ストレス/人間関係・人付き合いのストレス

大人の「友活」を成功させるための3つのテクニック

年齢を経るごとに友だちづくりが難しくなる・・・・・・こんなため息をついている方は、カウンセリングで使われるペーシング、ミラーリング、オウム返しの3つのテクニックを参考にしてみてください。初対面の相手とでも、すぐに打ち解けて会話ができるようになります。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

最近、新しい友だちが増えていますか? 

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思えば久しく友だちと話していないような・・・・・・

学生時代には身近な人と自然に仲良くなることができたのに、大人になると緊張感や遠慮が先立ち、心から打ち解けた関係を持ちにくい・・・・・・。それだけでなく、仲の良かった友達とはライフコースが分かれるごとに疎遠になり、交友関係が一つ減り、二つ減り・・・・・・気がつけば「友だちがいない!」とガックリする人も多いのではないでしょうか?

友情は、自分から積極的に広げていこうという意識を持たないかぎり、減っていく一方。だからこそ、「この人となら仲良くなれそうかも」と思う相手がいたら、こちらから話しかけ、関係を作っていく努力が必要になるのです。

積極的に友だち探しをすることを、「友活」といいます。シニア層のサクセスフル・エイジングの課題として注目されてきましたが、最近では20代、30代など若い世代にもこの言葉が広がりつつあるようです。

リアル環境で友だちを作るのは難しい!? 

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ネットのようには簡単にいかないリアル環境の友だちづくり

若い世代は、SNSを通じて気軽に友活をしています。しかし、リアル環境での友だちづくりは、ネット上のようにたやすくはいかないようです。内閣府の調査(第5回情報化社会と青少年に関する意識調査報告書、2007)によると、友だちの数が多いと思う人の数は、小学生をピークに学歴を経るにしたがって減り、仕事を持つ大人はさらに減少する傾向があります。

リアル環境での友活が年齢とともに難しくなるのには、いくつかの理由が考えられます。気軽に関係を清算することができないため、相手選びに慎重になること。現実の活動域での関係であるため、利害の衝突や感情の摩擦が起こりやすいこと。生身の人間同士で付き合うため、外見やキャラクター、人間性なども含めて、友だちにふさわしいか相手かどうかを総合的に判断する必要があること。リアル環境の場合、こういった理由も含めて友だちづくりをしなければならず、ネット上のように簡単には交流を始めにくいのではないかと思います。

とはいえ、慎重になりすぎてばかりいては、友だちはできません。そこで今回は、初対面の相手とでもすぐに仲良くなれる3つのコツをお伝えしたいと思います。

その1.「ペーシング」で相手に合わせる 

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相手に合わせて話すのがペーシング

「話しやすい」と思える相手はどんな人でしょう。自分と波長があって、構えずにリラックスして話せる相手ではないかと思います。

カウンセリングでは、初対面の相手と話すときに「ペーシング」というテクニックを大事にします。ペーシングとは、相手に合わせること。口調や態度を相手に合わせていくことで、相手が親近感を持ち、自然に話をしたいと思ってくれるように工夫することなのです。

たとえば、10代の若者が友だちとの関係で大切にするものに「ノリ」や「カラー」があります。ノリとは会話のテンポや空気感のこと、カラーとは雰囲気や持ち味のことです。若者がノリやカラーを大切にするのは、これが合うことで共感が生まれ、付き合いが楽しくなるからです。

ただし、このノリやカラーを重視しすぎると、友だち関係が息苦しくなってしまうため、あくまでも会話のテクニックとして取り入れる範囲にとどめておきましょう。

初対面の場合、お互いへの緊張感や先入観を取り払わないと会話が深まっていきません。だからこそ、このペーシングが重要になるのです。

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