要になります。

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